ある雨の日の放課後、小学5年生の青田さんはクラスメート数人と教室でリレーの練習をしていた。
梅雨特有のジトジト感。汗まみれ。クタクタになったところで休憩となった。
その時、青田さんは教室の水槽を何となく見てみたという。
「飼育係だったんで、練習を始める前にやったエサをちゃんと食べたかなぁって」
その水槽には、課外授業の時に田んぼから連れてきたオタマジャクシが5匹入れられていた。
「でも、カラッポだったんです」
水槽の中からオタマジャクシが忽然と消えていた。青田さんは、友達にその事を伝え、一緒に探した。
「まだ足も生えていない状態だったのに、一体どこに?って思いましたよ」
ようやく探し当てた。
教室のゴミ箱の中、給食の残飯の上でオタマジャクシがピチピチと元気に跳ねている。ナポリタンまみれ。
しかし、見つかったのは1匹だけだった。
「その時、何でかはわからないけど、水のあるところにいるような気がしたんです」
何かひらめいた青田さんは、とっさに教室を飛び出した。
そこで、廊下を歩いていた男子生徒にぶつかってしまった。
転倒した青田さんは<いたーい!>と叫んだが、男子生徒は無言のまま立ち去った。
顔は見えなかった。みんなが“カッコ悪い”と言ってかぶらない、黄色い通学帽子を目深にかぶっていたからだ。
「背の小さい子でした、とても古い茶色のランドセルをしょってて」
立ち上がった青田さんは、女子トイレに向かった。
何かに導かれるように、手前の個室のドアをおもむろに開ける。
すると、正面のタイルの壁に4匹のオタマジャクシが張り付いていた。
濡れた体をピチピチと揺らし、今にもはがれて落っこちそうな様子。
「たった今、誰かがそっとくっつけたみたいでしたね」
その時、トイレの外から視線を感じた。
青田さんが振り向くと、そこにさっきの男子生徒がいた。
男子生徒は青田さんに見つかった途端、逃げ出した。
<待って!>
トイレを飛び出した青田さんは、廊下を曲がったところにある階段の方に男子生徒が駆けて行くのを見た。
後を追って、同じように廊下を曲がった時、青田さんは見た。
頭が天井まである、巨大な小学生のうしろ姿。階段いっぱいにひろがる身体。
巨大なランドセルを背負い、ズシンズシンと階段を駆け下りて行くところだった。
「足が速いって理由で、リレーのアンカーにされてたけど、後は追いませんでした」
いずれにしろ、腰が抜けてしまい立てる状態ではなかった。
それから、青田さんはオタマジャクシを水槽に戻すと、リレーの練習には戻らずに、脱兎のごとく学校を後にした。
飼育係は辞めたという。
LRg
mariman 2006年6月2日 20:35
イマニ 2006年6月2日 15:25
素材:A
調理:B
盛付:A
結果:1
ジャンボ小学生に物凄い恐怖を覚えます。子供特有のオーバーな記憶ではないはず。
2006年5月30日 15:56
変な話。はじまりと終わりが全然違っていて、こういうのもイイですね。
+1
柏木 麻宏 2006年5月30日 14:06
その一つ一つの光景が頭に浮かびます。雰囲気も好きです。±0
水町 2006年5月28日 3:07
生物が移動というのは聞いたことがある。
いたずらに来た小学生と解釈すればいいのか?+1
久遠平太郎 2006年5月28日 1:34
評価±0。
子供のころを思い出させてくれる作品ではあります。
藪蔵人 2006年5月27日 21:34
冒頭が長いのは小学校のリアルさを出すための演出だと思いますが、
所々、あれ?と思う箇所があり、
(既に指摘されているゴミ箱の件とか。あと、小学生なら生徒でなく児童では?)
