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美紀さんには自慢の彼がいた。 お互い大学生だったが、将来はこの人のお嫁さんになりたいと思っていた。
週末恒例のデート。いつも彼が車で迎えに来てくれる。 その日は二人で海を見に行こうと決めていた。 だがその日に限って、いつまで待っても彼は来ない。 約束の時間から1時間過ぎ、2時間過ぎ、それでも彼は来なかった。 「凄く嫌な予感がした。」
携帯電話のなかった当時、連絡の取りようがなく、彼の母親から家に電話がかかって きたのは夜になってからだった。 「事故だったの・・・車線オーバーしてきたトラックと正面衝突したらしく、彼は即 死だった。」
美紀さんは泣いて過ごす日々を送るしかなかった。 本当に心の底から大事なものを失ったのは初めての経験だった。 自分の所に来る途中の事故というのも、美紀さん自身を責め立てた。
そんなある日、美紀さんは彼の夢を見た。 夢の中の彼は、生前の優しい微笑みで美紀さんに話しかけてきた。 「美紀、自分を責めたりしたらだめだよ。僕はずっと美紀を見守っている。早くいつ もの美紀に戻って。元気を出して。」 「すごくはっきりした夢だったの。夢とは思えないくらい。彼はもしかしたら本当に 私のことを見守ってくれているような気がした。」 それ以来美紀さんはふとした時に彼の存在を感じるようになる。
「一度だけ・・・はっきり彼の声が聞こえたの。」 夜、人気のない横断歩道で信号が変わり、美紀さんが一歩を踏み出そうとした刹那そ れは聞こえた。 「美紀!! 待って!!」 「!!!??」 思わず立ち止まり周りを見渡した瞬間、目の前を信号無視の車が通り過ぎて行った。 美紀さんは彼の存在を確信した。
それから数年の月日が流れた。 美紀さんは大学を卒業し、OLをしていた。そこである男性と知り合う。 初めは一人の同僚だったが、美紀さんはだんだん彼に惹かれていき二人はつきあうよ うになった。 交際は順調に続き、その男性と美紀さんは結婚することになった。 「その間も彼の存在は感じていたよ。夢にもたまに出てきてくれていたしね。」
結婚式の前夜、美紀さんは彼の夢を見た。 「美紀、結婚おめでとう。彼ならきっと美紀のことを幸せにしてくれるよ。僕が美紀 の夢に出てくるのも今日で最後だ。」 美紀さんは夢の中で号泣していた。 「僕の役目は終わった。美紀の事はこれから彼が守ってくれる。僕がいなくても美紀 はもう大丈夫。」 目覚めるといつも微かに感じていた彼の気配はなくなっていた。
「もちろん今の旦那ね。不満挙げたらキリがないけど、まぁ一応幸せなのかな。」 二人の娘にも恵まれ、美紀さんは幸せな生活を送っている。
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■講評
文:+2 怖:+2
あやうく泣きそうに……!
文章も破綻なく、とても良質の読み物を読んでいる気分でした。 もちろん良い意味です。 彼も美紀さんも、とても器の大きな人なのだと思います。 ラスト、不満を挙げたらキリがないけど という妙に現実的な部分も踏まえて、本当に良い話です。 |
名前: 晴 ¦ 12:32, Thursday, Feb 21, 2008 ×
いいお話なんですけど、どっかできいたような印象を受けてしまいました。 文章を一工夫したら、きっと泣いてしまうかも・・ おしい。 |
名前: 黒ムク ¦ 12:55, Thursday, Feb 21, 2008 ×
昼ドラ風のいい話に見えました。
しかし後半に進むにつれて、事故でなくなった彼が美紀さんの次の彼の事まで応援するところが、あまりにもいい人すぎて、その結果美紀さんという人間がとても都合のいい性格のように逆に浮かび上がらせているような書き方に感じました。
そして最後の2行が美紀さんのノロケのため、今まで美紀さんを応援した彼の行為はいったい何だったんだろうと思います。余韻を残すなら最後の2行は不要でしょう。
文章面は全体的にはよくできていますが、横断歩道のエピソードのように、事が起こった直後に「美紀さんは彼の存在を確信した」と読み手の想像を先回りして書き手が丁寧に説明している余計なところが見られるため、本文中には削ってよい箇所がたくさんあると思います。
文章0:希少度0 |
名前: chidori ¦ 14:23, Thursday, Feb 21, 2008 ×
怪異というと亡くなった彼に大変失礼で申し訳ないですが、それが制止の声ひとつだけというのはちょっと・・・・ 彼女がこの不幸からいかに立ち直っていったかに言葉を費やすより「ふとしたときに彼の存在を感じるようになる」というのを具体的に書いていただけたらよかったと思います。それと、そういう夢はけっこう見るものですよ、いきなり死なれたら。 |
