「私の田舎の実家にまつわる話なんですが…」
志穂さんの話。
彼女の実家は、九州・宮崎県の山あいに位置していた。
同じ県内でも山ひとつ越えると方言が違うような土地である。
彼女のおばあさんは、宮崎の市内から志穂さんの実家に嫁いで来たために、しばらくはその地区の風習に馴染めなかったという。
おじいさんは炭焼きを生業としていて、その焼き上げる炭はとても高品質、周辺では大層評判が良かったらしい。
だが現代とは違い、その頃の炭焼きは竈(かまど)の火加減が微妙だったらしく、一度木材を仕込むとなかなかそばを離れる事が出来ず、山にある炭焼き小屋に篭るようになる。そんなおじいさんに弁当を作って持っていくのがおばあさんの日課になっていた。
だが、月のものが来た時と、お産の手伝い、そして、葬式の手伝いがあった時は弁当はいらないと固く申し付けられていた。
「初めは、それがなぜだか判らなかったそうです…」
おじいさんの身体を気遣い、嘘をついて弁当を届けても必ずばれて、その都度激しく怒られる。町育ちで、しかも女学校を卒業していたおばあさんはなぜなのかまったく理解出来なかった。
あるとき親類の急な葬式で山小屋におじいさんを呼びに行くと、「誰か亡くなったのか」と尋ねられたので、なぜ分かったのかと問いただすと、「竈に火が入らんから」という。
「うちの竈には神さまが住んでいる。火の神さまは不浄を嫌うからのう」
そのとき、おばあさんは初めて赤不浄・黒不浄という言葉を教えてもらった。
血に触れることを赤不浄。
喪に携わることを黒不浄。
たとえば権現講などには、漁業・林業・鍛冶屋その他危険を伴う仕事をする人は、赤不浄として女人と竈の火を別にする習わしがあり、一緒の「火を食う」ことを強く警戒していた様子が伺える。
不浄を焼き尽くすといわれる火の神さまはとても気難しく、竈や台所に少しの穢れがあっても機嫌を損ねて激しく祟り、ひどいときにはその家が絶えてしまう事があるからだという。
「俺らは、そんな火の神さまの力で生計を立てているからな…」
だが、その炭焼き竈は、おじいさんが亡くなると、時代遅れだからという理由で志穂さんの父が勝手に壊してしまい、小屋のあった土地も売り払って家の増築に使ってしまった。
「…実家の血筋は、私の他に妹が二人いますが、誰一人子宝に恵まれません。いちばん下の妹が今年四十になります。もう、駄目なんでしょうね…」
LRg
sora 2006年6月3日 18:50
文章;■■□□□
怪異;■■□□□
恐怖;■□□□□
評価;■■□□□→±0
柏木 麻宏 2006年6月3日 16:22
+0
>Vサインをしてきやがった。
きやがっちゃったんですか。なかなか面白いと思いますが、怪談ではありませんよね。
久遠平太郎 2006年6月2日 22:55
評価+1。
予知の一種でしょうか。
超能力ネタとしては目新しかったので。
mariman 2006年6月2日 21:29
2006年6月1日 19:02
ちょっと変わり種ですね。
面白かったです。
+1
ミミちゃん 2006年6月1日 0:07
吉田 2006年5月29日 23:04
良い▲
変わった話。面白いなあ。
色々な現象が無理なく詰め込まれていますし、嫌味じゃない程に可愛い感じがするのも好印象です。
僕は「自称霊能者」に対しては、まあそんなにアレルギーは無い方です。しかし、この作品に関しては、冒頭の一文は工夫した方が「話として」面白かったんじゃないかな。霊能者であるって情報が、この後の現象のインパクトを半減させちゃってる気がしまして。
有澤 凪 2006年5月29日 2:17
水分を摂ると力を出しやすいという意味不明さは好きなんですが、夢で見た内容をこんなにも憶えている体験者の方が能力アリ?と思ってしまった。±0
藪蔵人 2006年5月28日 1:16
