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香椎さんには彼氏に対して、気になることがあった。 彼氏の部屋に泊まりに行くと夜中に小さな悲鳴に似た声を出し、起きたか思うと、慌てた様子で部屋を出て行くことがあるという。 香椎さんはトイレかと思い、最初は気にも留めなかった。 しかし、次第に毎回起き出すようになり、一晩での回数も徐々に増えていったという。 「どっか悪いのかも」 そう思った香椎さんは起きて部屋を出る彼氏の姿を扉の影からそっと覗いてみた。 キッチンの方からなにかをいじる様な音と、何かにしきりに言い訳するような彼氏の声がした。 一心不乱に何かを舐めているようだった。 暗闇の中、目を凝らし、よく見ると塩を指でつまみ、一心不乱に口元に運んでいた。 舐めようとする度に、舌を伸ばす。
「・・・・俺は殺してない」
彼氏の口から思わぬ言葉がこぼれた。 止めに入ろうとしていた香椎さんの足は止まった。 そこから先は自分がどうしたか、よく憶えていないという。 同じようなことが泊まりに行く度に続いた。
香椎さんは自分の気持ちが落ち着くのを待ち、日曜日に覚悟を決め話を切り出した 彼氏は 「トイレに起きているだけで、そんなことはしていない」 とごまかすように答えた。 それを聞いた香椎さんは 「じゃあ、殺したってなによ?」 と彼氏に問いかけた。 「だから知らないって」 と少し怒りながら答えが帰ってきた。 それを聞いた香椎さんは『じゃあ別れる』と脅しをかけてみたという。 すると彼氏は頭を掻きながらうつむき、小さな声でそっと言った。 「前の彼女に出来た子供、・・・堕ろした事がある」 啓子さんはそういうことかと納得した。 彼氏の方はそこまで言ってから、少し考えているような様子があった。 そして、 「ねぇ、あのさぁ・・・どう思う?」 一呼吸おいてから、情けない声を出した。 香椎さんがとりあえずうなずくと彼氏は言葉を続けた。 「気のせいかもしれないけど・・・・夜寝ているとよくわからない小さな肉の塊みたいなものが、べったりと纏わり付く感じがする。それで急に呼吸が苦しくなる。そんな俺にはお構いなしで、それは口もとを動き回る・・・口を入ったり、出たりの繰り返し。夢かと思ったけど、その後、口の中になんともいえない違和感が残る。俺がおかしいのか、それとも本当に気のせいか、だんだんわからなくなってきた。お前、寝てる俺を見て、何か気付かなかったか?」 香椎さんは首をかしげた。
最初は寝ている時だけだった口の中の違和感も、だんだん昼間もする気がしてきた。 物を食べると、その違和感はより増すのだという。 たとえるなら、口の中で物が徐々に腐敗していく、そんな感じだった。 少しでもなんとかしようと歯磨きの回数も増えてきた。 そしてついに彼氏はある方法に出た。 お清めをするかのように塩を舐めたのだ。 それが効いたのかどうかはわからないが一時的に収まるようになったという。
「・・・・頼む。もう一人じゃ謝心細いから、一緒に住んでくれないか」 と香椎さんを抱きしめた。 口元から物が腐ったような嫌な匂いがした。 香椎さんは思わず顔を背けた。
「そう聞いていたからでしょうか、なんとなく隣で寝ている彼のことが急に気になるようになりました。一度だけ、夜、隣で寝ていた彼の首もとを、子猫くらいの大きさの黒い塊がまとわり付いているのを見たことがありました」 彼氏からの申し出を断り、香椎さんはすぐに別れたという。
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■講評
と少し起こりながら答えが帰ってきた。 の部分は、 と、少し怒りながら答えが返ってきた。 が正しいと思います。 それから「頼む、もう一人じゃ謝心細いから・・。」 の部分。謝はキーの打ち間違いでは?せっかく文章は面白く、内容も貴重なのですから。完成品に目を通してチェックしておくべきです。 重箱の隅を突くようで申し訳ないのですが、以上の事から一点減点します。 |
名前: くすだまん ¦ 10:10, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
誤字はいけませんね。 水子が男性側にでるのは以外に少ない方かと。 女性側の話はよく聞きます。 そんなことを続けていたら確実に体調を壊しそうです。 そういう意味では、彼氏はやっぱりとり憑かれているのでしょうか。 |
名前: 黒ムク ¦ 10:24, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
口の中に水子とは想像すると気持ち悪い。 読んでいて生理的な嫌悪感をもよおす怪談である。 ネタも文章もいい。 その男に水子に憑かれる何かがあったのじゃないかと思わせる。 |
名前: 撃墜王の孤独 ¦ 11:53, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
文章 1 誤字が残念です。 稀少度 1 男性に祟る水子は珍しい。
