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2006年5月18日(木)

夕焼け空交信

今から30年以上も昔、私が小学生の時に近所の絵画教室に通っていた時期がある。

ある秋の土曜日の夕方。何かの用事で先生が外出し、建物の2階にある教室には私たち子供だけが10人ほど残っていた。子供の集団ゆえ絵も描かずにさぼって遊んでいると、急に一人の男の子が窓の外を指差して声を上げた。
「何だ、あれ?」
皆でそちらを見ると、雲一つ無い茜色の夕焼け空にオレンジ色の光球がぽっかりと浮かんでいる。普段見慣れた雲や飛行機より見た目がずっと大きい。
「UFOだ!」
「そうだUFOだよ、あれ」
私たちは口々に叫びながら、教室の窓に一斉に窓に駆け寄った。

夕焼け空の光球は、何の気配もなくじっと浮かんでいる。
「全然動かないねえ」
「UFOってさあ、すごい早さで飛ぶんじゃないの?」
「俺がテレビで見たのは、ジクザグに飛んでたよ」
「ちょっと動くといいのになあ」
私たちががやがや喋っていると、いきなり光球がすうっと右に動いて止まった。
「あ、動いた!」
誰かが、調子に乗って大声で叫んだ。
「次は左ー左に動いてー!」
すると、光球が音も無く左側に動いた。
「UFO、こっちの声が聞こえてるんだ」
「宇宙人が気がついたんだ」
興奮した私たちは、声を揃えて「上ー」「右ー」などと空に向かって叫び、光球はその通りに上下左右に動いてくれた。

しかし、しばらくすると動きが止まった。いくら私たちが叫んでも、最初と同じようにじっと空に静止している。
「もう終わりかなあ?」と私が隣の子に言うと「でも消えるところが見られるよ」と主張する。皆は少し黙り込んで、光球を眺めていた。と、次の瞬間。

光球がいきなり2つに割れた。
少し小さくなったように感じられる光球の1つは右上方向に、1つは左下方向に音も無く飛んでいく。

「UFOがふえたー!」
「宇宙人が見せてくれてるんだ!」
「すごーい!!」
私たちは感激のあまり、夢中で空に向けて手を振った。
左下に飛んだ光球はやがて空中に溶けるように見えなくなったが、右上に飛んだ光球は、ゆっくりとどこまでも薄紫色の透明な空を昇っていく。
もう帰ってしまうんだなあという寂しさを感じつつ、私も他の子供たちも、お礼の声が届くようにと願いながら窓から身を乗り出して空に叫んだ。
「面白かったよー」
「ありがとー」
「またねー」
「また来てねー」

完全に視界からオレンジ色の光球が見えなくなるまで、私たちはいつまでも夕焼け空に手を振っていた。


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まだかけるのかな 2007年1月5日 15:30

テストテスト

柏木 麻宏 2006年6月3日 23:31

結構読みやすく、ネタものほん。雰囲気も好きなので、+1ということで

笹根 2006年6月3日 16:59

△夕焼け空交信(TB)
http://chokowa-party.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_f5b7.html

mariman 2006年6月2日 21:16

http://plaza.rakuten.co.jp/mariman1234567/3130

久遠平太郎 2006年6月1日 22:26

評価±0。
難しいUFOネタを上手く書いたと思います。
しかし、内容自体はありふれたものだったので。

てらまち 2006年6月1日 15:26

UFOネタとしては、面白く読ませていただいた。子供ならではの反応に自分が子供の頃を重ね合わせて、懐かしい気持ちになれた。でも、やはりそこまでなんです。
申し訳ない。±0。

2006年5月31日 9:11

情景の描写もきれい。
+1

ponken 2006年5月30日 22:19

ほほえましい風景ですね。宇宙人たちがみんな、これくらい友好的だったらいいのですが。個人的には、最後にどんでん返しを期待していました。+−0で。

吉田 2006年5月28日 23:03

得点なし
なるほど。いい感じでUFO話を消化(昇華?)していると思いました。こういうシチュエーションなら、確かに「霊」より「UFO」の方が適してますね。
そういった意味では上手いのですが、完全に他作品と同列に並べた場合に、「比較しても水準以上」では無かったので、プラマイゼロとさせて頂きました。「UFO話を上手く扱ったから」てだけでは、深さとか発展性とかは無いですし。厳しい言い方ですが。