細かいことですが、気になってしまってうまく話に入っていけませんでした。
巨大化する小学生というのは興味深かったのですが。
評点: 0
吉田 2006年5月25日 21:24
良い▲
オタマジャクシが消えるとか、リレーの練習で残ってたとか、そういう状況がいいですね。なによりも、ジトジトとした放課後の学校てのがノスタルジックで良ろし。巨大な男の子も予想外でした。
しかし青田さん、
「まだ足も生えていない状態だったのに、一体どこに?」って、そういう問題ではないと思います。
ミミちゃん 2006年5月17日 22:21
有澤 凪 2006年5月17日 1:10
教室でリレーの練習?飼育係をやめた?(そんなあっさり替われるものではないかと) 大きな小学生という怪異は面白かったのですが、他の方も指摘した部分が気になったのも事実。±0
もり けんた 2006年5月14日 13:10
なーんかゴーストバスターズのマシュマロマンが浮かびました(^^;)
巨大な小学生みたいっす。
自衛隊を呼べ〜!ああ、東宝映画お約束のレーザー殺獣光線が懐かしいよー!
プラス1。ちゃちゃちゃちゃん〜(ゴジラのテーマ)おたまはヘドラか?
林不二男 2006年5月12日 22:36
巨大小学生面白いです。これまでの学校を舞台にした応募作品の中で一番、学校を感じさせてくれました。 +1
TOMOKI 2006年5月12日 17:25
巨大な小学生。非常にインパクトがありますね。
おたまをゴミ箱に捨てたり、タイルにくっつけたり…大人の視点で
読むと悪意の塊のようですが、子供は残酷なものですし、この小学生も
青田さんにかまってほしくておたまに手を出したり、わざわざ目の前に
現れて邪魔したりしたのかも知れませんね。+1
ponken 2006年5月10日 22:30
巨大な小学生の意味不明な行動。意外な展開に驚きました。+1で。
てらまち 2006年5月9日 9:49
背の小さかった子が、巨大化した。オタマジャクシはなんの関係が?でも、意外と楽しく読めた。ちょっと不自然な部分もあったので±0。
sora 2006年5月8日 12:47
文章;■■■□□
怪異;■■□□□
恐怖;■□□□□
評価;■■□□□→±0
ネジ氏も講評されているが「小学生の怪談」としては成立しているように思う。たぶん小学生相手に相応の場で語ったらそれなりの好反応を導き出すことが可能と思われる作品である。
だが、このままではその範疇を出得ない。
余計な修飾を削ぎ落とし、怪異の描写を推敲すればもう1ランク上の怪談となりそうではあると思うのだが。
ナルミ 2006年5月7日 2:16
巨大小学生に圧倒された。
1
金縛郎 2006年5月7日 1:02
私が小学生のときは、給食の残飯、しかも汁物をゴミ箱に
捨てたりしたらそれこそ大問題になりましたが……。
些細なことですがちょっと不自然さを感じてしまいました。
±0で。
hydrogen 2006年5月6日 16:59
-1
放課後まで教室のゴミ箱に残飯が入ってる?とか
なんで女子トイレ?とか
気になって入っていけませんでした。
辛めの-1で。
風来月人 2006年5月6日 16:27
うーん、創作くさく感じてしまったので±0です
撃墜王の孤独 2006年5月6日 16:20
消えたおたまじゃくしを導入部としていきなり巨大な小学生(大入道?)が登場というのにヤラレた。
これは面白い妖怪談でした。 1で。
ネジ 2006年5月6日 14:36
私、巨大な小学生の話はぜんぜん知らなかったんで意表を突かれましたねー。
おたまじゃくしがタイルにくっつけてあるというのもチャレンジ精神あふれる小学生風味。
小学生の怪談ってこういう雰囲気だったよねぇ、というノスタルジーを感じて、甘めの+1
くりちゃん 2006年5月6日 13:15
巨大な小学生!
1995年作の『学校の怪談』に出てきましたよねえ。もう10年も経ったんだ…
おたまも災難でした。