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中陰
「もう何十年も前の事だけど、あんまり自慢出来る話じゃないからね…」
 詳細な描写を避けるという事を条件に、畳屋の老人は語り始めた。

老人が住んでいる町は歴史が古い。
そうした理由で、ある伝統的な行事が盛んな地区である。
戦争中は非常時とあって、さすがに中止となっていたが、やがて終戦を向かえ、高度経済成長期を迎える頃になると、この行事を復活させようという声が高まった。



…………

この作品は超-1/2008作品集【恐怖箱 超-1怪コレクション 彼岸花】に収録されました。
続きは【恐怖箱 彼岸花】でご覧下さい。

【恐怖箱 超-1怪コレクション 彼岸花】加藤一 編

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■講評

読んでいてこの話は怖いのですが、中盤以降が盛り上がり所であるにも関わらず、だんだんと怖さが弱まったように思えました。
多くの人が自殺していくせいで、回を増すごとにその人たちがただの文字と情報になり、怖い話であるはずなのに新聞記事を見ているような印象を受けました。

これだけの話が「中陰」のうちに起こったのも興味深いことではありますが、この話は自殺した人たちの人間性があまり見えてこないために事件が単なる情報と化してしまい、多すぎる文章量のせいで怖さが間延びしているのではないかとも思えます。

貴重な話であるだけに、もう少し文章を整理されれば、もっといい作品になるでしょう。


文章0:希少度+2

名前: chidori ¦ 14:25, Saturday, Feb 23, 2008 ×


ネタ+4
忌まわしい。その一言に尽きます。
文章も順序だっており過不足なく明確で丁寧な情景描写がなされています。
題名の意味が判明するだけでなく重みを増す最後の説明が効いています。
上質のネタとそれを行かせる文章立て、文句なしです。

名前: ねこ ¦ 17:19, Saturday, Feb 23, 2008 ×


「中陰」の言葉を含めて考えると興味深い。
しかし、続けて人が亡くなる話は結構出回っている。
そのせいか思ったより怖さを感じられなかった。
「中陰」という言葉に助けられているように思え、もう少しでものすごい話になった気がするだけに残念。

名前: 黒ムク ¦ 20:46, Saturday, Feb 23, 2008 ×


人が何人も死ぬという大ネタなのに、あまり怖さが伝わってこない。死んだ人たちが単なる情報になってしまっていて、生前の様子や藤原さんとの関係がわからないからだろう。
長くなりすぎるかもしれないが、その辺をもっと描写していたらより恐怖が伝わってきたかもしれない。(あるいは、語り手の畳屋の老人もそこまでは把握していなかったのかもしれないが。そういえば、語り手がこの話の中でどういう位置にいるのかも不明である)
ラストの言わずもがなの一文も不要。

名前: ナルミ ¦ 23:12, Saturday, Feb 23, 2008 ×


文章 2
導入部が丁寧な割に後半部が急ぎ足の感じがする。
稀少度 1
中陰、四十九日、七×七で何となく数の予想が出来てしまった。

導入部が丁寧に書かれているのは「藤原」さんの行事への熱意を語る上で欠かせない。だが死人が出始めてからは、一件一件詳しく書いていけば冗長な物になるだろうとは思うが、書き急いだ感じがする。
それにしても死者が数多く出て大変な出来事だったと思う。中陰を過ぎてからぴたっと止む、というのも道連れ説を裏付けているようで怖い。
(気になった作品で読み直していましたが、やっぱり「いや〜な感じ」が拭いきれず点数を変更しました)

名前: くりちゃん ¦ 10:26, Sunday, Feb 24, 2008 ×


 もう少し犠牲者が出る部分は短い方がいいように思います。死体の描写が多いので、気味が悪いだけで緊張感がなくなってしまうと思いました。ですが全体的にはリポートとして上手く出来ていると思います。
 それと細かいようですが「・・お巡りもさすがに気味悪そうにしていたよ、呆れ気味に「此処、祟られてんのか?」ってさ」の部分。
 「」の中に「」が入るというのはいかがなものか?以上の理由で1点を減点しました。

名前: くすだまん ¦ 13:09, Sunday, Feb 24, 2008 ×


何十年も前なのに、老人ヘルパーっていたんですかね?
いたらご免なさい。
この一文が引っ掛かって採点できません。





名前: じぇいむ ¦ 19:21, Sunday, Feb 24, 2008 ×


後味の悪い話ですね。どんなものか知りたいところですが、古い町の伝統的な行事なら明かすことは無理でしょう。行事内容を説明することなくいかに世話役がそれに命をかけていたかを理解させるため(おかげで老人の恨みが理解できました)、前半は非常に丁寧に書かれていましたが、後半はわりとあっさりめでしたね。