たまたま手をつけていないゲームがなかった場合、どんな超能力を見せてもらえたのでしょうね。
そこのとこ、非常に気になるなあ。
評点: 1
林不二男 2006年5月28日 0:07
わくわくして読んだのですが、どうも肩すかしをくったようで。 得点なし
ぼっこし屋 2006年5月27日 17:23
8リットルの水で度肝を抜かれた分、怪異(?)が可愛すぎてどうにも評価がしづらいです。
すごい能力であることは確かですが、やはり冒頭の「霊能&超能力者」が引っかかるのでしょうか。
±0としておきます。
もり けんた 2006年5月25日 21:59
こりゃあ、むずい(^^;)
お話が面白い。毛色も変わっていて〜。オイラは霊・祟り・怨念系が出てこないとそそられない傾向が強いのですが〜むー
超コワ的にアリではないのですが〜ムー
ムームームー大陸(--;)プラス1。
ペットの一気飲み、よいこの皆さんは真似しないでね。
brother 2006年5月25日 15:00
これはすごい。
煮え煮えなエントリ立て続けに読んだあとだから新鮮に感じます。
8リットル飲んで平気って、そっちもすごい怪異だと思いますけど、やったことのないゲームの内容が全部わかるってのもとんでもないことですよね。
ラストの
〜してきやがった。
は、語尾を変えたほうが良かったと思います。
楽しみにしていたゲームの中身がプレイ前に知れてしまったことに対しての恨みがあるのは痛いほどわかりますが。^^;
それ以外は(・∀・)なかなかです。
+1
ちなみにボクは3リットルが限界です。
TOMOKI 2006年5月23日 15:04
面白い能力ですね。普通の夢なら起きた途端に忘れてしまうか、
ディテールが思い出せなかったりすると思うのですが、そんな
細かいことまでしっかり覚えているのは不思議です。
水を8リットル飲むことで力を出しやすいというのも、初めて
聞く事で新鮮でした。それほどインパクトがないので迷ったの
ですが、少しおまけで+1
杜井 都衣 2006年5月23日 12:49
▼:うー。すいません、好みの問題だと思
うんですが、私的にはどうも。
田原 誠 2006年5月22日 15:24
興味深い話ではあるけれど、これは怪談ではない。さらに文章力でさらに印象が薄まってしまっている。 ▼
金縛郎 2006年5月21日 3:46
まあ面白いといえば面白いですが、インパクトは弱い
ように思えました。
±0。
ネジ 2006年5月21日 0:24
変わった超能力の発揮の仕方だなーと思いました。
「今度はあんたの人生の攻略法を全部教えてあげるから」って言われたら怖かったかもしれない。±0
ponken 2006年5月21日 0:15
なんて嫌な女でしょう。スプーン曲げでもしてればいいのに!!
面白いですけど、インパクトは弱いと思います。
+−0で。
ナルミ 2006年5月20日 21:24
怪異としては小粒。
確かに、これからやるゲームの攻略法をべらべら喋られたりしたら、すごく腹が立つと思う。
±0
てらまち 2006年5月20日 20:55
そんなに水分が取れるものなのか。だから怪異だと言われてしまえば、仕方がないが。怪談とは毛色が異なると思う。−1。
hydrogen 2006年5月20日 20:21
1
なるほど。東京伝説系という見方も出来ますね。
ヒントの出し方は少しストレート過ぎたかも知れませんが
能力自体はなかなか面白い気がしました。
くりちゃん 2006年5月20日 19:12
それほど取り立てて面白いと言うほどではありませんでした。ごめんなさい。
ハッシー 2006年5月20日 19:03
ふ〜ん
こういう落ちなのか…
風来月人 2006年5月20日 18:32
うーん、これは東京伝説系じゃないでしょうか?±0です。