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川西には行きたくない、と広瀬君は言う。 広瀬君の勤める引越社から川西方面へ向かう山道には、街灯も無く、夜になれば真っ暗になってしまう場所がある。 そこを通れば、林の中から大勢の話す様な声や、呻き声が聞こえて来るのだという。 仕事上よく使うルートである為通らない訳にも行かず、そのうえ川西に行くと必ずと言って良い程、「見てしまう」 のである。 霊感の強い広瀬君は、霊、或いはそういった場所に近づくなどした場合、頭痛、胸の痛み、気分の悪さ、といった苦痛に襲われる。 それは、霊の強さに比例してその度合いを増すのだそうである。 その為、霊がいると分かっている場所には近付きたくないのだが、仕事なので仕方が無い。 その日も同僚と共に別の現場をこなした後、川西の客の元へ向かう頃にはもうとっぷり日が暮れてしまっていた。 小雨の降りしきる中、件の場所にさしかかると、当然の様に嫌な呻き声が聞こえて来る。 頭痛と共に襲い来る恐怖。 (・・・ああ、もう。疲れてんのに。) 毎度の事ながら、こればかりは慣れるという事が無い。 半ばうんざりしながらも逃げる様に現場へと急ぎ、到着する頃にはもうへとへとになってしまっていた。 その家は、閑静な住宅街のはずれにあった。 家の正面、道路を挟んだ向こう側は公園になっており、その奥は小さな林になっている。 住宅街の中にあって、その一角だけ異様に闇が深い。 静かな雨音と街灯だけが、辺りを不気味に浮かび上がらせている。 トラックを止める。 既に広瀬君達とは別のチームが先に到着しており、作業が始まっている。 家の中からは話し声や足音などが聞こえ、忙しい様子が窺えたが、いつもの現場と違い、何やら緊迫した雰囲気である。 大破したエアコンが、玄関先に転がっているのが見えた。 「何かあったんですか?」 「おお、広瀬か。なんや業者が足滑らして、エアコンごと階段から落ちてしもたんや。まあとりあえず怪我の方は大した事無いみたいやねんけど。」 その時、広瀬君は背中に何人もの禍々しい視線を感じていた。 ここへ来た時から、何かがいるであろう事は分かっていた。 嫌な気配。 おそるおそる視線のする方へと振り返る。 道路を隔てた公園のその奥、小さな林の中にざっと数十人程であろうか。 時代劇などで見る様な、村人風の格好をしている。 男、若い女、老人や子供の姿も見受けられた。 その殆どの者は上半身のみの姿であり、腰から下は木々の間の闇に溶け込んでいた。 表情は無く、虚ろな目でこちらをじっと見つめている。 (これはよくない・・・) 明らかな悪意を感じ取った広瀬君は、皆に事情を説明し、注意するよう促した。 「ウェー、まじで!? ドライバーも足挫いたし、他にも何人か怪我してんねやんか。へぇー。うわ、鳥肌立ってきたわ。ちゅーかお前、言うの遅いねん。」 広瀬君の霊感は仲間内では有名であり、皆快く聞き入れてくれた。 村人達は相変わらずこちらを見つめている。 だが心配した客の勧めもあったので、その後は慎重に作業を進め、何とか無事に仕事を終える事が出来た。
唯ひとり広瀬君だけは、激しい頭痛と気分の悪さに殆ど動けず、全く仕事にならなかったのだという。
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» 【+5】川西 [I'd like to tell you something about ...から] × 広瀬君、大被害の巻きですね。 川西がどんな町なのか分からないのですが、歴史のある古い町なんでしょうね。それか公園を挟んで村境があ... ... 続きを読む
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■講評
文章 1 読みやすい。 稀少度 1 方言からすると北摂の川西かな?
