私が中学生の時、同級生のKから不思議な写真を見せてもらった。
Kが三歳の時に祖父に撮ってもらった写真で、彼が自宅の庭で三輪車に乗っているところを写したものだ。
写真には、中央でご機嫌に笑っているK以外にもいろいろなモノが写っている。
私が覚えているものでは、芸者らしき若い女性、褌姿の男、馬の横顔、頭のない羽織袴の人物、何かを担ぐような格好をした男の正面姿、写真の正位置とは逆さに正座している二人の老婆などで、それらがKを囲むように写っていた。
Kが両親から聞いた話では、写真には最初、彼しか写っていなかったそうだ。しかし、彼が成長するにつれ、その写真にどんどん上記のような不思議なモノが浮かび上がってきたと言う。
「そんで親がさ、気味悪がって写真を捨てようとすると、じいちゃん、ものすごく怒ったんだって。なぜだか理由は教えてくれなかったらしいけど。」
Kの祖父は、彼が中学にあがる直前に亡くなっている。Kはそのときになって初めてその写真の存在を知ったのだと言う。そして、本人は怖がるどころか面白がって写真を見せびらかしていたのだ。
後に開かれた成人式でKと再開した時、写真のこと尋ねてみた。
すると、Kはいままで写っていたモノは全て消えてしまったとのだと言う。
期待していた私が少し残念そうな顔をするとKは笑って、
「でも、最近になってまた一人現れたぜ、じいちゃんが」
と言った。
今度見せてもらおうと思う。
