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2006年4月20日(木)

漁られる

「あっ、そういえば」
「そういえば?」
「この前こんなことがあったよ」
「ほうほう。どんな?」
「俺、部屋で寝てたんだけどさ」
「片付けた? あの部屋けっこう散らかっているじゃん」
「寝るだけだからいいんだよ! でさ、何故か夜中に目が覚めたわけ」
「え? いつも寝ると絶対に起きないのに」
「だからおかしいんじゃん。全く眠気がない感じでさ。ぼんやり天井を見てたんだ」
「また寝ればいいのに」
「寝れなかったの! そしたらさ。机の方から、がさごそなんか音が聞こえてくるわけ」
「机って、あの机? 何でもかんでも突っ込んでいるから凄く汚い」
「それはどうでもいい。その机の方から音がするんだよ。だからそっちを見た」
「見た」
「うん。そしたらすんごいガタイのいいおっさんが俺の机を漁っているんだよ」
「おっさん?」
「そう、おっさん。外人に見えたな。そいつが俺の机の引き出しを開けてがさごそと」
「まさか泥棒?」
「俺も最初はそう思った。でも違うんだな」
「なんで?」
「俺、その時は眼鏡かけてないんだよ。寝てたから。それに部屋は真っ暗だったんだ」
「ということは」
「おっさんがはっきり見えるのがおかしい、ということだな」
「ははぁ」
「細かいところまで見えるんだ。ジーンズを穿いたおっさんが机を」
「がさごそ」
「そうそう。いつまでも探しているんだ。何を探しているかは判らないけど」
「それをいつまでも見ていた?」
「まあね。けど、いつまでも見ているのもねぇ」
「ねぇ」
「そこで思ったんだ。見えるわけないのに見えているってことは夢だ、と思ってな」
「思わないって」
「思うんだって。仕方ないから、寝た」
「寝れた?」
「うん。ちょっと苦労したけどね。音ががさごそ煩いし。けど、気がついたら朝だった」
「結局、夢?」
「……いや。起きて机を見たら、引き出しが全部全開になってた」
「夢じゃないじゃん」
「そうなるね」
「それからなんかあった?」
「今のところない。……って、こんな話でいいのかね?」


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http://www.chokowa.com/cho-1/entry2/tb.cgi/129

LRg

柏木 麻宏 2006年6月3日 22:59

面白いですが少し長いかなァと思います。0

mariman 2006年6月2日 21:15

http://plaza.rakuten.co.jp/mariman1234567/3125

久遠平太郎 2006年6月1日 21:43

評価+1。
話の内容も面白かったし、狐狸に化かされた事を匂わす程度にしている演出も心憎い。
文章もかなりのレベルですね。
良いです。

てらまち 2006年6月1日 14:32

面白い話でした。栃木まで行ってくれと言った娘と伊藤博文を出した女性はきっと違う人ですよね。でもこの運転手さんはジャンキーだ。+1。

2006年5月31日 10:29

イイ。よくぞタクシー会社に問い合わせました。
+1

ponken 2006年5月31日 1:56

女の存在がとても不気味です。でも、それを知っていてお客を拾うタクシー運転手がなんとなく可笑しいですね。
+1で。

ぼっこし屋 2006年5月28日 21:41

怪異自体は面白いのですが、電話越しのタクシーの運転手にしゃべらせすぎかな、と思いました。
読み物としては面白いです。少々長すぎる気がしますが。
日常のすぐ裏側にひそむ非日常に「遭難する」という話は、舞台が身近な分余計リアルに怪異の恐怖を感じるように思います。個人的にはこういうシチュエーションは好きです。
±0

吉田 2006年5月28日 21:39

良い▲
ほおお〜色々とあるもんですねえ、世の中。
非常に面白い話でした。今度行ってみようかなあ、という気にさせられましたよ。
「伊藤博文の旧札」ってのは、ちょっと笑っちゃいました。リサーチが足りないんだ。色んな意味で、変な幽霊ですねえ。

