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留美さんはおばさんの事が大好きだったと言う。 留美さんの母親の姉であるその人も、瑠璃さんの事を大変可愛がった。
留美さんが2歳の時、母親が次の子を身篭り、留美さんはおばさんの家に預けられた。 「その時私、おばさんの事を『ママ』って呼んでいたんだって。」 無事に元気な男の子が産まれ、留美さんは母親の元へ帰る事になった。 留美さんはその時に大泣きした。 『ママ』と呼んでいるおばさんから離れなかったらしい。 「うちのお母さん、ヤキモチしたみたい。おばさんに甘やかされてまるまる太って、しかも『ママ』って呼んで離れないから。お母さん、もう私の事は何処にも預けないって笑って言ってたんだって。」 それからもずっと、留美さんはおばさんの事が大好きだった。
月日が流れ、留美さんは大人になった。 結婚もして幸せな生活を送っている時、おばさんは癌になってしまった。 容態は悪く、留美さんは見舞いに行く度にやつれていくおばさんを見るのが辛く悲しかった。 やがて明日をも知れぬ命となり、留美さんも気が気でない日々を過ごしていた。
そんなある日、留美さんは夢を見た。 夢の中で、赤ちゃんの留美さんは泣いていた。 それをおばさんが抱いてくれている。 「夢だけどね。とにかく心地良かったの。ふわぁぁって。言葉では言い表せないくらい。」 温かく、優しく、おばさんは泣いている留美さんを抱いてくれていた。 しかし留美さんは解っていた。おばさんが最後の挨拶に来てくれている事を。 だから泣いていた。 心地良かったが、涙だけは止まらなかった。
朝起きて夢の事を思い出し、切ない気分でいる留美さんの元に、おばさんが昨夜亡くなった事が電話で告げられた。 それを受けて、夢の事を旦那の聖史さんに話そうかと思っている矢先、聖史さんが言った。 「昨夜・・・おばさんが来た。」
聖史さんは夜中にふと目が覚めたと言う。 隣で寝ている留美さんの顔を見ると、寝ながら涙を流していた。 どうしたのだろうと思った時、聖史さんは留美さんの枕元に座るおばさんに気付いた。 おばさんは聖史さんに白いハンカチを差し出した。 しかし聖史さんはそのハンカチを受け取れなかった。 何故だかは解らないが、受け取ってはいけないものだと思ってしまったらしい。 「留美をこれからもよろしくお願いします。」 囁く様な声でそう言うと、おばさんは微かな笑みを残しながら消えていった。
「私もハンカチの意味は解らないけれど、もしかしたら泣いている私の涙を拭いて欲しかったんじゃないかな。優しいおばさんだったし。」 最後まで「本当に大好きだった。」と連呼する留美さんの表情も、優しさに満ちていた。
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■講評
文:+2 怖:+2
ええと、怖いんですけど。 白いハンカチ、もし受け取ってたら連れていかれていたのでは。 良い話だな、とじんわりするよりも読み終わったあとに 鳥肌たつほどの恐怖を感じてしまいました。 |
名前: 晴 ¦ 16:27, Monday, Mar 31, 2008 ×
悲しくも良い話ですね。 ただ・・・この話は筆力によって支えられている印象があり、作品自体はとてもいい話ではあるのですが、肝心の怪異が作風によってドラマのようにできすぎた感じに見えてしまい、結果、どれも絵にかいたような人物として書かれているのが少し気になりました。
文章1:希少度1 |
名前: chidori ¦ 21:31, Monday, Mar 31, 2008 ×
文章 1 読みやすい。 稀少度 1 お別れ譚はよく聞きます。
「留美」さんが夢を見ていたときに、隣でご主人もまた怪異に出会っていたというのは不思議ながら、おばさんが「留美」さんの事を託せる人としてはご主人しかいないのでそういうことだろうと思った。 ただハンカチについてはそんなに悪意を持って考えなくてもいいのではないかと思った。
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名前: くりちゃん ¦ 21:39, Monday, Mar 31, 2008 ×
単なる夢オチかと思いきや。 怪異が二段構えになっているのが良い。
希少性(1) 文章(0) |
名前: ねこや堂 ¦ 22:53, Monday, Mar 31, 2008 ×
いい話で、しかも怖い。 白いハンカチも、意味をいろいろと想像させるところが面白かった。 |
名前: ナルミ ¦ 01:30, Wednesday, Apr 02, 2008 ×
ネタ+3 文章+1 こういう話にめっぽう弱いです。 留美さんだけではなく、旦那の方にも現れ、あとをお願いするなんて、本当にいいおばさまだったんだなあ、と、すごく伝わってきました。 ハンカチ、受け取ってあげて欲しかったな。 |
名前: ねこ ¦ 21:11, Wednesday, Apr 02, 2008 ×
いい話だし、好きなんですが、やはりハンカチは受け取らなくて正解かと。 死者と交わってはいけませんよ。 約束や、それを連想、象徴する様な事も。 その点だけを除けば文章とお話両方が 相まってとてもイイお話です。 |
名前: ちゅん ¦ 20:24, Thursday, Apr 03, 2008 ×
| ただの夢オチで終わると思っていたら、ご主人もしっかりと怪異に遭遇していた点が意表をつかれた。 ハンカチは私も少し怖さを感じますね。 |
名前: 茶毛 ¦ 22:46, Sunday, Apr 06, 2008 ×
