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2006年4月21日(金)

握手

「お友達の握手しようか・・・。」
ニョキッと差し出された、ゴツゴツとした大きな手に、玉城くんは、度肝を抜かれていた。知らない男だった。エラの張った四角い赤ら顔の男は微笑んでいた。
(誰だろう・・・)人見知りの激しい玉城くんには、手を差し出す事ができなかった。
病院の待合室で雑誌を読んでいた玉城くんに、突然手を差し出してきたこの男が怖かった。隣に座る母親は週刊誌に夢中のあまり、その男に全く気付いていない。
マゴマゴと手を差し出しては、引っ込めている玉城くんの様子に、その男も諦めたのか、ニコニコしながら去っていった。
(誰だったんだろう・・・)玉城くんは、ヒョコヒョコと肩を浮かせる様に歩き去っていく男の後姿を見つめていた。
「玉城くーん!!」
診察室から呼ばれた玉城くんは、我に返ると診察室へ入った。

小学二年生の玉城くんは原因不明の発熱に苦しんでいた。
病気らしい病気をした事の無い、健康そのものだった玉城くんが、何故、突如として体に変調をきたしたのか、誰にも理解できなかった。
医者もこれといった原因が掴めず、対応に困っていた。
夜になると、決まって体中に浮き上がる赤い斑点から高熱が噴出し、苦しみもがく玉城くんをただ両親は見守るしかなかった。
「なんとか治る方法はないのでしょうか・・・?」
か細くそう言った母親の顔は疲れ果てていた。
「残念ですが・・・、これといった異常はないんですよ・・・、とりあえず解熱剤と消炎剤をだしておきますが・・・。」
たどたどしい口調で医者は続けた・・・。
「あの・・・、医者がこんな事を申し上げるのは可笑しな事でしょうけど、なにかしら医学でどうこうというものではないのでは・・・、まあ・・・、なんというか・・・、何かの祟りのような・・・。」
玉城くんも母親も、医者の突然の言葉に唖然としていた・・・。
「そんな・・・、バカな事・・・。」
母親の言葉もそれ以上続かなかった。
確かに以上ではあった・・・、風邪でもないのに、高熱が続き、何故か、夜中にだけ体中に真っ赤な斑点が浮き出て、湯気が出る程の発熱を繰り返していた・・・。
考えられない奇病だった。
しかし、玉城くんにも母親にも思い当たる物はなかった・・・。

診察室を出た玉城くんはソファーに腰掛けた時、ふと、時計が掛かっている奥の柱から視線を感じた。
さっきの男だった・・・。
酒でも呑んだように赤黒い顔の男が玉城くんをジッと舐めるような目つきで見つめていた・・・。舌なめずりをしながら玉城くんに歩み寄ってくるその男の目つきが薄気味悪かった・・・、獲物に狙うように、凝視した眼差しからは、感情の無い男の性格が滲んでいる様に思えた。
玉城くんは、恐怖のあまり逃げる事もできずに、ただ固まっていた・・・。
「・・・握手・・・、しようか・・・。」
うつむいて目を逸らしていた玉城くんの視界に、ゴツゴツとした腕がニョキッと割って入ってきた・・・。
体を硬直させたまま、玉城くんは手を差し出した。
「ありがとう・・・。」
赤黒い顔を歪ませ、微笑んだ男は玉城くんの手をギュッと握り締めた。
ヌルヌルとしめった男の手の平の感触に玉城くんは、顔をしかめた。
「フフフ・・・。」
男は低い声で笑うとヒョコヒョコと肩を浮かせ去っていった・・・。

その夜、いつもの様に玉城くんは高熱を出し、あまりの熱さにもがき苦しんでいた。
両親は歯を食いしばって見守るしかなかった。
「うう・・・うう・・・。」
呻き声を上げ、のた打ち回る玉城くんの手を見た両親は驚きの声を上げた。
「何だ!!これは!!」
玉城くんの手が真っ赤にはれ上がり、手の平から泥水の様に黒く淀んだ液体が湧き出していた・・・。
「フフフフフフ・・・」
突然、部屋中に低い笑い声が響き渡った・・・。
「ギギギッー・・・。」
何故か、ゆっくりと部屋の扉が開かれた。
扉の隙間から、波を描く様に細長く黒い物体が飛び込み、玉城くんのベッドの下に潜り込んだ。
そっと覗き込んだ両親は息を飲んだ・・・。
父親の可愛がっている、ペットのニシキヘビが、巨大な蛙を飲み込もうとしていた・・・。
顎を外した蛇の口の中に、蛙は見る見る飲み込まれていった・・・。
両親は、蛇に飲み込まれる寸前、ヒョコヒョコと身悶えながら、蛙の目玉がギラギラと光ったのを見逃さなかった。
「・・・くそ!・・・。」
呟く男の声が聞こえ、そして聞こえなくなった・・・。

玉城くんは何事も無かったかの様に、元気を取り戻し、休み続けていた学校にもめでたく復帰する事ができた。
久しぶりに席に着いた玉城くんが、引き出しを開けると、中には干からびた巨大な蛙の死骸が入っていた・・・。


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[講評]握手 by 極私的【超−1】講評 at 2006年4月22日 6:30