名前: ひ ¦ 16:10, Thursday, Feb 21, 2008 ×
文章 1 感動的に書かれています。 稀少度 1 夢の部分が多いですね。
夢というのは願望がかなえられたりするので怪異とするにはちょっと弱いのではないかと思った。が、横断歩道での件は声まで聞いてしまったというので、実体験として信じられる。 …いいお話でした。 |
名前: くりちゃん ¦ 20:21, Thursday, Feb 21, 2008 ×
映画の『ゴースト/ニューヨークの幻 』を思いだしました。 優しい彼だったのですね。 いいお話だと思っていたらラスト、美紀さんの今の気持ちに ちょっと引きました。このようなお話ならもっと余韻が残るような 書き方で終わってほしかったですね。
でもまぁ、そんなもんなんだろうなぁ、現実は。
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名前: 桜子 ¦ 20:40, Thursday, Feb 21, 2008 ×
好み+1 難しいですねえ。 こういう話はインパクトがあるだけに、余程 上手く書き上げないと『よくある良い話』程 度に落ち着いてしまうと思います。 素材自体は良いと思いますが、肝である『彼の咄 嗟の制止』を上手く生かしきれてなかったかなと。
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名前: 有線 ¦ 21:27, Thursday, Feb 21, 2008 ×
| 最初から最後まで、よくあるパターンの「心霊ちょっといい話」の範囲を出ていない。 |
名前: ナルミ ¦ 01:42, Friday, Feb 22, 2008 ×
怖いというより、とってもいいお話でした。 彼の存在がはっきり感じたのが声の一言だけで、あとは夢の中の登場なので、美紀さんの思いがそう感じさえてのかなとも思いました。 文章はわかりやすく状況などスラスラと読めました。 |
名前: じゅりんだ ¦ 15:36, Friday, Feb 22, 2008 ×
ネタ+2 切なさ+2 文章-1 悲しくも心温まる話です。 美紀さんの語りは最後の一文だけで、他の部分は三人称で統一した方が、臭さが軽減され、いい余韻を生み出せたと思います。 あと、ぜひ現在の旦那にも話を聞いて欲しいです。律儀な彼のことなので、もしかしたら旦那の所にご挨拶があったかもしれません。 |
名前: ねこ ¦ 16:20, Saturday, Feb 23, 2008 ×
事故死した彼がなんだか亡くなった彼氏の理想像みたいで、夢にでてきたほうは彼女の願望が入っているような気もします。 「声」のほうは緊急送信でしょうか。 希少度 1 文章 0
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名前: じぇいむ ¦ 09:42, Sunday, Feb 24, 2008 ×
優しい彼ですね。 他の男性と結婚すること、彼は本当は少し寂しかったのかもしれません。 でも自分の立場をわかって諦めてくれたのでしょうね。 美紀さんは幸せになれてよかったです。
不思議度+1 インパクト+1
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名前: へみ ¦ 10:23, Sunday, Feb 24, 2008 ×
文章・・・1 希少度・・・0
怪異は声だけで、後は全て夢というのは少し弱いように思います。 しかし体験者本人が常に彼のことを感じていたというところは重要でしょう。 こういった体験の多くは実に個人的なものだからです。 とはいえ、こういった話は最近の癒し系スピリチュアルブームもあって、テレビ等で多く取り上げられており、新鮮さは微塵も感じませんでした。 涙の押し売りに走りすぎていない文章には好感が持てました。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 02:09, Monday, Feb 25, 2008 ×
感傷的な部分が多いのが目に付いた。 私のように少しばかり捻くれている者には「良く出来た物語」のような読後感が否めない。 素材は悪くないし良い話だとは思うが、「声」の怪異を中心にもう少し簡潔に書いた方が良かったように思う。
希少性(0) 文章(0) |
名前: ねこや堂 ¦ 16:08, Monday, Feb 25, 2008 ×
