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2006年4月9日(日)

踊る

 今年二十五歳の金村君は、小学校低学年まで両親と同じ部屋で川の字になって寝ていた。
 右に父親。左に母親。真ん中に金村君、という並びだった。

 ある晩、金村君は不意に目を覚ました。
 何故か眠気が全て吹っ飛んでいる。
 やることもなく部屋の中を見ていると、布団の足元の方にある襖が突然開いた。
 そこから、和服姿の知らないお婆さんが音もなく入ってきた。
 お婆さんは金村君の真正面に立つと、ぴたりと動きを止めた。
 彼が(……誰?)と思っていると、父親と母親がむくっと上半身を起こした。
 両親もお婆さんに気がついたらしい。
 金村君も起き上がった。

 改めてよく見てみたが、普通のお婆さんにしか見えない。
 お婆さんは、直立不動でにこにこと笑っている。

 ふいにお婆さんが動き始めた。
 両手を頭上でふらふらさせたり、足をじたばたさせたりしている。
 何か踊っているように見えた。
 とはいえ盆踊りや普通のダンスと違う奇妙な踊りだ。
 ひとしきり踊り終え、お婆さんはまた直立不動になった。

 ぱちぱちぱちぱち。
 父親が手を叩き始めた。
 続いて母親も手を叩き始める。
 釣られて、金村君も手を叩いた。
 ぱちぱちぱちぱち。
 親子三人で拍手をした。

 お婆さんは頭を丁寧に下げると、消えてしまった。
 襖は開けられたままだった。

「次の日、なんで拍手したのさ? って聞いたら、父親曰く“拍手すれば満足して出て行くか消えるかするだろ、と思ったんだ”って」
 親子三人の思い出として未だに話が出るんだ、と金村君は微笑んだ。


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http://www.chokowa.com/cho-1/entry2/tb.cgi/67
「踊る」■ by 無菌室育ちZ at 2006年4月14日 12:46
[講評]踊る by 極私的【超−1】講評 at 2006年4月9日 16:16

LRg

柏木 麻宏 2006年6月3日 23:04

鏡は怖いですよね。怪異なのかどうかは置いといて。0

笹根 2006年6月3日 15:48

△右側の姿見(TB)
http://chokowa-party.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_c085.html

mariman 2006年6月2日 20:53

http://plaza.rakuten.co.jp/mariman1234567/3064

ponken 2006年5月31日 22:35

よく聞く話ですが、鏡にうつった自分の姿が微妙に違うのが面白いです。+−0で。

ぼっこし屋 2006年5月28日 22:28

ないはずの鏡に姿が映るという話は散々既出ですが、全く違う人物を見たというなら少し話が違ってきます。
夕闇の家の中、姿見に映る自分の姿かと思いきや、不意に怪異と遭遇していたという場面を頭の中で描いてみると、これはなかなか怖いのではないかと。
ただ、表現の弱さで他人に伝えるには少々足りない点が残念です。
±0

久遠平太郎 2006年5月28日 19:51

評価±0。
鏡にまつわる話ではスタンダードな展開ですね。
類話が多いためこれだけでは弱いかな。
日常感は良く出ていました。

藪蔵人 2006年5月27日 22:12

恐怖に対して感度が上がってると、こういうことは割りとよくある、と思う。
そういう意味での日常性はよく伝わってきました。作者のドキドキを含めて。
ネタは本当によくありがちなんだけれど、こういう怪談があってもいいとは思いました。
評点: 0

吉田 2006年5月27日 1:19

得点なし
読み物として、普通なら( )の注釈のようなものは邪魔に感じられるのですが、本作ではそれなりに効果的だったかな、と思います。作者自身の体験した、作者自身の心情のブレが大きいネタだったからでしょう。
最後、これはもういっちょ何か起きるな、と思っていたので、「え、これで終わり?」という印象でした。それならそれで、もう少しパキっとシャープにまとめるべきだったかな。