LRg

柏木 麻宏 2006年6月3日 19:48

頭の中で一つ一つを理解するまで時間が掛かってしまいました。怖いか怖くないかと言われれば「うーん」と言った感じですし…−1

mariman 2006年6月2日 21:18

http://plaza.rakuten.co.jp/mariman1234567/3137

sora 2006年6月2日 12:43

文章;■□□□□
怪異;■■■□□
恐怖;■□□□□
評価;■□□□□→±0
文章については他の作品で講評させて戴いたとおり。
『私は「読み辛い作品」は「聞き取りづらい語り怪談」と同じであると考えている。
超-1は共著者探索と選抜が主旨である。
句読点の打ち方等、基本的な文章が書けない(書かない)人物が書いた作品を対価を払って読みたいとは絶対に思わない。ついでにひとつの文にいくつも情報を詰め込みすぎである。』

水町 2006年6月2日 4:04

最初は「またかー」と思い、中盤で「おっ」と思い、ラストで「はぁー」でした。±0。

久遠平太郎 2006年6月1日 23:55

評価±0
「派遣先の某ビル」を書かれた方ですね。
「派遣先の〜」に比べると大分コンパクトになってきています。
ただ、妙な部分で文を止めるのは相変わらず気になります。
現象自体は目新しかったので。

2006年6月1日 9:20

書き方によっては面白くなりそうなのに。
文体は変えないですか?
超怖にこのまんまのが載ってたら、私はぶっ飛びます。
−1

てらまち 2006年5月30日 21:59

少し先の自分というネタは面白いと思う。
あとは文章です。±0。

ミミちゃん 2006年5月29日 1:17

tb
http://chabin.blogtribe.org/entry-d23cb628db9c87e1be052fa8f042b548.html

吉田 2006年5月29日 0:30

悪い▼
うん。現象はかなり面白いですね。
予知夢、デジャ・ビュ、ドッペルゲンガー、タイムスリップ……と、様々な怪異がそれほどの無理なく収まっています。
ただ、まだ文章は再考の余地アリ。作者の方の考えを納得させるためにも、読んでいて気持ちの良い文章を作ることを心掛けてみては。

ぼっこし屋 2006年5月28日 16:03

幽体離脱によるデジャヴという題材は良かったのですが、その分ドッペルゲンガーの部分が弱く感じました。
「それは、私でした」「私、でした」と二度繰り返して怪異の存在を強調しているように思えましたが、逆にくどく感じました。
ぶつ切り調の文体に多少いらついたのを抜きにして、±0

藪蔵人 2006年5月28日 0:31

これは、ショートだったらかなりインパクトのある怪談に仕上がったと思います。
評点: -1

有澤 凪 2006年5月27日 3:01

今までの作品でも気になっていたのですが、著者の方が起こった現象に対してやたらと断定的な解釈をしますよね。今回は特にそれが顕著に表れていたように思います。−1

林不二男 2006年5月26日 21:45

ネタは面白いと思いましたが、矢張りどうにも読みづらいので。 得点なし

brother 2006年5月24日 23:20

ん〜。

ん〜。

ん〜。

よくわからないです。><;
−1

もり けんた 2006年5月23日 20:51

胡喜媚さん再びと思われ。(‐ー;)
評価はノーカウント。(評価なしですが、自分の中では±0とは違う意味合いです。この方は共同著者になろうとか思って投稿したのではないと判断しまして)
それでも文章はボブ・マーリーがデスメタル歌いそうですから考えてねー(^^)
怪異は微妙なライン。でも書き方次第では光りそうです。オイラ詳しい話聞きたいじょー。チャリ押してたからサイバーダインではないのは確かだな。あれは走ったほうが速いと思われ(^о^)

田原 誠 2006年5月22日 11:07

 文章だけで▼。
 とにかく一度病院へ行くことをお勧めした。

ponken 2006年5月21日 21:29

確かにドッペルというより、未来視のお話ですかね。インパクトは弱いと思います。+−0で。

風来月人 2006年5月19日 20:38

長すぎ。内容に見合っていないです。-1です。

TOMOKI 2006年5月19日 15:16

これだけ筆者氏が「見える」方だという事を語る体験談が続くと、
「残業疲れが溜まっていて幻覚を見たのでは」等の無粋なコメントを
付ける事は憚られますねw
冒頭の幽体離脱に関する説明は不要だと思います。「後日たいがい本当の
出来事となって起こる」との事なので、その裏付けを含めて別作品に
仕上げるのが妥当かと。
この作品は「少し先の時間にいる自分」を見たという体験談なので、
このエピソードだけでコンパクトにまとめた方が体験がより際だったと
思います。怪異はとても興味深いのですが、これだけのボリュームを
費やして語る程のインパクトを感じられませんでした。一見短くとも、
それが内容に見合ったボリュームでない場合は冗長になってしまいます。
失礼ながら、文章は相変わらず拙いと思います。細かい点については
コメントを控えますが、それはこの作品で欠点が改善されているから
ではありません。−1

金縛郎 2006年5月19日 13:31

まず最初に、この場をお借りして運営の中の人(郵送原稿
の入力やOCRを担当された方)に、OCRの誤変換などと
あらぬ疑いをかけてしまって申し訳ありませんでした、
と一言謝らせていただきます。すいませんでした。

ドッペルゲンガーネタというのは、他者がそれを目撃
しているか、または(見たのは自分だけでも)非常に
異様な姿やタイミング、場所を伴っていれば怖がれる
のですが、いずれにも該当しませんね。

すいませんが×。

ネジ 2006年5月19日 13:17

この独特の文章をはねのけるだけのネタではなかったように思いましたが、今までのより少しは良いかと(あんまり長くないのも含めて)。±0

くりちゃん 2006年5月19日 13:07

↓でもドッペルゲンガー+既視感は目新しかったかもと思う。

くりちゃん 2006年5月19日 12:30

よくあるお話でした。
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