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ぎっしり
昔、牟田さんが観光バスの運転手をしていた時の話。
ある年の夏。
観光旅行の、その日宿泊する旅館に着くと、牟田さんともう一人の同僚は自分たちの部屋に案内された。
その部屋は宿泊客用に使われている部屋ではない、六畳程の小さな部屋だった。
が、運転手や添乗員がその様な部屋をあてがわれるのはいつもの事で、牟田さんたちは気にもせず、疲れているのもあって食事と風呂を済ませると早々と寝てしまった。
深夜。
何時頃かはわからないが、牟田さんはふと目を覚ました。
何やら人の声がしていた。
それも、何人かの人間が口々に話している様な、ざわざわとした声が。
(?)
まだお客が宴会でもしてるのかな、と思った。
そして隣を見れば。
そこに寝ていたはずの同僚の姿が無かった。
それも布団ごと。
「どこ行ったんだ?あいつ?」
まだ半分寝ぼけている頭で牟田さんはつぶやいた。
ざわめく声はまだ続いていた。
それは自分の部屋の押し入れの方から聞こえてきていた。
「……」
牟田さんは押し入れを開けた。
暗い押し入れの中には。
沢山の顔がぎっしりと詰まっていた。
それらは牟田さんを見ると、目をむいた必死の形相で口々に騒ぎたて、手をのばしてきた。
牟田
さんはその場で気を失った。

翌朝、牟田さんは押し入れの前で倒れているところを同僚に起こされた。
同僚は呑気にも牟田さんに
「暑いからって布団からはみ出してあんなところで寝て。寝相悪いんだな」
などと言った。
それに牟田さんは押し入れの中に見たものを話し、お前こそどこに行ってたんだ、と言うと。
同僚もどこかから聞こえてくる声に目を覚まし、うるさかったので布団を廊下に持ち出して廊下で寝た、と言った。
押し入れは開いたままになっていた。
もちろん中には布団しか入っていなかった。
後日会社で他の同僚にもその旅館の部屋の事を聞いたが、何かのいわく等があるのかはわからなかった。
それから牟田さんは路線バス運転手に転職し、後の事は知らないという。








09:44, Tuesday, May 22, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(17) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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■講評

同僚だって実は怖かったから部屋の外に出たんでしょうと追求したくなる。
「沢山の顔がぎっしりと詰まっていた。それらは牟田さんを見ると、目をむいた必死の形相で口々に騒ぎたて、手をのばしてきた。」というのが絵的にとても怖い。
文章としては、体言止めの多いことや、「声が。」「見れば。」「布団ごと。」等途中で打ち切った文章が多用されているのには感心できない。多すぎるとうんざりする。

名前: くりちゃん ¦ 10:11, Tuesday, May 22, 2007 ×


まだまだ書きなれていない印象の文章。
また、顔がぎっしりの様(表情などはおいておいて)は想像付くのだが、そのぎっしりの中から伸びてくる手の描写が全く想像付かない。
私の想像力の貧困さに問題があるのは確かだが、顔がぎっしりからは、やはり「顔のみ」がぎっしり「隙間なく」詰まっているように見受けられるので、手が出てくるスペースや、それに関わる体の収まりどころも全くわからない。
顔に関しても、「目をむいた必死の形相」だけでなく、それぞれは同じ顔なのか違う顔なのか、老若男女なのか、腐りかけてるのやありえないようなものは居なかったか、などの描写は欲しかったところ。
この怪異の肝は、押入れの中にいるモノたちだと思うのです。
ちょっと前のものの講評内にも書いたのですが、ビジュアル系の怪異の場合、そこの描写をしっかり書き込んでもらえれば、恐怖の度合いが全く違うものになります。
文章の構築や表現の甘さは目立ちますが、まずは怪異を描写する事に気を使ってみてもらえると、読み手は怪異を楽しむ事が出来ますので。
内容+1 文章0

名前: cross2M ¦ 14:16, Tuesday, May 22, 2007 ×


極論をすれば、押入れにぎっしりと詰まった顔の目撃談。
怖さの肝とすれば、それを強調する、どんな顔だったか描写する、謂れや宿の雰囲気を語る、といったところではないだろうか。
残念ながら書かれている文章の多くは怖さにつながっていないと思うし、怪異を想像させる余韻も感じられないと思う。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 14:39, Tuesday, May 22, 2007 ×


う〜ん、なぜか読みづらい。
文章が硬いんですね。
それと全部同じ調子で書かれているので
盛り上がりに欠けているようです。

寝ていたはずの同僚が布団ごと消えたとあったので
驚きましたが廊下で寝ていたとはw
押し入れは異空間と繋がっていたのか、そこに住まう
人々なのかわかりませんが、ぎっしり詰まった顔というのは
怖いです。が、昔の人なのか男か女かとかはまったく
覚えていなかったのでしょうか。このへんの描写があると
もつと読み手に怖さのイメージが伝わったかもしれません。

名前: 桜子 ¦ 15:31, Tuesday, May 22, 2007 ×


話は普通。ただ他の人も触れられていますが、文章があまりにも読みづらいです。
プラスマイナス0かな。

名前: %uC28E散歩者 ¦ 15:37, Tuesday, May 22, 2007 ×


内容:1 文章:0

とんでもなく怖い話しですが、押入れから声がした時点で、先が読めてしまいました。
あと顔たちの描写が、あっさりとしすぎて怖さが損なわれてしまってますね。
惜しいと思います。

