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学校の池
 梢さんが小学校六年生の時の体験

 ある夜、梢さんは学校に縦笛を忘れたことに気がついた。
 明日は音楽の時間にテストがあるから、その練習のためにどうしても笛が必要だった。
 そこで仕方なく夜の学校へ笛を取りに行くことにした。

 用務員のおじさんに事情を話して校内に入れてもらうと、急いで二階にある自分の教室に向かう。
 梢さんは照明もつけずに自分の机から笛を取り出し、早く帰るために急いで教室を出ようとした。
 「あれ?」
 教室の窓のからは、校庭の隅ある池がよく見下ろせる。
 梢さんは池に誰かいるのに気がついた。
 しかも二人。

 気になった梢さんは、それが誰なのかあるよく見るために窓に近寄った。
 池を囲む低木の間にある小さな照明のおかげで、それらははっきりと確認できた。

 一人は校長先生だった。
 温厚で生徒から人気のある先生である。
 その先生が手を後ろで組み、ニヤニヤと笑っている。
 いつもの校長先生には無い、嫌らしい笑みだ。
 校長先生の隣でしゃがんみ、モゾモゾと動いているもう一人を見た時、梢さんは息を飲んだ。
 
 全身が真っ白。
 白いタイツなどを着ているのではない。
 体格はニホンザルよりも少し大きい程度。
 そいつは全身が白く、皮膚の表面が卵のようにつるつると光っているのだ。
 顔はまさに卵のように楕円形で、目や鼻や、耳といったものが一切無い。
 ただ口だけが顔の半分を占めるくらい大きく、その中にはたくさんの鋭い歯が光っているのをはっきりと確認できた。

 そいつは校長の隣で、池のコイを大きな口でバリバリと貪っていた。
 コイの骨まで喰うと、池に手を突っ込んで新たなコイを捕まえてはまた喰い始める。
 校長はそいつのそんな姿を眺めながら、嫌らしい笑みをずっと浮かべていた。

 「先生……、なにやってん?」
 梢さんは何か見てはいけないものを見てしまった気がしたので、早々に帰ることにした。

 翌朝、学校には警察が来る騒ぎになっていた。
 どうやら池で何かが起きたらしい。
 池の周りはブルーのシートで覆われていて見ることが出来ない。
 しかし、シートで覆われる前に池を見た生徒が梢さんのクラスにいた。
 その子の話によると、池の水が真っ白に濁り、コイたちは水面に浮かんで全滅していたという。

 臨時の朝会で校長先生が言うには、「悪い人が悪戯で池に薬を撒き、コイを全滅させた」そうだ。








08:45, Tuesday, May 15, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(15) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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■講評

不可思議だ。
ただ、エイリアンか異次元人の仕業かと思えるほど心霊的な印象がないのがどうにも困った印象。
怖いかというと、そうでもないのは現実離れしているせいか。
喰われて鯉が全滅していたなら、しっくりきていたのでしょうが。

あと序盤におかしな表現が幾つかありましたので気をつけましょう。
素材:+1 文章:0


名前: 夢屋 陣 ¦ 15:02, Tuesday, May 15, 2007 ×


不思議ですね。温厚な校長先生の恐ろしい本性の化身が、その白い人のような正体不明ものだったのでしょうか。文章技術評価0 体験談希少度評価2

名前: ナメコ ¦ 17:56, Tuesday, May 15, 2007 ×


それほど怖くはないが、なかなか興味深い話。心霊というよりも、SFのマッドサイエンティストもののような感じだが。

名前: ナルミ ¦ 01:10, Wednesday, May 16, 2007 ×


校長先生のウラの面を見たような。ただし根拠はこの「梢」さんの体験だけなのだが。
「白いヤツ」は薬品を指していると思ったが、ニヤニヤしながら鯉のもだえる様を見ている姿は恐ろしい。

名前: くりちゃん ¦ 12:34, Wednesday, May 16, 2007 ×


内容:1 文章:0

校長の式神?スタ○ド?それとも、エイリアン?
温厚な校長の闇の面を見てしまった話しでしょうか。
白いヤツの正体はもちろん、目的も知りたいですね。

名前: ダウン ¦ 23:40, Wednesday, May 16, 2007 ×


普通に白いものが、池の鯉を食べたいのなら、夜に普通に忍び込んでもいい訳ですし、わざわざ校長先生が一緒にいるという事は、校長先生の分身のような物か、飼っているのか、飼われているのか…。
白濁した池は、その白い物の体の表面からしみ出した毒素的な物かな?なんて個人的に思ったり。


名前: フジ ¦ 00:32, Thursday, May 17, 2007 ×


むかーしから怪談を読むたびに思っていたのですが、どうして忘れ物をした小学生は夜に一人で学校に行くんでしょう…
何も起きなくても怖いよ、ついてってあげてよお母さんっ(つД`)*。