| 本当の話だったら大変申し訳ないが、嘘くささが漂っている。 |
名前: 与粋鴎歌 ¦ 14:36, Wednesday, Feb 27, 2008 ×
内容1
正直ありきたりな話です。いい話ではあるけど。もうちょっと書きこめばさらにいい作品になったかと思います。 |
名前: 新田 猫 ¦ 20:29, Thursday, Feb 28, 2008 ×
前後に夢の話があるせいか、肝心な「はっきり聞こえた」時のエピソードまで偶然に思えてしまいました。-1 目新しい何かが一つくらいはないと、ちょっとしたいい話で終わってしまいます。-1
文章はシナリオっぽい雰囲気がありますが、内容に合っていて読みやすかったです。+1 |
名前: 眠 ¦ 23:45, Monday, Mar 03, 2008 ×
いい話なんですが、彼氏の情報が少なすぎて「いい人」という印象しか持てません。 玉木宏に似ていたとか、キムタクに似ていたとか具体的に顔が見えてこない。 彼氏の将来の希望は何だったかとか、取材不足です。一点減点します。 そして夢で出てきた彼氏が、どんな服装をしていたとか、セルフは的確なのに、肝心の夢の描写が曖昧です。 夢とはいえ、どんな場所で祝福されたのか記入が必要だと思います。これでは状況がさっぱり分かりません。さらに一点減点します。 |
名前: くすだまん ¦ 16:52, Friday, Mar 21, 2008 ×
| 非常にいい話なのですが、「心霊系良い話」として似たような話を幾つか聞いたことがあるもので。何か類話とは違った部分があれば、また違った印象になったのですが… |
名前: 久遠 平太郎 ¦ 21:50, Saturday, Mar 22, 2008 ×
いい話ですね・・・ 心配だったんでしょうね。 ほんとに好きだったんでしょうね。 |
名前: SPダイスケ ¦ 10:07, Monday, Mar 24, 2008 ×
| いい話なのはわかるが、よくありがちな展開とオチにガッカリ。本当ならまだ低い点数だったが、亡くなった彼に敬意を表して。 |
名前: 茶毛 ¦ 01:05, Tuesday, Apr 01, 2008 ×
なんだか切なくなりますね。 亡くなってからも恋人を想う。こうありたいものです。 ただ、割とよく聞く話ですので…。
文章:1 内容:0
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名前: PM ¦ 21:37, Friday, Apr 04, 2008 ×
ああ、駄目なんですよ、こういう話。 思わず泣いてしまいました。 夢が多いですが、声が聞こえたという時点で十分信憑性があると思います。 美紀さんの幸せが末長く続くことを祈っています。 |
名前: 昼間寝子 ¦ 04:51, Monday, Apr 07, 2008 ×
怪異:2 怪異とか言ったら彼氏に申し訳ないくらいいい話でした。 よっぽど深く繋がっていたんでしょうねぇ。 夢枕に立つこと無数、声も聴こえて気配も感じるとかすごすぎる。 文章:1 この不自然な改行はメールソフト固有の自動折り返し機能の産物でしょうか。読みにくかった。
メモ帳で修正して読み直しましたが、一部表現に「?」となることはありましたけど全体的には良好です。 セリフ量も許容範囲……だと思います。 |
名前: brother ¦ 13:20, Friday, Apr 11, 2008 ×
小中学生向けの少女漫画にすれば、純真な読者からは好評を得そうな話。 ご主人も彼の夢を見たのなら凄いと思うが。
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名前: MM88 ¦ 12:28, Wednesday, Apr 16, 2008 ×
名前: こうたろう ¦ 20:29, Sunday, Apr 20, 2008 ×
| あまりにも驚きがないと思います。何か肉付けしてもいいと思います。 |
名前: tanaka ¦ 14:11, Tuesday, Apr 22, 2008 ×
こうした体験者の内面に踏み込んだお話を聞き出せた作者様の努力をねぎらいたいと思います。 文章もしっかり書かれていると思います。 ただ、このお話は個人的な主観ですが、あまり他者に採点させるべき種類のお話ではないと思いました。 「よくある話〜」で締めくくられてしまっては、体験者の方が落胆されてしまうのではと。 余計な事ですが。 |
名前: みくりや かつと ¦ 01:02, Tuesday, Apr 29, 2008 ×
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