名前: ひ ¦ 23:33, Sunday, Feb 24, 2008 ×


こういった何人もの方が亡くなられて禁句となっているお話を穿り返すことは容易ではありませんし、その周辺事情を見つけ出せたという点では評価を高く受け止めてもよろしいかと思います。
やはり難点といえば、亡くなられた七人の方々がどういう風に死んでいったのは詳しく知りたいところですね。ただ、事件に関わった当事者たちがまだご存命の様子なので、再現にも限界がありますし、これ以上は細かく調べようと思っても無理だなと同時に思いました。
このお話の根幹にあるのは、やはり怪異のおおもとを作るのが人間の心であると実感させられました。亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。

名前: みくりや かつと ¦ 11:02, Monday, Feb 25, 2008 ×


中陰という意味を恥ずかしながら初めて知りました。7日おきに人が亡くなって行く様子がリアルで戦慄を覚えました。ただの偶然とは片付けられません。藤原さんが本当に道連れにしたのなら間違いなく地獄行きですね。このように思い込み激しく被害者意識の強い人の念も恐ろしいですね。非常に重みがあって読み応えがある作品で大変面白かったです。

名前: じゅりんだ ¦ 12:00, Monday, Feb 25, 2008 ×


文:+2 怖:+2

語り口が淡々としているからこそ怖い。
とても後味の悪い話。
祟りってのは本当にあるのですかね。

名前: 晴 ¦ 13:50, Monday, Feb 25, 2008 ×


怪談としては上質な方かと。

名前: ねこや堂 ¦ 23:26, Monday, Feb 25, 2008 ×


49日の間に合計7人の人間が7日おきに死ぬ。偶然で起きることではありませんね。
これほどの道連れを出す、藤原さんの執念。
その執念があれば、自殺せずに他の道を探すことはできなかったのかと思うのは、当事者でない者ゆえの甘い考えなのでしょうか。

名前: へみ ¦ 23:58, Monday, Feb 25, 2008 ×


恐怖+2
後味の悪い話を有難うございます。
前半が丁寧なだけに後半が少し足らない感じがしました。
詳しい描写を避けているのもあるでしょうが、全体のバランスが取れればすっきり読めるかと。

名前: 有線 ¦ 02:51, Tuesday, Feb 26, 2008 ×


文章・・・1
希少度・・・2

こんな小説のような出来事が実際に起こったとはとても興味深いと思います。
書き手の文章力も大したもので、長さを感じさせず、最後まで好奇心を持続させてくれました。
しかし、難点が二つあります。一つは、これは自分だけかもしれませんが、最初読んだ時、畳屋の老人と藤原さんを同一人物と勘違いしてしまいました。別人であることをもう少し解り易く書いて頂きたかった。
もう一点は首吊りの描写です。凄惨な状態を詳細に説明すると確かに読み手は嫌な感じを受けますが、この話はそのような見かけの恐怖演出に頼らなくても十分衝撃があるものです。不用意に残酷場面を挿入してしまったことで、物語そのものの怖さが薄れてしまったように感じました。


名前: 鹿太郎 ¦ 01:28, Wednesday, Feb 27, 2008 ×


怖いし、興味深い。

名前: 与粋鴎歌 ¦ 15:10, Wednesday, Feb 27, 2008 ×


文章1
内容2

全体的にすごく良質です。でも良質だと目も厳しくなりますね。後半の文章がちょっと早足になった感がありました。内容はとても良いです。

名前: 新田 猫 ¦ 09:40, Thursday, Feb 28, 2008 ×


復活した「ある伝統的な行事」。これが明かされないので気になってしまい…。詳細を避けるという前置きのせいで余計に気になってしまい…。
明かせない事情があるにせよ、意味ありげに書かなくても伏せられたのではないかと。特に怪異に関係あるようにも取れなかったです。-1