すんなりと「広瀬」君の発言の通るところが凄い。同僚に信頼されているんですね。 でも作品としては山場がなくて、夜半、小雨、呻き声、林、怪しいモノたち、とお膳立てが整っているのに平板に終わってしまった。 ホントにそれだけだったんだもん、といわれたら実話だから仕方がないですけど、勿体なく感じました。 |
名前: くりちゃん ¦ 15:30, Wednesday, Mar 26, 2008 ×
「業者が足滑らして、エアコンごと階段から落ちてしもたんや」と言われても、現場では雨が降っているので、これは悪意のせいかどうかな・・・と思います。
この話は「時代劇などで見る様な、村人風の格好をしている」ものたちに対して「明らかな悪意を感じ取った広瀬君」によって作品が構成され、悪意の感じ方によってそれぞれに出る影響の違いをあらわそうとしたように見受けられるのですが、そうするのであれば現場に着くまでの前半部分の長い説明をもう少し簡略化して、「ドライバーも足挫いたし、他にも何人か怪我」の部分をもっと説明した方が良かったのではないかと思いました。
文章0:希少度0
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名前: chidori ¦ 15:34, Wednesday, Mar 26, 2008 ×
文:0 怖:+1
事が起こっていて、大勢の悪意ある視線に姿に。 怖いはずなのに何故か怖くない。 文章が整いすぎてるのかな。 何でしょう。何か怖くないんですよね。 |
名前: 晴 ¦ 15:56, Wednesday, Mar 26, 2008 ×
川西というのは地名でしょうか。 山道でのことと、客のところとが川西なのはわかるのですが、それぞれ怪異に共通点はないような気がします。 川西という場所が嫌なところだというのを強調しているための文章だとは思うのですが、怪異が広く浅くなってしまったような印象を受けます。 客のところで起こった怪異は強烈なものがあったので、的を絞ってしまってもよかったような気がします。 聞いた話を素直に書いた文章だとは思うのですが・・・
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名前: 黒ムク ¦ 16:39, Wednesday, Mar 26, 2008 ×
う〜む。 引越し屋広瀬さんの体験談は面白い話もあるのですが、 この話は怪我が続いたことが「偶然」で解釈できることなので怖くない。 怪我が続いたことが「偶然」で片付けられることではないことが 書かれていれば印象も変わったのですが。 取材不足ですね。 |
名前: 撃墜王の孤独 ¦ 17:55, Wednesday, Mar 26, 2008 ×
地名や広瀬さんの体質の説明に字数を使い過ぎたのか、全体的に散漫になってしまい、怪異の印象が薄くなってしまった。 引っ越し現場のみに絞って書いた方が良かったように思う。
希少性(0) 文章(0) |
名前: ねこや堂 ¦ 20:12, Wednesday, Mar 26, 2008 ×
ネタ+2 その場所が彼らにとっては神地のようなものだったのでしょうか。それとも、安らぎを妨げるものに対する怒りだったのでしょうか。 広瀬さんシリーズはどれも面白く読ませていただいていますが、今回は霊たちの描写が若干薄いと思います。 そこをじっくり書き込むことで、広瀬さんの味わった恐怖が読者にもより克明に伝わるかと思います。 |
名前: ねこ ¦ 22:16, Wednesday, Mar 26, 2008 ×
前半の「川西へ向かう道」の話は、後半の怪異とは直接関係はないので、省略した方がよかった。 後半の怪異も、いまひとつ物足りない。業者が足を滑らせたのは(雨も降っていたし)単なる事故とも解釈できるし、目撃したがその後は注意したので何事もなかった、では盛り上がりに欠ける。 |
名前: ナルミ ¦ 01:33, Thursday, Mar 27, 2008 ×
| これは貴重な証言だ!1点減点したのは、その場所の調査もして欲しかった。きっと何かの謂れがある場所に違いない。実は怪談は現場が命だ! |
名前: くすだまん ¦ 19:14, Tuesday, Apr 01, 2008 ×
川西って、ドコ? 前半そればかり考えちゃいました。 どっかで説明出てくるのかと期待して。 関西方面ですか?前作関ヶ原でしたよね? だから、勝手に関東圏の方かと思って…。 あ、でも和歌山っても言ってたっけ…。引っ越し屋さんって大変だぁ。
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名前: ちゅん ¦ 21:48, Wednesday, Apr 02, 2008 ×
文章・・・0 希少度・・・0
なんだか一本調子で起伏がなく、面白みが感じられませんでした。 元々そういう話なので仕方がない部分もあるでしょうが、そう感じたのは話がネタのわりに長いからかもしれません。 いっそのこと村人風の格好をした人たちが見えたところだけを切り取って書けばもっと違った印象を与えられたんではないでしょうか。
