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生きた魔除け
 中川さんの家では、猫を三匹飼っている。
「別段、猫が好きなわけじゃないんですけどね」
 中川宅はかつて遊郭として使用されていた建物である。それゆえか、昔から奇妙な出来事が絶えないのだという。
 ラップ音は日常茶飯事。歩き回る足音が聞こえたり、誰もいないはずの隣室からかすかな笑い声が聞こえるなど、些細ではあるが怪異の発生頻度は相当に高かったという。
 大学受験を控えた従兄弟が下宿していたこともあったが、二カ月ほどで逃げるようにして実家に帰ってしまったこともあるそうだ。
 中川さんが使っている部屋も、もちろん例外ではない。
「小さい頃はね、気配がするだけだったんです。ああ、枕元に何かいるな、とか、真夜中に天井裏を歩き回る足音がするとか、その程度だったんですけど、さすがにほぼ三日に一度くらいのペースで出られたんじゃたまりませんよ」
 年を重ねるにつれ、気配だけだった存在は徐々に実体を持って中川さんの前に出没し始めた。
 小学校高学年の頃には、白いもやのような物体がふわふわと浮遊しているのを、中川さんは幾度となく目撃している。
 中学校に上がった頃には、さらに鮮明でグロテスクな姿となって、怪異は現れた。
「ムカデを円形にして、その上に女の人の頭が乗っかってる。そんなのが、部屋をかさかさと這いずり回ってたんです。何もされませんでしたが、気味悪くてしょうがないですよ」
 部屋を変えてもらうように親に頼もう、と中川さんは考え始めるようになっていた。
 そんなある日。
 中川さんの母親が猫をもらってきた。親しい人から里親を頼まれ、どうしても断れなかったのだという。
「まだ仔猫でしてね、何にでもじゃれついてたんです」
 猫は中川さんの部屋で寝かせることになった。それほど猫は好きではなかったが、それでも仔猫の無邪気な仕草を見てると心が和んだという。
 そんなある夜。
 中川さんは真夜中に目を覚ました。非常に嫌な予感がする。
 部屋を、何かが這いずり回る気配があった。視界の隅に、醜悪な物体が蠢く様子が飛び込んでくる。
「また出た……やっぱり部屋を変えてもらわないとなあ、なんて考えてたんですけどね」
 出し抜けに、傍らで眠っていた仔猫が飛び起きた。
 一目散に異形の物体に駆け寄ると、仔猫は前脚でそれを引っ掻いた。
 その刹那、異形の物体は短くくぐもった声を残して、跡形も無く消え去ったのである。
「それ以来、ぱったりですよ。出現しなくなったんです。もっとも、猫がいた間は、ですけどね」
 数年後、貰ってきた猫が死ぬと、再び怪異が発生するようになった。這いずり回る怪異も、毎晩のように出没したという。
「だからまた猫をもらってきて飼いはじめたんです。で、こりゃ猫がいないと駄目だな、て結論になったんです」
 以来、二十年以上に渡って、中川家には常に猫が住み着く状況となったのである。
「何だったんでしょうね。猫が嫌いな遊女の霊だったとか……。確かめられないし、確かめる気にもなりませんね」
 言いながら、中川さんは腿にじゃれつく飼い猫の背を撫でた。
 







09:46, Tuesday, May 22, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(17) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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■講評

可愛らしい魔除けですね。
そういう怪異に慣れているようなご一家もすごいです。

名前: くりちゃん ¦ 10:23, Tuesday, May 22, 2007 ×


黒猫は魔よけにもなるというのは聞いたことがありますが、実を言えば役に立った猫の話はあまり聞いた事がなかったりする。
話としては興味深いのですが、猫で収まってしまった怪異、となってしまったので怖さとしては今ひとつかと。
ぜひ、中川宅の怖さを主役にしたお話をひとつお聞かせ願えませんでしょうか。
素材:+1 文章:0



名前: 夢屋 陣 ¦ 14:58, Tuesday, May 22, 2007 ×


「醜悪な物体が蠢く様子」
何で細かく書いてくれないんだよーーーーーーー!
一番の盛り上がりどころじゃないのーーーーーーーー!
その前で語られる、脇役的ムカデ女ですら、それなりの描写があるのに(泣
本当に目の端に映っただけだから、良く見てないYO
だったら、「醜悪な物体」とは書けないと思うんですよ。
猫が前脚で引掻いたってところがもしかしたら、タイトル通り著者の意図する盛り上がり箇所なのかも知れないけど、だとしたら、だとしたらですよ、見当違いも甚だしいですYO
モヤモヤするだけでした。

仔猫がたかだか数年で亡くなってしまったってのは、その怪異と関係有るんでしょうかね。
そう思うと、なんだかいたたまれないです。
内容ー1 文章0

名前: cross2M ¦ 15:17, Tuesday, May 22, 2007 ×


醜悪さについて情報が少なすぎて、もう一つ怖さがもりあがらないですね。
文章は読みやすいです。

名前: 散歩者 ¦ 15:27, Tuesday, May 22, 2007 ×


ムカデのような醜悪な物体…。
「どろろ」の妖怪を思い出した。
もと遊郭の建物だなんて、つっこみどころ満載のネタですね。
他にもいろいろありそうで期待してしまいます。
そのあたりもう少しふくらませることの出来そうなお話は
なかったのでしょうか。聞いてみたいです。