何このUMA!校長先生のペット?あるいは、校長先生の奥底に潜む黒い何かが形となってry
気味が悪いことと魚採り名人だということ以外は謎。
警察も来ていますから、水が白濁している原因も調査しますよね。そこで未知なるバクテリアでも発見されたらこれはもうw

学校で生き物が大量に死んでいると報道されるもんですが、いつ頃のお話なんでしょうか。
鯉の死滅、警察の登場とリアルすぎるエピソードが現れたので、最後にはつまらないことばかり気になってしまいました;

名前: 13 ¦ 22:53, Thursday, May 17, 2007 ×


素材・−2 文章・−2
いくらなんでも、用務員と校長だけという状況は有り得ないと思うのだが。

他に教諭が居ないぐらい遅い時間なら、
照明も点けずに小学6年の女の子が教室まで行けるのだろうか。
用務員さん、事故が起こらないように
ついて行くのではないだろうか。
そういった点が気になる。
申し訳ないが、この点数です。

名前: つくね乱蔵 ¦ 23:01, Friday, May 18, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 鯉が水面に浮かんで全滅……って、あれ?喰ってたんじゃないの?という疑問はさておき。
 小学生が夜の学校に忘れ物を取りに行くという導入はどうしても「学校の怪談」の域から脱せない感がある。
 怪異に遭遇した際の状況はイメージし易いように思えるのだが、実話怪談に最も必要なリアリティの保持という面では少々配慮が不足しているように感じる。
 唐突にただ「目撃した」だけの怪異は、いかに「実話」として第三者に伝達するかが非常に難儀するところではあり、正にその点において伝える側の力量が問われるところであると思う。
 苦労しますな。ともに頑張りましょう。

名前: 空 ¦ 12:14, Saturday, May 19, 2007 ×


どうも子供時分の都市伝説的な怪談のイメージを拭い切る事が出来ない。
全体を覆うそのテイストのせいで、全く怪異として楽しむことも、入り込むことも出来ない。
事象自体はUMAなのか、校長に憑く何かなのかわからないが、面白いのに、です。
やはり、子供時代の怪談は基本的に不自然な状況が多く、しかもそれに対するフォローも何もない。
今回は綺麗にそれをトレースされていて、正直読んでいて痛々しかった。
内容ー1 文章ー1

名前: cross2M ¦ 03:59, Sunday, May 20, 2007 ×


うーん、珍しい話なのになにか今ひとつ気持ちが盛り上がらないのはなぜでしょう・・・
なんかこう・・・小学生の経験にしては淡々と語られすぎてて現実感がないせいかな?



名前: 梶ゆういち ¦ 23:46, Sunday, May 20, 2007 ×


「学校の怪談」+何だろう。校長の姿を借りた何物かの仕業か?淡々と書いていてわかりやすいが、今いち怖さが足りない。

名前: ペペ ¦ 16:57, Saturday, May 26, 2007 ×


この怪談は評点が難しかったなあ。
というのは梢さんがみたものをどう解釈していくかによって、見方が多様化するのは普通の投げっぱなしでも同じなのですが、問題はその行き先。
正直にベクトルを見失ったと書いて置きます。
梢さんが見たものはやさしい校長先生の「裏の顔」だと思います。ただ、これの描き方が小説的で、実話怪談となるとそこまで一足飛びに持っていくにはすこしムリが生じるような気がしました。
お前の想像力が足りねえよ、という事でしたら罵倒に耐えます(笑)
ピースの足りない印象でした。体験談をもう少し掘り下げて肉付けが欲しかったなあとおもうのが僕の正直な意見でした。
ただ、ここでもやはり怖いのは「生身の人間」かと。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 11:29, Sunday, May 27, 2007 ×


何でしょうかね、この生き物。
校長先生のペットか、はたまた彼に取り憑いた妖怪か何かか。
しかも、鯉が浮かんでいるのが目撃されたようですから、毒でも分泌しているのでしょうか。
うーん、毒を出して鯉を捕まえたのか、それとも体表に毒が含まれているのか。
池の水が真っ白になるほどですからねえ。
でも、全部殺しちゃったらもう食えないじゃん、鯉。
何だか、鯉ヘルペスを思い出させる作品ですね。

名前: 藪蔵人 ¦ 18:38, Sunday, May 27, 2007 ×


生き物の正体も気になるところだが、謎の生物を飼い、餌に池の鯉を与えたことを隠蔽する校長のほうが余程薄気味悪い。
舞台が舞台だけに、学校の七不思議を切り取った話、という気がしないでもない。
鯉の死骸が池に浮いていた記述についてだが、もしかすると白い生物は鯉の魂だけを食ていったのかもしれない。それならば、鯉の死骸が浮いていたことも納得がいく……と、我ながらかなり無理がある推察だと思う。

名前: GPZ ¦ 22:56, Tuesday, May 29, 2007 ×



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