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一見の判断
大木さんは昔、酔って歩いていた際にトラックに撥ねられた。
その時に縫った傷のせいで短くなった眉毛のせいもあり、一見すると普通のサラリーマンには見えない。
ケンカも強いくせに、心霊関係には恐ろしく弱かった。
怖がりなのである。

大木さんには、十年来の付き合いになる先輩がいた。
運の悪いことにその先輩は見える人。
その上、周囲を巻き込むところがあった。
霊感はないはずの大木さんだったが、先輩と行動をともにするせいか、見えることは少ないが聞こえることが多くなってしまったという。

「誰もいないエレベーターの中で『ごめんなさい』って女の声が聞こえたときは、慌ててボタンを片端から連打し、エレベーター会社の人に怒られました」

大木さん曰く、そんな小さな事は日常茶飯事。
その度に驚き、怯え、その怒りをどこにぶつけていいかわからなかったという。

夜中、自宅にいる大木さんの携帯電話に先輩から電話が入った。
近くのスナックで飲んでいでるから迎えに来いという。
断る権利はない。
大木さんはすぐに車を出し、店に向かった。
店で先輩を乗せると、そのまま家のほうに向かった。

対向車線からの車もなく、スムーズに車を走らせていると少し先に、道を横断しようとしているスーツ姿の男性が見えたという。
大木さんがスピードを落とすと先輩は
「そのままアクセルを踏め」
と強い口調で言った。
酔っているからだと思い、大木さんはその言葉を無視しスピードをさらに落とした。
「なにしてんだよ!いいから行けよ!」
先輩が強い口調で言った。
大木さんはスピードを上げた。
先輩の言葉は絶対なのだ。
横断中の男がぐんぐんと近づいてきた。
(轢く!!)
大木さんは息を呑んだ。
男が車の前に立った瞬間、確かに目が合った気がした。
どっと汗がでた。
しかし、人を轢いた感触はなかった。
助手席で見ていた先輩は一言、
「お前、いちいちもう死んでる人間見て、怖がってんじゃねぇよ!死んだ奴のためにわざわざブレーキ踏んでやることねぇだろ!」
と叱りつけたという。

「先輩は一目見てすぐに、その人が生きているか、死んでいるかがわかるからいいですけど、こっちはすぐにはわかりませんからね。毎回、本当に人を轢き殺してしまうんじゃないかとハラハラします。もう本当に生きた心地しませんよ」
大木さんは大きなため息をついた。




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■講評

文章 1
導入部が整理されていない。
稀少度 1
霊能力(?)がうつる話は時々聞きますが。

先輩のしかり方が可笑しかった。
実際問題として、あらぬものが見える先輩でも、酔っているわけだから「人間じゃない」といわれても信じることは出来ない。

名前: くりちゃん ¦ 09:44, Thursday, Feb 28, 2008 ×


見える人間同士でも、みてすぐわかる人間とそうでない人間とのやりとりは面白かった。
もう生きていないとはいえそれを轢く感覚は決して気持ちのいいものではないはず。
災難です。

名前: 黒ムク ¦ 09:45, Thursday, Feb 28, 2008 ×


怪異自体はよくあることなのですが、霊能力のレベル差が理解できる書き方でよかったと思います。

名前: ひ ¦ 09:57, Thursday, Feb 28, 2008 ×


いますよね。見た目はごっついのにえらく怖がりな人。
人間味があっていいと思います。
「お前、いちいちもう死んでる人間見て、怖がってんじゃねぇよ!」
って言われても無理ですよねぇ。
解からないものは解からないですし・・・。
解かったら解かったで怖いですよ。

名前: へみ ¦ 11:10, Thursday, Feb 28, 2008 ×


 文章に何も問題ないと思います。
 しかし困った先輩だなぁ。傍にいるだけで後輩に能力を移るとは、どれだけ能力が高いんだ?

名前: くすだまん ¦ 11:13, Thursday, Feb 28, 2008 ×


もし、本当に生身の人間だったら・・・と思うとぞっとしますよね。
大木さん災難でしたね。最後の轢く瞬間は結構ドキドキしてよかったです。

名前: じゅりんだ ¦ 11:18, Thursday, Feb 28, 2008 ×


こういう風に感じるのは僕だけかもしれませんが。
このままだといつ幽霊ではなく本当の人間にぶち当たるか
わからないところに怖さを感じました。
見える先輩と怖がりの後輩の温度差もよく書けています。

名前: 撃墜王の孤独 ¦ 12:15, Thursday, Feb 28, 2008 ×


文:+1 怖:+2

なんてはた迷惑な先輩(笑)
本人はお分かりになるようですが、もしも
その判断が間違えてたらと思うとぞっとします。

最初の4行、大木さんが事故にあった、という
エピソードは不必要では。
いつ話しに絡んでくるのかと最後まで待ってしまいました。

名前: 晴 ¦ 12:15, Thursday, Feb 28, 2008 ×


「なにしてんだよ!いいから行けよ!」
先輩が強い口調で言った。
大木さんはスピードを上げた。
先輩の言葉は絶対なのだ。」
オチで分かるとはいえ、この時点で生きてるかどうか分からない人間を絶対だからとひくような行為はどうかと思いましたが・・・。

冒頭の事故やエレベータのエピソードも、どこか不自然さがあって、ラストでこの日に限って、ほぼ「聞こえ」専門の大木さんがいきなり「見えた」事についても、結末へ向かうためのよくできた話という感じに読めてしまいました。

大木さんにとってはこの上なく恐怖体験だったことは伝わりましたが・・・。

文章0:希少度0

名前: chidori ¦ 12:55, Thursday, Feb 28, 2008 ×


肝となる怪異は確かに怖いが、怪異自体の怖さより、先輩の言動の怖さ(もし万一本当の人間だったら‥‥)の方が強い。
導入部の交通事故にあったという記載も不要だと思った。