川西って多分あの川西のことなんでしょうけど、全国的に有名な地名なんでしょうか? 私の知人が住んでます。 あの辺はあれだからってこともあるのかもしれませんね。ここでは書けませんが。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 02:48, Friday, Apr 04, 2008 ×
ここんとこ、毎日広瀬君に会っていますw 連作として捉えてはいけないとわかっていても、どうしても比較する形になってしまいます。 今回はどうも盛り上がりに欠ける。かといってじわじわくる怖さがあるでもなく…。 広瀬君が村人らしき集団から感じ取った「悪意」が伝わってきませんでした。 唯一「見える人」である広瀬君がやきもきしているだけで終わってしまったような。 |
名前: 眠 ¦ 21:17, Friday, Apr 04, 2008 ×
| 広瀬君シリーズですね。単作として読むようにしていますが、どうしてもどこかで前作が頭をよぎります。今回の話だと広瀬君一人が見える、具合も悪いの独りよがりの話にしか思えません。よってこの点数で。 |
名前: 茶毛 ¦ 23:24, Saturday, Apr 05, 2008 ×
広瀬君シリーズ凄い勢いですね。 でもこの話はイマイチ盛り上がりに欠けたかな。 しかし個人的には、序盤の広瀬君への霊障のくだりでの、霊の強さに比例して度合いを増すという一文には非常に興味を持ちました。 霊感のない私達には分かりにくい事ですもんね。 霊の強さよか、霊の悪さとかに影響を受けそうなものだと勝手に思っていました。 個人的な差もあるのでしょうが、その辺を広瀬君に詳しく聞きたくなりました。
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名前: へみ ¦ 09:24, Monday, Apr 07, 2008 ×
数十人の年齢マチマチの集団霊だと、大量殺戮でもあったんですかね。 そりゃいいもんじゃないですね。 希少度1 文章 0
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名前: じぇいむ ¦ 21:09, Tuesday, Apr 08, 2008 ×
広瀬君シリーズですね。 不気味な村人達が出てきたところまでは良かったのですが、後は広瀬君の霊感を感心するお話でおわっちゃったかなと。書き様によってはもっと大ネタになったと思うので、何だかもったいない気がしました。 ともかく広瀬君がいればネタには困らないでしょうから、がっちり掴んで大事にされてください。 引き続きの取材結果を楽しみにしております。 |
名前: じゅりんだ ¦ 22:38, Thursday, Apr 10, 2008 ×
なかなかに気味の悪い話ですね。 にしても広瀬さんは何か特別手当でももらえると良いのですが。 お気の毒です。
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名前: MM88 ¦ 12:09, Friday, Apr 11, 2008 ×
集団の霊とかは不気味で怖いですね。 ただ、慎重にしたら無事に終わったって辺りが、ちょっと偶然だったんじゃないかなぁという気もします。
文章:1 内容:0
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名前: PM ¦ 22:32, Thursday, Apr 17, 2008 ×
シリーズとして読んでいくと 今回の作品は少し弱い気がします。 単体で見るとそうでもないかもしれませんが・・・ シリーズ化されると どうしても前作と比べて見てしまいますね・ |
名前: SPダイスケ ¦ 13:24, Friday, Apr 18, 2008 ×
| おなじみの広瀬さんですが、職場の皆さんに普通に理解されているんですね。社屋が霊的にまずいところに建っていても、今回のようなことがあっても辞められませんよね。霊センサーとしてちゃんと職場で機能している例を今まで見たことがなかったので、人ごとながらほっとしました。 |
名前: ひ ¦ 10:19, Tuesday, Apr 22, 2008 ×
この土地に何かあったんでしょうかね。もう少し情報があってもよかったかな、と。 引っ越し業者の方はいいとしても、この辺りに住んでいる方は大丈夫なのでしょうか。 |
名前: こうたろう ¦ 13:44, Sunday, Apr 27, 2008 ×
| その土地に何か謂れがあるのかな。昔、疫病が流行ったとか。それにしても広瀬君はいつも大変ですね。 |
名前: 久遠 平太郎 ¦ 19:58, Monday, Apr 28, 2008 ×
昔なんかあったところなんでしょうかね。 村人風の人々はぞっとしました。 その割に怪異自体は弱かったですが。 動けなくなるほど霊障を受けてしまう、そんなんばっかりで辛いでしょうね広瀬君。 最初のうめき声のする通りは要る様な要らない様な・・・。 |
名前: 昼間寝子 ¦ 06:38, Wednesday, Apr 30, 2008 ×
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