電気土木工事業を営む、馬場さんから聞いた話。
彼の会社は主に、配電用ケーブルを埋設する業務を請け負っている。
「小学校とか中学校にもよく行くんだけど、嫌なんだよなァ」
重機で運動場を掘り返すと、必ずといって良い程出てくるものがあるという。
墓である。
「一個や二個じゃない、ゴロゴロ出てくるんだ。五輪塔っつーのかな、アレが立ったまま出てきた事もある」
馬場さんは、どうやって埋めたのか想像できないよ、と苦笑した。
ある中学校での埋設工事中、重機で掘削作業をしていた従業員が、馬場さんを呼んだ。
この現場でも、既に幾度となく墓石による中断が繰り返されている。
またかと思いながら穴を覗き込んだところ、少々様子が違った。
掘り起された運動場、深さ1.5mの位置に、まんまるな水溜りが出現している。
「瓶(かめ)なんだよ。ひと抱えもあるような、デカい瓶。そこに、水が満杯」
雨水が浸透し、溜まったものであろうと思われた。
それ以上深く掘る必要は無かったが、作業中に水の中へ落ち込んではたまらない。
馬場さんは瓶を埋めるよう指示した。
重機が土砂をすくい、瓶の中に放り込もうとした瞬間。
凄まじい絶叫が響いた。
馬場さんと従業員は飛び上がった。
断末魔を思わせる壮絶な金切り声。
全身が総毛立つ。
何が起こったのかわからない。
頭蓋を締め付けられるような悲鳴は長々と尾を引き、やがて口笛のような音に変わって、ふつりと消えた。
二人は顔を見合わせた。双方、蒼白である。
グラウンドの端にいた学校の職員も、仰天した様子でこちらを見ている。
その時。す、と水面が動いた。
まだ、指一本触れてはいない。
凍りつくような汗が吹き出す。
瓶の水が、見る見るうちに抜けていく。
中に、何かある。
いや、いる。
「埋めろ!!」
馬場さんの怒声と共に、瓶の中へ、土砂が降り注いだ。
その状況で、埋めると即断した理由を尋ねた。
「俺らも、必死に仕事してる。一々関わっちゃいられないだろ。そのまま寝ててもらうしかない」
瓶の底に、何があったのかは見ていないという。
もっと凄いのが出てくる事もあるがそれはまた今度な、と言い残し、私の肩を4,5回叩いて、馬場さんは席を立った。
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mariman 2006年6月2日 21:01
2006年5月30日 15:45
怖くないけど。+1
でも、ネタとしては弱いような・・
柏木 麻宏 2006年5月30日 14:00
夢、は判断し兼ねますね。爽やかな雰囲気は好きです。±0
久遠平太郎 2006年5月29日 22:20
評価−1。
よく聞く話なので「超怖」ではこの程度の話では厳しいかなあ。
有澤 凪 2006年5月29日 17:52
敢えて作品として発表するネタではないと思いました。−1
藪蔵人 2006年5月27日 22:56
タイトルも好きだし、いい話ですね、これ。
しかし怪談かと言うと…
評点: 0
吉田 2006年5月27日 15:13
得点なし
キチンとオチもついた、いい話であると思います。怪異かどうかは微妙なところもありますが、「微妙な場合は怪異と思おう」というポリシーに従って、僕は楽しみました。
ただまあ、それでもよく聞く話であるので、結果としてはプラマイゼロ。
林不二男 2006年5月24日 22:06
良い話で、ダイレクトな題名も好きなのですが、怪談として見ると、得点なし
てらまち 2006年5月23日 9:58
お茶の間で「ああ、きっとおじいちゃんが来たんだね。よかったよかった。」と皆で話す。こんな場面が想像できてしまう。いいお話である。が、怖い話ではない。−1。
ミミちゃん 2006年5月21日 7:18
brother 2006年5月20日 16:59
(・∀・)
+1
sora 2006年5月19日 19:12
文章;■■■□□
怪異;□□□□□
恐怖;□□□□□
評価;■□□□□→-1
「虫のしらせ的怪談」に目新しさを感じない。
また、この類の話は怪談ではないように思う。
特にこの話の場合は、筆者の方がこのような夢を見る可能性が十二分に予想される状況下で起きた出来事である。
悪い出来ではないのだが、怪談としての評価は厳しくせざるを得ない。
ponken 2006年5月19日 2:16
ほのぼのでいいですが、怖さはないですね。±0で。
もり けんた 2006年5月18日 17:06
これは参ったにゃー(TT)
田舎に行くと当たり前に聞かされる話でやんす(TT)
でも地方って、都会と違ってこういう話が生活に共存してるんですよね。±0。
風来月人 2006年5月17日 20:26
なかなか良いですが、こわくないですね。±0です
ネジ 2006年5月17日 0:16
夢に出てきたおじいちゃんが嬉しそうなのは、なんだか可愛いんですけど。怪談としてはどうかな、と。−1
TOMOKI 2006年5月16日 15:18
「呼び声」の講評とかぶってしまいますが、お祖父さんを亡くした
ばかりの筆者氏が、お祖母さんが長期の予定で訪問してくるという
状況下でこういった夢を見たとしても不自然ではありません。
「何だか嬉しそうなお祖父さんの声」という描写には心温まる
ものがありますし、文章はこなれていて読みやすいのですが、
これを怪異とするにはためらいを覚えます。−1
田原 誠 2006年5月16日 10:42
本人も充分に意識している状況下でこうした夢を見ても、そこに不思議はない。 ▼
金縛郎 2006年5月16日 9:57
うむ、単なる夢といってしまえばそれまで。
すいませんが×です。
くりちゃん 2006年5月16日 7:13
ほのぼのとしていますが、怖い?ときかれたらちょっと…
ナルミ 2006年5月16日 1:21
単なる夢の話で、これだけでは怪異とは言い難い。
祖母が位牌を持ってくるのは十分予想できた行動で、それが意識の底にあったからこのような夢を見たのではないか、と思う。
−1