誤字が見られたり、語り手を姓で書きながら途中突然名前の方で書かれていたり、推敲が必要。 内容としては男性に祟る水子は珍しく、これほど祟るとは相当手ひどいことをしたのではないかと勘ぐってしまう。 生理的にも気味が悪い。 |
名前: くりちゃん ¦ 13:10, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
全体的に良く書かれているのに、ところどころで文章がおかしく、それが全体の出来に対して何だかアンバランスな感じがしました。
また、最初の怪異を目撃するところで 「暗闇の中、目を凝らし、よく見ると塩を指でつまみ」 手につまむ物はこの後で香椎さんが彼氏から聞かされる事であり、この時点では暗闇の中で目をこらさなければ見えないようですから、何を口に入れているかはよく分からないはずです。 書き手の方は全容を知っているためにこう書かれたのでしょうが、3人称の書き方であっても認識した順序で書いていなければおかしいと思います。
怪異について言えば彼氏の夢の話は、自責の念からくる悪夢から生じた物とも受け取れ、口の臭さにしても今までと違う臭さであったのかも書かれておらす、別の原因で口臭が発生している可能性もあります。 また、彼氏は「だんだん昼間もする気がしてきた。」と話しているのなら口臭が昼間もありそうな感じですが、香椎さんはこの話ではそれに触れていません。 すると「口元から物が腐ったような嫌な匂いがした。」では、この瞬間にはっと気がついたような書き方で、夢とうまく繋がっているように見えても、この匂いの形容は香椎さんの主観であり、また今までの口臭の状況が書かれていないため、夢との結びつきが確かだとはいえないと考えます。
すると怪異の本体は「隣で寝ていた彼の首もとを、子猫くらいの大きさの黒い塊がまとわり付いているのを見た」に絞られるのですが、これが最後にダメ押しのような、おまけ的に書かれているため、様子がはっきりしないところがあります。もっと言えば、黒い塊の出現時期が定かではないため、前半の悪夢や口臭とは関係ないものという可能性もあります。
それなりに気味の悪い事象は揃っていても、並べてみると少し弱いかな・・・と思いました。ただ、香椎さんとしてはこんな事が立て続けに起こり、この上なく恐ろしい体験だったと思います。
文章0:希少度0 |
名前: chidori ¦ 13:59, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
| ここまで祟られているとすれば、よほど酷い事を前の彼女にしたのか、それとも彼氏が良心の呵責にさいなまれているのか…。 怪異としては微妙な部分もあるのですが、読んでいて気持ち悪さは感じました。 |
名前: じゅりんだ ¦ 14:10, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
文:−1 怖:+4
怖い。純粋に怖い。 ですが、前の方も言われてるように 誤字・脱字がなお残念。 でも、怖を+2にしてしまうと配点自体も低くなってしまうので 少々変則的にさせてもらいました。 話は満点です。 別れて正解です。 |
名前: 晴 ¦ 14:11, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
なんとなく情報の並べ方がおかしいので頭に入りにくかったのですが、水子の祟りの事象は怖かったです。 希少度 1 文章 0
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名前: じぇいむ ¦ 19:01, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
後味の悪さが計算だとすれば大成功。 そんなモノが口に入って来て欲しくは無いな。 うえぇ。
希少性(1) 文章(0) |
名前: ねこや堂 ¦ 22:25, Tuesday, Mar 04, 2008 ×
個々の事象はけっこう怖いのだが、それがうまく結合されていない気がする。 肝心なところで誤字があったのも残念。 |
名前: ナルミ ¦ 00:28, Wednesday, Mar 05, 2008 ×
| 堕ろした水子が彼氏の方へ出てくるとは。しかも口の中に入ってくるなんて。前の彼女とはあんまりいい別れ方しなかったのかもしれませんね。呪いじみています。書き上げた後、文章はよく見直した方がいいですよ。怪異はめずらしいのにもったいないです。 |
名前: ひ ¦ 15:03, Wednesday, Mar 05, 2008 ×
世の男性はこの話をビシッと肝に命じて欲しいですね。 男性に出るという事は彼女は生みたかったのではないでしょうか。 自分の事を忘れて何事もなかったように暮らしている父親に自分を思い出して欲しかったのかも知れませんね。 純粋に怖かったので点数つけました。 別れてよかったですね。 |
名前: ちゅん ¦ 15:43, Wednesday, Mar 05, 2008 ×