林不二男 2006年5月24日 0:20

ありきたりだなあ、とは思いましたが、体験者の反応がリアルで自然で興味深かったです。 +1

有澤 凪 2006年5月21日 22:32

小学生の頃の恐怖に対する感情を思い出しました。体験者のドキドキ感はしつこいほど伝わってきましたが、怖いとは感じませんでした。−1

てらまち 2006年5月20日 15:23

そこに姿見があることにまず気が付くでしょ、自分の家なら。きっと恐怖はこれから始まります。そのとき再度作品にしてください。−1。

ミミちゃん 2006年5月19日 11:09

tb
http://chabin.blogtribe.org/entry-8c5474c95838028fec06685f3cd34ed2.html

もり けんた 2006年5月18日 8:07

そこにないはずの鏡〜ある意味鈍感な方?これは考え方によっては多くの方が気のせいですませている現象かもしれませんね〜(--;)そういった場面を前面に出せばこのネタも充分生きますよ。
とりあえず♯3のものさしでは±0ですが、プチでも怪談って入口は広く、出口は狭くであっていーぢゃないですか(^^)v
文章もそんなに破綻してないですしね。作者の方は引き続き綴る機会を探してみて下さい。

sora 2006年5月15日 20:19

文章;■■□□□
怪異;■■□□□
恐怖;■□□□□
評価;■■□□□→±0
鏡に映る怪異というのはそれこそ枚挙に暇がない。
リアリティを感じさせる話の書き方で、その点においては非常に好感が持てるのだが、如何せん、全てが想定内で終わってしまっている。
冒頭で怪異の内容について触れるのであるならば、結末は読み手の期待を良い意味で裏切る作品にして欲しい。

TOMOKI 2006年5月15日 17:31

「鏡」に書いた内容と重なってしまうのですが、「ないはずの
鏡に姿が映った」という話には既出作が多く、後出しで勝負
するにはとても分の悪いネタの一つだと思います。確かに自ら
体験すると非常に不可思議で怖ろしい体験だとは思うのですが、
何か突出した目新しいお膳立てがあるか、これに付随する別の
怪異がない限り、既存の類似作品を読んだ事のある読者に
アピールするのは難しいのではないでしょうか。体験談としての
リアルさに好感を持ちましたので0

メイ 2006年5月13日 14:20

「夕方の薄暗い廊下」・・・怖いですよね。深夜の真っ暗よりもハザマ的な感じがします。
でもよく考えると「見た」のは自分の姿ではないのですし、鏡は関係ないのではとも思いました。
±0

ナルミ 2006年5月12日 1:37

「あるはずのない鏡に姿が映る」というのは、割とよく聞く話である。他ならぬ自分自身が体験したことだから誰かに話したい、という気持ちは理解できるが。
±0
(それと冒頭の段落と最後の段落が微妙にかみ合っていない。苦手なのは鏡なのか薄暗い廊下なのか)

ネジ 2006年5月11日 22:20

自分が実際遭うと、些細な怪異でもドキドキしちゃうよね!というのがよく表現されている話だと思います。
だけど、他人に読ませることを考えると、やはりちょっと弱いかな、と。±0

風来月人 2006年5月11日 18:53

これも、怪異なのか、気のせいなのか。
±0です。文章はもっと短くて良いですね。

金縛郎 2006年5月11日 17:47

行動や感情などの説明を省けば、もっと短く、かつ
放り出し系にまとめられたように思います。
怪異そのものも一度きりで、補強材料に欠けるのが弱い
かなと。
いちおう±0にしておきます。

くりちゃん 2006年5月11日 15:47

某歌手の類話を読んだことがあります。
それは深夜の出来事でしたが、まだ日が暮れない内にこの様な怪異に出会うとは不意打ちのようで怖いと思う。
ただ真ん中当たりがちょっともたついた感じがしました。

  2006年5月11日 11:39

怪異が始まっていない上に、ささやかな怪異の後の感想が多すぎ。凡作。
O
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