こころママ 2006年5月28日 13:11

 海千山千なタクシーおじさんですね。相当肝が座ってます。
 とにかく、タクシーと赤いコートの女性の絡め方が絶妙で、筆者の思惑通りに踊らされ、最後の種あかしには思い切りやられました。
 正直いうと、タクシーのおじさんのやってることって金銭面では効率悪そう。ほんと好きでやってますね。駅前で着け待ちするくらいだったら、ちょっとあそこに行って遊んでくるかってなところでしょうか。まさしく『上には上の好事家』です。見事な構成に、プラス1点。

藪蔵人 2006年5月28日 0:15

面白かった。
特にタクシー運転手の使い方というか。
彼も遭難者であるところとか。
タイトルも好印象。
評点: 1

sora 2006年5月27日 15:45

文章;■■■■□
怪異;■■■■□
恐怖;■■■□□
評価;■■■■□→+1
この作品の全ては作者の方の筆力に基づくものであると考える。
おそらくこれだけのスキルを持ち得ないとこの怪異は書き上げられない。
講評とは関係ないが私の地元は田舎なのでタクシーはほぼ黒塗である。

ミミちゃん 2006年5月26日 17:56

tb
http://chabin.blogtribe.org/entry-31dacac615dbd839941be963b5316d27.html

有澤 凪 2006年5月25日 22:45

赤いコートの女に関するいくつかの怪異が、すべて気持ちよく作品の中に収まっていてとても面白かったです。女を含むみんなが遭難者という辺りが更に心憎い。+1

林不二男 2006年5月25日 21:26

幽霊譚としても、都会の街を舞台に狐や狸に化かされる話としても、どちらも楽しめました。 +1

メイ 2006年5月24日 21:24

とってもとっても面白いし、興味深い話です。
なんだか江戸時代(という背景の話)ぽいですね。
幽霊というよりは狐狸妖怪の類な感じ。
住んでいる場所が近いので余計にドキドキしましたw
句点がない部分があるのは非常に気に障りましたが、文句なく

brother 2006年5月21日 23:15

実はどっちも遭難者だったというオチ。
(・∀・)
+1

もり けんた 2006年5月21日 3:49

文体と臨場感にプラス1(^^)v
ただ、これと真逆の話は実話怪談系で見たような記憶が〜。場所は塩山で、タクシーのほうが幽霊なんですけど。
いま、初乗りはおいくらなんだろー?

ナルミ 2006年5月19日 23:42

怪異が起きた場所も詳細に書かれており、臨場感があってよかった。
+1
(文章はもう少し推敲の余地ありと思うが)

TOMOKI 2006年5月19日 15:10

不可解で不気味な怪奇譚で興味深く読めました。OL嬢が見てしまった
かも知れない赤いコートの女の顔…通常は後姿しか見えないようですが、
いきなり振り向いたりとかされたんですかね。考えると怖いです。
また、自らも怪異のど真ん中にいながらにして、ニヤニヤ笑う余裕のある
運転手さんが凄い。その女がまた乗り込んでくる可能性もあると思うの
ですが…。
最後になるまで、運転手さん自身も遭難者なのか否かが少し判り辛かった
です。また老婆心ながら、かなりロケーション情報等が詳細なのですが、
大丈夫なのでしょうか?+1

ネジ 2006年5月18日 22:57

ちょっとダラダラと長い感じはしましたが、最後の運転手さんの話は面白かったです。
しかし物好きですよね、運転手さん。自分も迷うの分かってて来るんでしょ?いやはや。+1

風来月人 2006年5月18日 19:41

個人的には長すぎです。でもおもしろいので○にしておきます。

金縛郎 2006年5月18日 15:23

不可思議な話ですね。タクシーの運転手が狂言回し役になっていているあたり、いいと思います。

以下ランダムに気になったところを;
- 句点があったりなかったりするのは意図的なものでしょうか?
- 黒塗りのタクシー(ハイヤー?)って珍しいですかね?
- 老婆心ながら、場所が特定できそうな情報(具体的な地名など)は避けた方が無難では?

評価は○。

くりちゃん 2006年5月18日 13:14

不思議な話で、運転手さんがちゃっかり「遭難者」をのせていくところが面白かったです。○
O
e