ネタ+2 文章+1 嫌悪感が心にまとわりつく。救いようがない。というか救わなくていいです。 もう一度男の体内に戻って産まれ直そうとしているような気がしますが、そんなヤツから産まれ直して欲しくないなぁ。 文中で一回だけ、「香椎さん」ではなく「啓子さん」という表記になっていたのが気になりました。 |
名前: ねこ ¦ 00:00, Tuesday, Mar 11, 2008 ×
そんなに塩舐めちゃダメです、血圧上がりますよ;
水子なのか元カノの怨念なのか、なんとも後味の悪いお話。 +2 >〜と香椎さんを抱きしめた。口元から物が腐ったような嫌な匂いがした。 うわぁ…とさらに嫌悪感が。怪異にも彼氏にも。 +2 |
名前: 眠 ¦ 00:54, Friday, Mar 14, 2008 ×
内容は興味深いものがありました。 彼氏は供養をしようとは思わなかったのでしょうか・・・。 香椎さんには彼氏を振らずに、一緒に解決方法を探して欲しかったです。
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名前: へみ ¦ 19:13, Sunday, Mar 16, 2008 ×
文章・・・-1 希少度・・・1
構成も練られており、読みやすく解りやすく、そして何より怖く書こうという努力は見られますが、文章に難ありです。 例えば主語が抜けていて、誰の行動か解りにくかったり、前後の文章のつながりで据わりが悪いところがあったりと、細かい部分で損をしています。 現象自体はなかなか興味深いものがあるので、残念な作品です。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 00:44, Friday, Mar 21, 2008 ×
私としては、文章のまとまりが なかったように感じたんですけど。 嫌な話ではありますよね。 |
名前: 茶毛 ¦ 00:39, Wednesday, Apr 02, 2008 ×
母ではなく父に纏わり付くのだから、相当に業が深いのではなかろうか。もしかすると、堕胎した元彼女の念も加わっているのかも……とも想像させられる。 それだけに、内容に文章が追いついていないのが痛い。 |
名前: 磯昆布 ¦ 23:34, Thursday, Apr 03, 2008 ×
想像すると気持ちの悪い話です。 ただ、やはり文章が読み難かったように思えます。 途中、啓子さんが出てきた時点で混乱してしまいました…。 誤字に関しては評価対象にしていませんが、人名だけはしっかりしておいて欲しかったところです。
文章:-1 内容:2
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名前: PM ¦ 20:55, Tuesday, Apr 08, 2008 ×
| 内容は面白いんですが、文章で損をしているようなカンジです。 |
名前: SPダイスケ ¦ 23:01, Thursday, Apr 10, 2008 ×
恐怖+1 ん〜、本当に水子ですかね? 判然としないのが怖いですな。 良い感じに彼氏が壊れていくのが伝わってきました。 |
名前: 有線 ¦ 03:50, Friday, Apr 11, 2008 ×
水子がどうかはわからないが。 塩は舐めても効く? 試してみたいですが。試す機会にはめぐまれたくない様な。
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名前: MM88 ¦ 02:06, Saturday, Apr 12, 2008 ×
生理的嫌悪感をもよおすなんとも気持ち悪い話ですね。 ただ、彼氏は水子と決め付けていましたが、本当に水子なのかはちょっと疑問です。 よく言われているような”水子の祟り”というのはあまり無いと思っているので。
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名前: 久遠 平太郎 ¦ 00:03, Saturday, Apr 19, 2008 ×
『口元から物が腐ったような嫌な匂いがした』……歯槽膿漏でないといえなくもない? 読みにくかったですが、内容はいいと思いましたよ。
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名前: こうたろう ¦ 19:20, Wednesday, Apr 23, 2008 ×
前になんかの講評に同じ事を書いたような気がするんですが、水子というのは一説によれば、霊ではないといいます。 そのくらいの子供はまだ祟るほどの意志がないからだというのです。 その説によれば、水子は親の後悔や自責の念、良心の呵責などが悪い「気」となり、それが胎児の形を成したものなのだそうです。 つまり、彼氏は自分の念で自分を苦しめている訳です。 まあどちらにしろ自業自得、子を供養するどころか自分の保身にばかり躍起になっている彼氏ですから、別れて正解ですね。 |
名前: 昼間寝子 ¦ 16:26, Sunday, Apr 27, 2008 ×
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