元看護師、吉村さんの現役時代の最も恐ろしい体験談。
今から25年ほども昔の冬の寒い夜のこと。
吉村さんは知人宅で話し込んで遅くなってしまい、車に乗って自宅に向かった時は、既に夜の11時を過ぎていた。仕方なく近道として普段あまり通らない裏道を走ることにした。その道は途中で広い住宅造成地を通るが、なぜか長期間放置されていて、昼間でも寂しい感じのする野原のようになっていた。
街灯もほとんど無い、住宅造成地の中の細い道路を慎重にのろのろ走っていた吉村さんは、ふと右前方の街灯の下に人が立っているのに気がついた。
(こんな場所で何してるんだろう?)
ゆっくりと車で前を通りながら、用心しつつ運転席からそちらを見てぎょっとした。
古ぼけた和服姿にざんばら髪の女性が、裸の赤ん坊を抱いて立っていた。
腕の中の赤ん坊は手足をだらりと投げ出し、なぜか顔が真っ赤な血に染まっている……。
普通の人間なら、こんなものを目撃した瞬間にお経でも唱えながらフルスピードで逃げ出すだろうが、吉村さんはベテラン看護師であった。
(怪我人だ!子供が怪我をしてお母さんが困っている)
怖さより何よりも、看護師としての使命感が彼女を圧倒した。過去、必死の表情で子供を抱えて病院にやってくる母親の姿は、それこそ数え切れないほど見てきている。
(戻って声をかけて、私の車で病院に連れていってあげよう)
吉村さんは瞬時にそう決心すると、ブレーキを踏んで車を止め、女性の前まで戻ろうとバックミラーを覗いた。
街灯の下は無人だった。
(あれ?)と道路の反対側を見てみたがそこにもいない。車の周囲を見渡しても、あたりは真っ暗闇で、雑草がざわざわとなびいているだけである。
ここでようやく変だと考えた瞬間、突然足の先から頭の先まで体中の全ての毛が逆立つような凄まじい悪寒に襲われた。
「ーーーーーー!!!!!!」
声にならない悲鳴を上げると車を急発進させて無我夢中で自宅まで走り、気がつくと玄関にへたり込んでいた。吉村さんの蒼白な顔に家族が驚いて事情を尋ねても、しばらくは口がきけないほどであった。
後日、勤務する病院でこの体験を同僚に話した吉村さんは、あの住宅造成地が地元、特にタクシー運転手の間では有名な「心霊スポット」だと聞かされて再度青ざめたのだった。
LRg
笹根 2006年6月3日 17:46
柏木 麻宏 2006年6月3日 17:27
怪異の割には全体的に長いですね。ありきたり感も拭えませんでした。只、雰囲気は好きなので+0でしょうか。
sora 2006年6月3日 12:51
文章;■■■□□
怪異;■■□□□
恐怖;■■□□□
評価;■■□□□→±0
ぼっこし屋 2006年6月3日 0:32
古典的ながらも、職業意識を持ち出して吉村さんのピンボケぶりを描いたのは面白いと思いました。
怪異だと分かったときの吉村さんの描写にもう一工夫あれば化けるのかもしれません。
良い素材があるのに生かしきれてないかな、と勿体無く思いました。
±0
mariman 2006年6月2日 21:25
久遠平太郎 2006年6月2日 21:01
評価±0。
う〜ん、悪くは無いのですが、ただ見たという話なだけに何かもう一工夫が欲しかったです。
西方寺 2006年6月2日 19:51
たくさんの怪談を読んでいるうち怖いという感覚がマヒしてきたのでしょうか。
あまり、怖くないです。−1
ミミちゃん 2006年5月31日 2:02
てらまち 2006年5月30日 20:23
事実なので仕方がないが、もうひとひねり欲しい。±0。
吉田 2006年5月29日 16:01
得点なし
怪異を見た後がちょい長いかな、とも思いました。「凄まじい悪寒に襲われた。」の後で、女が凄まじい感じで襲ってくるのか?と身構えてしまいました。
ま、確かに恐怖って感じるのにタイムラグがありそうですけどね。そこらへんはリアルといえばリアル。
有澤 凪 2006年5月28日 23:38
怪異に比べ全体的に長いような気がします。吉村さんの職業意識の高さには頭が下がりますが、読み物としては物足りなさが残ります。−1
藪蔵人 2006年5月28日 1:02
おもしろい視点で書かれているので、古典ネタでも構わないのですが、最後の段落は不要かなあ。
最後から二段目の段落もやや不要と思われます。
どこで語りをやめるか、って本当に難しいですけどね。
評点: 0
林不二男 2006年5月27日 22:04
実話に対しこんな事を言うのは何ですが、「職業意識」と言う題名から想像したオチがそのまま使われている事に物足りなさを感じてしまいました。 得点なし
brother 2006年5月25日 12:23
さすが看護婦。^^;
間の抜けたところで怖がりますな。らしいというかなんというか。^^;
吉村さんのズレっぷりに敬意を表します。
ただ、内容や流れなんかはどこかで読んだことがあるという印象が拭えないのが惜しい。
±0
もり けんた 2006年5月25日 10:50
うんしょ〜(゜゜)
この話はもったいない!後半に行間余韻をつけて欲しかったです。そうすれば怖さ倍増〜。このままだとオチバレでしたから。そういえば「忍びか?」とボケた方もいましたねー(^^)±0。
TOMOKI 2006年5月23日 14:58
良くも悪くも綺麗にまとまりすぎている印象なのですが、怪異を
目の当たりにした瞬間より、それが消えた後に恐怖を感じるという
吉村さんの視点によって少し味付けが変わり、楽しめました。+1
杜井 都衣 2006年5月23日 14:40
■:さすが看護婦さん!!
職業によって咄嗟の判断って違うんですねぇ。面白い!
幽霊だと気づいた後が、ちとしつこかったかなぁ。
ponken 2006年5月21日 21:46
古典的なお話ですね。+αがないと、超ー1では辛いと思います。+−0で。
金縛郎 2006年5月21日 3:26
ナルミ氏、ネジ氏と同意見。
怪異自体はありきたり。職業意識にフォーカスしたのは
面白かったんですが……。
±0。
ネジ 2006年5月20日 23:18
職業意識ってスゴイもんですね。しかしそれ以外は目を見張るほどのものは感じられず。±0
hydrogen 2006年5月20日 22:13
1
産女ですか。
古典的ではありますが、古き良きということでサービス。
吉村さんの反応までが古典的だったのはちょっとマイナスですが
救助に行くのはナイスだったので。
ナルミ 2006年5月20日 20:13
怪異自体はよくある話。
吉村さんの最初の反応に新味があると言えばあるが、+にするほどではないので±0。
風来月人 2006年5月20日 18:44
ありがちなので±0です。
くりちゃん 2006年5月20日 14:14
面白かったです。○