いい話なのですが、「お母さん、ヤキモチしたみたい・・・。」 など奇妙な言い回しがあります。 投稿前に、ちゃんと読み直しをしてください。 やたらと000た。で文が終わって、単調な印象を持ちました。 各1点づつ減点します。 |
名前: くすだまん ¦ 18:32, Wednesday, Apr 09, 2008 ×
涙を拭いてほしかったんだろうという留美さんの解釈より、受け取ってはいけないと感じた聖史さんの方が正解に思えるのはなぜだろう…。直接拭いてあげればいいのに、聖史さんに差し出すのが意味ありげで引っかかります。 +1
出だしから「ああ、おばさん病気で亡くなるのかな」「お別れの挨拶に来るのかな」と思っていたらその通りだったのでなんとも…。抑えめの文章から気持ちが伝わってくるような「いいお話」は好きなのですが、感情たっぷりで書かれていると温度差を感じて逆に冷めます。 なので低めの点数ですが、好みも人それぞれということでご勘弁を; |
名前: 眠 ¦ 22:55, Wednesday, Apr 09, 2008 ×
ハンカチに関してはいろいろだと思うが、個人的には「これで拭いてあげて」というおばさんのやさしさな気もした。自分のせいで泣いているわけですし。 ただちょっと温度差があるのか思ったよりは怖くなかった。
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名前: 黒ムク ¦ 21:05, Thursday, Apr 10, 2008 ×
"瑠璃"さんになっている箇所があり、誰の事なのか一瞬わからなくなった。
予知夢をみた人の枕元に何者かがいた、という話は時々聞くが、珍しいとは思う。
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名前: MM88 ¦ 19:08, Saturday, Apr 12, 2008 ×
この作品は大好きです。 切ないだけではなく、話の展開もあり良かったと思います。 おばさんはきっと、留美さんの事が可愛くて仕方なかったんでしょうね。 留美さんのおばさんへの愛情もとても良く伝わってきました。 ハンカチを受け取っていたら、どうなっていたのでしょう。 |
名前: へみ ¦ 20:29, Sunday, Apr 13, 2008 ×
| ハンカチの部分が奇妙に怖いですね。どうして旦那さまの所に行ったのでしょうか。夢の中でしか怪異は起こっていないのですが、不思議なお話だと思いました。 |
名前: じゅりんだ ¦ 00:27, Wednesday, Apr 16, 2008 ×
ハンカチを差し出すというのは怖いものがありますね。 やっぱり受け取ってはいけない物なのでしょうな。 |
名前: SPダイスケ ¦ 22:41, Friday, Apr 18, 2008 ×
“瑠璃さん”が出てきて混乱したまま読み終えてしまいました。 頭の中で登場人物が増えてしまうので、名前だけは間違わないで欲しいところです。 話としてはなんだか切ない、良い話だったと思います。
文章:0 内容:2
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名前: PM ¦ 19:24, Sunday, Apr 20, 2008 ×
やはり知っている人からでも、何かを受け取ってはいけないという霊との溝の部分がツボですね。 一見いい話でありながら、怖いものが潜んでいると思います。
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名前: じぇいむ ¦ 15:49, Wednesday, Apr 23, 2008 ×
文章・・・2 希少度・・・0
惜しい!ハンカチ受け取れよ! と思ってしまいますね、怪異好きとしては。
良くある話ですが、細かい部分までとても丁寧に書かれており、短いながらも充分感情移入出来ました。 また、唐突に出てくる台詞「昨夜・・・おばさんが来た。」もとても効果的であり、彼がハンカチを受け取ってはいけないように感じたことに対しても深読みできます。 いろんな意味で魅力的な作品ですので、上記の点にもう一点加算します。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 00:50, Sunday, Apr 27, 2008 ×
| その白いハンカチは受け取らないでよかったのかもしれませんよ。 |
名前: ひ ¦ 16:22, Monday, Apr 28, 2008 ×
文章は細かく書かれており、読みやすかったです。 最後は考えさせられますね。 受け取ってあげた方がいいような、悪いような……でも、この場合は大丈夫だったんじゃないかとは思いますが。 |
名前: こうたろう ¦ 22:34, Monday, Apr 28, 2008 ×
| 夢判断などの本によると、白は死を象徴し、故人から物を貰うことは凶兆として戒められていることが多いみたいですね。聖史さんの夢でのおばさんの行動が何を意味するのか、考えると少し怖いような気もしますが、ここはやはり「涙を拭いて欲しかったんじゃないかな」という留美さんの言葉を支持したい気持ちですね。 |
名前: 久遠 平太郎 ¦ 20:51, Tuesday, Apr 29, 2008 ×
良い話ですね。 王道的な話ながら、巧みな文章で味が出ていますね。 ハンカチは、案外素直に受け取って良かったのかも。 おばさんの人柄を考えると、そう思えます。 |
名前: 昼間寝子 ¦ 16:36, Wednesday, Apr 30, 2008 ×
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