名前: ダウン ¦ 21:34, Tuesday, May 22, 2007 ×


ここにまた一人、怪異に出逢って転職した人が‥‥。
〆の文章として何か一言書きたい気持ちはわかるが、今までの講評でもさんざん突っ込まれていることだし、転職したかどうかは書かない方がよかったのでは。

怪異自体はなかなか怖いと思うが、描写があっさりしすぎているのが残念。その顔は、全部同じ顔だったのか違う顔か、老若男女どういう顔か、まともだったのか崩れていたのか、などをちゃんと描写してほしかった。

名前: ナルミ ¦ 01:00, Wednesday, May 23, 2007 ×


同僚の方が消えていたことが、私の中で良くも悪くも作用してしまいました。

まさか布団ごと押入れの中に連れ込まれた?などと勝手に想像していたので、裏切られてちょっと驚いたw
でも2行で終わっちゃいましたね(´・ω・`)
たくさんの顔の様子は?腕はどんな腕だった?腕もたくさんだったのか?と、「?」だらけのままで何だかなぁ、とorz
ぎっしりの顔と腕しかないってめちゃめちゃ気味悪いですよ。詳しかったらもっと怖かったに違いないです。

同僚の方はうるさかったので廊下で〜なんてとぼけてますが、廊下に出て初めて、声が部屋の中でしていたことを確信すると思うんです。部屋に戻ることもできずに廊下で眠るのも、それはそれで怖かったでしょうね。

名前: 13 ¦ 13:27, Wednesday, May 23, 2007 ×


押入れにぎっしりの顔とは恐ろしい。いったいどんな顔だったのでしょうか?男?女?
おもしろさはあるのですが、最後に気を失うというのが普通のパターンかなと思いました。
文章技術評価0 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 21:35, Wednesday, May 23, 2007 ×


文章:0 怪異:2
押し入れに、というのはパターンですが。
押し入れを開けたら目の前に人がぎっしり、というのはやはり気絶するくらい怖いと思う。
廊下に寝た同僚さんも
"なんだか変だ"
と思ったから部屋から出たんでしょうね。


名前: コウ ¦ 11:44, Friday, May 25, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■■□□□(+1)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 個人的には恐怖のツボである「ぎっしりと詰まった怪異」であるが、怪異そのものの描写が絶対的に不足している。
 正直「たくさんの顔」だけでは怪異についての具体的なイメージが全く沸いてこなかった。
 男なのか女なのか、こどもなのか若者なのか年寄りなのか。
 一番盛り上がるはずの怪異との遭遇場面で、読み手の想像を停止させてしまうのはかなり痛い。
 顔で埋め尽くされたはずの押入れから手が出てきてしまう展開もいただけない。
 結局のところ、「顔が詰まっていた」わけではなく「人が詰まっていた」のではないのだろうか。
 当事者の周辺情報を固めるよりも、肝心の怪異を充実させて欲しかった。

名前: 空 ¦ 12:19, Friday, May 25, 2007 ×


ぎっしり詰まった点をもっと強調したほうがよかった気がする。
ほう一歩といった感じでしょうか。

名前: 黒ムク ¦ 13:28, Friday, May 25, 2007 ×


素材・0 文章・0
ぎっしり詰まった顔というのは、ビジュアル的に素晴らしい。
が、惜しむらくは、それを書ききれていない。

名前: つくね乱蔵 ¦ 03:09, Sunday, May 27, 2007 ×


怪異が埋もれてしまった。聞いた話をすべて書こうとして、力点が殺がれた感じです。

名前: ペペ ¦ 16:52, Sunday, May 27, 2007 ×


押入れの中にぎっしりというのは、なかなか魅力的な怪異だと思うのですが。
その魅力をどうも生かしきれていない残念な作品です。
牟田さんの同僚も「うるさかった」以上に何か感じたから廊下で寝たのだと思うのですが。
そこら辺をもう少し突っ込んで欲しかった気もします。

名前: 藪蔵人 ¦ 23:39, Monday, May 28, 2007 ×


「ここ、出るからいやだなあ」と言った某観光会社のバスガイドさんを思い出します。
「えっ、どんな?」と思わず習性で聞いてみましたが「ダメです。禁止されてますから」とさらり。
ああ、もったいない(笑)
ぎっしりは、あるじぇんとあんどろめろのシーンが勝手に脳内補填を(ry
「うるさかったので布団を廊下に持ち出して廊下で寝た」のくだりに痺れました。
こういうのって早く気付いた者勝なんですよね。
映画でも、空気読めない人が真っ先にやられてますしね。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 01:32, Wednesday, May 30, 2007 ×


たくさんの顔が詰まっていた、という点はインパクト十分ではあるが、どんな顔だったのか、表情は、などの描写が欲しかった。
声の大きさにしても、どれくらいの大きさだったのだろう。同僚が廊下で寝ることができたことから、さほど大きな音量でないことはわかるのだが。
文章を簡潔にすることで読みやすくはなったが、付随する必要な情報までも省いてしまったように感じられる。

名前: GPZ ¦ 20:56, Wednesday, May 30, 2007 ×



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