名前: 桜子 ¦ 16:04, Tuesday, May 22, 2007 ×


内容:1 文章:0

内容を読んでタイトルは納得。
ネコ大活躍ですね。
でも、ムカデ女、すごく不気味で面白いキャラなのにさらっと流されてしまって惜しいです。
まあ、子猫にやられてしまうから、見掛け倒しなもかもしれませんが……。

名前: ダウン ¦ 22:03, Tuesday, May 22, 2007 ×


けっこう長い割には、怪異自体の描写が不足していて欲求不満になる。起きる怪異もバラエティに富んでいるのだから、詳しく描写してもっと長くなったとしても、飽きることはないはず。
また、中川さんの最後のセリフも不要だろう。

名前: ナルミ ¦ 01:11, Wednesday, May 23, 2007 ×


たのもしい魔よけですね。
猫の大活躍ぶりをもう少し詳しく知りたかったかな。
文章技術評価0 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 21:46, Wednesday, May 23, 2007 ×


猫ってヘンな生き物が好きですよねぇ。これだけヘンでもお構いなしですかw純粋にじゃれていただけかもしれませんが、中川家にとってはありがたい存在ですね。

ムカデを円形にして、上に頭が乗っ…
円形で回転しているのを勝手に想像して、ポリッシャーを思い出してしまったorzイヤだ、そんなポリッシャー。
私の中でポリッシャーになってしまったのは、この異形のものについての情報が足りないのも理由の一つかと。
よく見てほしかったけど、中川さん、凝視できませんよねこんなの(´・ω・`)
そこは残念なのですが、読み心地?が良かったので文章に(+1)です。

名前: 13 ¦ 19:58, Thursday, May 24, 2007 ×


素材・1 文章・1
読みやすい文章であり、情景がすんなりと浮かぶ。
それだけに、怪異の背景をもう少し掘り下げて欲しかった。

名前: つくね乱蔵 ¦ 06:55, Friday, May 25, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 表題のとおり、猫が破魔の役割を果たしていることがこの作品の軸として描かれているわけであるが、それに対する肝心の怪異の描写があまりにも雑である。
 特に作品の中心に据えられている子猫が飛び掛り引っ掻いた怪異などは「醜悪」という情報しか提示されておらず、これで状況を頭に描けというのは些か乱暴すぎではないだろうか。
 個人的には猫云々よりも、寧ろ日常的に怪異が頻発する当事者の家そのもののほうに興味が向いてしまった。

名前: 空 ¦ 12:23, Friday, May 25, 2007 ×


猫=魔よけより、家の中の怪異メインの話として読みたかった。

名前: 黒ムク ¦ 13:24, Friday, May 25, 2007 ×


舞台装置が整っているのに、怪異がムカデ女以外に少ない。もったいない。ムカデ女も掘り下げれば、いろいろ出てくるのではないか。

名前: ペペ ¦ 17:06, Sunday, May 27, 2007 ×


元遊郭の住居、というのはなかなか風情があっていいですね。
奇妙な話には相応しい舞台でもあるし。
ムカデの上に女の首が乗っているという怪異も舞台に相応しいです。
ただし、うーん。
評価には無関係ですが、猫が可哀想だなあ。
書き方が曖昧ではっきりとはしないものの、猫の命が縮められているような感じですね。

名前: 藪蔵人 ¦ 23:41, Monday, May 28, 2007 ×


希少価値2 文章0
ネコが苦手だったのでしょうね。
もう少し異形の物体をおどろおどろしく書いてもよかったんじゃないかと思う。

名前: HEATH ¦ 14:20, Wednesday, May 30, 2007 ×


ロケーションがロケーションだけに、掘ればさらに強烈な話が転がっていそうで、残念である。これは掘り下げ不足といったところか。
怪異の描写が不足していると指摘があるが、闇の中での観察だけにいたしかたなし、とも思える。
猫は嫌いではないが、やはり動物ネタはおどろおどろしいものでないとガツンと来ない。

名前: GPZ ¦ 21:25, Wednesday, May 30, 2007 ×


遊郭にまつわるお話は、どことなく怖いものが多くで困ります。
このお話なんかも不可思議さと言う点では結構いけてると思います。長年彷徨い続けて半妖怪化してしまった女郎の幽霊なのかは分かりませんが、稀有な目撃談ではないのでしょうか?
猫ネタに関してもひとひねりあり。ただタイトルに『生きた〜』のくだりを入れなくとも成り立つお話ですから、省いてもよかったかもなーと。
別に減点とかの対象にはしておりません。
なかなか興味深いお話でした。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 23:40, Wednesday, May 30, 2007 ×



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