こころママ 2006年5月28日 13:49

 はじめて抵抗感なくUFO話を読めました。タイトルと内容の味わいがほんとうにうまくつながっています。
 難しい素材を上手に料理した手腕にプラス1点です。

藪蔵人 2006年5月28日 0:21

いいですね。心温まるファーストコンタクトですかね。
UFOがこちらのリクエストに答えてくれるのも、面白い話だと思いました。
評点: 1

sora 2006年5月27日 17:21

文章;■■■■□
怪異;■■□□□
恐怖;□□□□□
評価;■■□□□→±0
まず最初に、上記のような評価で申し訳ないと作者の方に謝っておきたい。
ほのぼのとしていて微笑ましい情景が思い浮かび、何となく懐かしい感情が沸いた。
ただ、文章は優れていると感じるものの、今までに聞いたUFO目撃譚と一線を画すような怪異ではなかった。
私としてはUFO目撃譚にしては、かなりの高評価ということでひとつご勘弁願いたい。

ミミちゃん 2006年5月27日 1:53

tb
http://chabin.blogtribe.org/entry-6c4227caab675aede3ca7d270276ed7d.html

有澤 凪 2006年5月25日 23:35

非常に微笑ましい話すぎて、何かそれに不安を感じてしまう自分がちょっと悲しい。子どもたちの様子が思い浮かぶ文章でした。+1

林不二男 2006年5月25日 22:46

微笑ましいし、題名も好きです。これで終わりかと物足りなさもちょっと感じてしまいましたが、 +1

マリポーサ 2006年5月24日 15:56

サービス精神あふれるUFOさんですね。
±0

brother 2006年5月23日 22:51

良いですね。
鮮明に憶えているからか、子供達(でもずいぶん年上w)の反応がリアルで楽しめました。
文章も悪くないですし、ボクは結構好きです。これ。
+1

もり けんた 2006年5月21日 9:10

……(−−;)
ベントラベントラ、スペースピープル〜。
±0。
「うる星やつら」のあるエピソードを思い出しました。超怖の円盤ネタとほのぼの…。
文章もきれいだし、抵抗なく読めました。
でも、何か趣旨が違う感じが〜。「派遣先の〜」の毒が強すぎたみたいです。ごめんなさい…。あんましぶっ続けで読むものじゃないなあと思いながらよく考えると、「超怖い話」は眠いのにページ捲っている自分がいるのを思い出しました。
やっぱ、最高ですよね!仕切りなおし(TT)いま自分は俄か編集者にトリップ。

風来月人 2006年5月19日 20:27

怖くはないし、おもしろくもないので-1です。

TOMOKI 2006年5月19日 15:12

個人的にUFO譚は苦手なジャンルなのですが、この作品は楽しんで
読めました。
子供達のリクエストに応えるように(リモコン操作のように)動いて
みせるUFOというのも面白かったですし、最後に二つに分かれ大歓声を
受けて夕空に消えていくというのも良かった。情景が浮かんできました。
この内容に実にマッチした題が効いていますね。好きなので+1

hydrogen 2006年5月19日 3:57

1

UFOネタというのも人を選ぶネタの一つですね。
難しい。
講評も難しい。

まぁ・・・好き嫌いに頼れば好きかなぁ。

金縛郎 2006年5月19日 2:23

こじんまりとまとまった、何となく微笑ましい話です。
でも、○にするほどの好印象は持てませんでした。
雰囲気を除けば、単なる目撃談にとどまってしまって
いるあたりが原因でしょうか。何かしらもうひとひねり
欲しいかなと思ってしまうのですよね。

±0です。

くりちゃん 2006年5月19日 0:29

夕焼け空に「また来てねー」と手を振る児童達のシルエット。
それにかぶせて元気の出てくるような児童合唱団のエンディング・テーマが流れる。
っていう感じでしょうか。「学校の怪談」風味で。確かに懐かしい場面ですけど、○にするには何かが足りない。

ネジ 2006年5月18日 23:49

無邪気な子供の頃を思い出すようないい雰囲気ではありますが、UFOネタって自分的にはあんまり好みではなくて。±0
O
e