中陰、知りませんでした。ありがとうございます。
ここまでくると、関係者はみな呪いだと思ってしまいますね。きっちり七日おきで死因も同じというのが恐ろしい。+4

名前: 眠 ¦ 00:24, Friday, Mar 07, 2008 ×


重い内容が淡々と書かれ ぞっとしました。
中陰というのも初めて知り 祟りの怖さに恐怖しました・・・

名前: SPダイスケ ¦ 15:18, Thursday, Mar 27, 2008 ×


前半の説明じみた描写と、後半の展開のスピードの差がマイナス要因となりました。それでも、この重い内容をまとめ上げたことは評価の対象になります。

名前: 茶毛 ¦ 01:57, Tuesday, Apr 01, 2008 ×


これは怖いですね…。
こんなにも人が亡くなる前に、意地張ってないで何か手を打てば良かったのに…。
文章もよくまとまってると思います。

文章:1 内容:2

名前: PM ¦ 22:18, Friday, Apr 04, 2008 ×


七人ミサキかと思ったら「中陰」ですか。「中陰」の説明は非常に勉強になったのですが、どうも死んだ人と藤原さんとの関係がよく分からない。藤原さんに特に強く恨まれる理由があったのかどうなのか、そこら辺のところが書かれていないためいま一つ祟りの凄みが伝わって来ない部分がありました。そこが少し勿体無かったかなあ。いや、凄い話でした。

名前: 久遠 平太郎 ¦ 23:51, Saturday, Apr 05, 2008 ×


怪異:2
ラストの補足説明でちょっと賢くなれました。そして恐怖度も上がりました。orz
人の怨念て強いな……。
文章:3
長さを感じさせない、引き込む力のある文章だと思います。

名前: brother ¦ 17:24, Saturday, Apr 12, 2008 ×


凄い。
町内で次々に人が亡くなり"次は誰が"という話は昔、実話怪談本で同じ様な話を読んだ事があり、その話を思い出した。
町内の通りをつらりつらりと歩く死神(それは死神ではなかったのかもしれないが)の、次に入る家はどこか。当時の町会等関係者はさぞや恐怖したのだろう。
話の内容では、後の方の死者の記述がはしょり気味になるのは仕方ないだろうか。何人も詳しく書いたらくどくなってしまったかもしれない。


名前: MM88 ¦ 00:36, Monday, Apr 14, 2008 ×


詳細な描写は避ける、という条件の下、非常に巧く書かれていると思います。
一人の人間の怨念が六人も道連れにしてしまうとは恐ろしいです。
中陰の話も勉強になりました。
畳屋の老人と藤原さんが同一人物かと一瞬思ってしまいましたが、すぐ判別がついたので特に問題はないと思います。
リアルで良い怪談だと思います。

名前: 昼間寝子 ¦ 12:59, Monday, Apr 14, 2008 ×


 人の恨みと言うのはかくも恐ろしいものなのでしょうか。自分自身を地獄に墜としてまでも、怨みつづけるのは相当でしょう。だからこそ、死んだ人は怖いですね。

名前: こうたろう ¦ 22:11, Sunday, Apr 20, 2008 ×


霊がどうこうというよりも「呪い」がうまくいったパターンとして素晴らしい。呪いが成立した話は読んでて気味がよい。

名前: tanaka ¦ 14:38, Tuesday, Apr 22, 2008 ×


一文にこだわって講評しないのも馬鹿だなと反省しましたので、書かせていただきます。
この話の怖さのツボは世話役さんが自殺した後、四十九日の間に六人も狭い町内で首つりが続いた点にあるのではなく、世話役さんの恨み辛みの多い人から順に死んだわけではないところにあるのではないかと感じました。
なんとなく「引っ張りやすい」順番に死んでおり、世話役さんの遺書の文言通りその祟りが町内全体に向けられた無差別なものなのではないかと思えました。
だとすると当時の町内の人々の不安緊張はかなり高かっただろうと想像でき怖かったです。
また、世話役さんのその考え方に至る心理も考えると哀れであり、人間の弱さを露呈しており考えさせられます。
この話では最後まで世話役さんの自殺の直接原因となった「役員や商工会の連中」に首つりが出たのかどうかは明らかにされておらず、言うなれば恨みの度合いが低い人ばかりだった可能性もあり、その点において祟りの理不尽さが印象として残ります。まるで昔のカミの荒ぶる様を思い起こさせるような凄い話であったと思えました。
難点としては、上の長所と被るのですが、首を吊った人の中に世話役さんを疎んじていた人、祟られて当然の人がいたのかどうかが明らかにされていないこと。いた場合、なんとなく祟り因縁話の系譜に落ち着いてしまうように思いますが、事象の記録としては煮え切らない感じもします。
ただ、話の効果としては、書かない方が怖いのも確かだと思いましたので、この点は減点とはいたしません。
希少度 3 文章 1

名前: じぇいむ ¦ 17:05, Wednesday, Apr 23, 2008 ×



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