名前: ナルミ ¦ 00:25, Friday, Feb 29, 2008 ×


先輩が言ったからといって、見えている人間に突っ込むもんでしょうか。
ムリを感じてしまいました。すみません。

名前: じぇいむ ¦ 12:58, Friday, Feb 29, 2008 ×


大木さんの交通事故の件は不必要だと思う。
「見える人」としょっちゅう一緒にいると、見えない人も感じるようになる、というのは経験があるからわかる。
私は未だに音しか聞こえないけど。

希少性(1) 文章(0)

名前: ねこや堂 ¦ 23:21, Saturday, Mar 01, 2008 ×


>見えることは少ないが聞こえることが多くなってしまったという。
>毎回、本当に人を轢き殺してしまうんじゃないかとハラハラします。
横断歩道を渡る男性が大木さんにも「見えた」エピソードは、すでに数回目のことなんでしょうか。
初めてだったとしたら、いくら先輩の命令でも轢き殺す覚悟でアクセル踏み込むなんてできないのでは。大木さんは霊だと思っていないし、ご自身が交通事故を経験しているなら尚更です。交通事故で負うトラウマって大きい。

これが初めてなのか否か、先輩が「見える人」であることをどれくらい信用しているかなどの説明がないと、通常の判断能力ではありえない無茶なお話に見えます。 -2

自分が「見える人」であることを屁とも思っていない、どころか他人にもそれが当たり前だと強要する先輩の豪快さは面白かったです。 +1

名前: 眠 ¦ 01:41, Monday, Mar 10, 2008 ×


文章・・・-1
希少度・・・0

丁寧に書かれてはいるものの、導入部のほとんどが本筋とはほとんど関係ないので、読後肩透かしを食らったような感じがしました。

また、先輩にアクセルを踏むよう言われ、それをためらいながらも実行する大木さんが理解できません。
先輩の言うことは絶対だとあるにしても、それだけでは読み手としては納得できるものではありません。
大木さんがそこまでする理由をしっかりと書かないと、真実味が涌いてきません。

名前: 鹿太郎 ¦ 12:05, Monday, Mar 10, 2008 ×


文章+1
「見える人」と「巻き込まれる人」というコンビ、しかも師弟ないしは主従関係という前フリがあると、どうしても期待が膨らんでしまいます。
そのため、今回取り上げられた怪異があまりにも類話の多いパターンだったので、申し訳ありませんが拍子抜けしてしまいました。
そのコンビであれば、もっと強烈なネタを持っていそうな気がするので、シリーズになるくらいの追加取材をお願いします(^^;

名前: ねこ ¦ 21:20, Monday, Mar 10, 2008 ×


話はよくありがちな内容でしたが、大木さんのキャラがたっていた。愛らしい大木さんに
+1。

名前: 茶毛 ¦ 14:24, Tuesday, Apr 01, 2008 ×


先輩、スナックで呑んで酔ってたんですよね?
酔ってる人の命令で轢け…ってのは怖くないですか…?

文章は読み易いですが、本筋にあまり関係のない事も書かれているので、その部分は端折っても良かったかとは思います。

文章:1 内容:0

名前: PM ¦ 21:41, Sunday, Apr 06, 2008 ×


どうしても 自分が霊を見る時の感覚で読んでしまうのですが、ちょっと理解に苦しむところがあります。
確実に霊だと思っても ひいてしまえ・・・ とは思いません。
ちょっと 先輩の感覚が理解できませんでした。

名前: SPダイスケ ¦ 23:44, Sunday, Apr 06, 2008 ×


眉毛の説明と、サラリーマンには見えない、という部分は内容には関係なかったんですね。
余分な事は書くべきではないかと。

怪異は大の苦手なのに"中途半端に見える"様になってしまった人の苦悩はよくわかりました。


名前: MM88 ¦ 18:19, Thursday, Apr 10, 2008 ×


恐怖+1 好み+1
導入部はいらないかと。
お二方の個性がしっかり出ていて、面白く読ませて頂きました。

名前: 有線 ¦ 01:13, Friday, Apr 11, 2008 ×


怪異:0.5
むぅ、なんという迷惑な。
先輩はもうちょっと後輩を労わるべきだと思うよ。
文章:1.5
いいですね。

名前: brother ¦ 19:13, Wednesday, Apr 16, 2008 ×


いや、いくら先輩の言葉は絶対でも人轢くかも知れないならブレーキ踏まなきゃね(汗
困った先輩に翻弄される大木さんの苦労話として面白く(スイマセン)読ませて頂きました。

名前: 久遠 平太郎 ¦ 00:13, Thursday, Apr 17, 2008 ×


 いくら死んだ人でも、そのまま車で突っ込むって……豪胆ですね。
 読みやすい文章と先輩との会話が面白かったのでこの点数にします。

名前: こうたろう ¦ 21:57, Monday, Apr 21, 2008 ×


怪異自体は小さいのですが、二人のキャラとやり取りがいい味出してますね。
大木さんは気の毒ですが、面白かったです。

名前: 昼間寝子 ¦ 02:41, Sunday, Apr 27, 2008 ×


二人のキャラクターがいい味を出している話ではあるのですが、お話自体は違う意味であまり戴けませんでした。何かの本で国道246号の心霊スポットに出るものを幽霊だと思ってはね飛ばしたら本物の人間で、轢いた先輩は交通刑務所に行ったという話を思い出したからです。
そういう意味で何となく内容のチョイスに問題を感じてしまいましたが、これはあくまで自分の主観です。すみません。


名前: みくりや かつと ¦ 20:38, Tuesday, Apr 29, 2008 ×



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