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いる
 Tさんが一人暮らしをしていた頃の話だ。
趣味が音楽鑑賞というTさんは、山のようなCDに囲まれて、常に音楽が流れている部屋でゴロゴロとしているのが大好きだった。
 『ピンポーン』とチャイムが鳴り、出てみると先輩のYさんが立っていた。
「遊びにきた。っていうかCD沢山持っているって聞いたから、借りたいなぁーと思って。」
部屋に入るとYさんはCDの物色を始めた。「すげー。おまえ、店開けるんじゃねぇー。」
Yさんは興奮しながらCDを物色し続ける・・・と、急に黙りだし、「これ位借りてくよ。」
とだけ話し、そそくさと帰って行った。
 (変なYさん)・・・と思ったがその日はすぐに気にしなくなっていた。

次の日、職場に行くとTさんの話しで盛り上がっていた。
「あそこは、絶対いるって。」Yさんがだれかれ構わず話し掛けている。
話の内容はこうだ。
YさんがCDを物色している時に頭を何者かに押された。(気のせいかな)と思った途端、 
更に強い力で頭を押された。それで、怖くなって逃げ帰ったと言うことだ。
Tさんはそんな体験など一度も無かった。だが、話は盛り上がり、Tさんの家はオバケ屋敷とされていた。《面白くねぇー》…Tさんはそれ以上、その話を無視していた。 
      
Tさんが帰宅し、ベッドの上でゴロゴロしていた時、ビデオデッキからテープが飛び出てきた。《えっ、なんで?》と思った途端、照明が二度点滅した。
突如Tさんは猛烈な恐怖感に襲われた。誰かが自分を見ている気がする。
《どこだ、どこだ?》怯えながらも部屋中を目で探した。一つのドアに目が止まった。
《これだ!!》何者かの気配を感じる。
《怖い。だけど、目を離すのはもっと怖い。》5分ぐらい見続けていると、ドアが少し開いた。
『ギーッ』開いた隙間からは暗闇しか見えない。
目を凝らしてよく見てみるとそれはあった。ドアの上部を掴んでいる【手】だった。それも4〜5歳くらいの子供の右手だった。
《目を離しちゃいけない。》《もうそれ以上開くな》色々な事を考えながら必死でそれを見ていた。すると、『ギーッ』とまた開き始めた。
「ワーッ」と叫びながらTさんは布団の中に潜り込んだ。もう限界だった。
布団の中で丸まっていると気配がすぐそこまで近づいて来た。
『フッ…』意識が途切れた。
目が覚めると朝だった…。昨日開いたドアは閉じていた。
ただ、キッチンの収納の扉は全て開いていた。








20:57, Sunday, May 13, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(13) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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■講評

本人に聞こえるように噂をするなんて「Y」さんもカルい。配慮がないというか。
この物の怪は人に語られたために呼ばれたと思って存在を主張するようになったのではないだろうか。
子供の手が現れたというところが意外だった。子供の手というと可愛らしいというイメージがあるので。
文章は、後半擬態語の多いところが気になったが、緊迫感があった。

名前: くりちゃん ¦ 22:06, Sunday, May 13, 2007 ×


今まで何もなかったのに、うわさ話を聞いたとたんに怪異が起きる、というのはなかなか面白い。怪異自体も怖くてよかった。
ただ、もう少し描写を追加してほしいところがある。そのドアはどこに通じるドアだったのか(キッチンかそれ以外の部屋か)。そして、キッチンの収納の扉とは、シンク下か上部の吊り戸棚か。上部の吊り戸棚がすべて開いていたのなら、「ドアの上部に現れた子供の手」との相乗効果でさらに恐怖が強まると思う。

名前: ナルミ ¦ 00:24, Monday, May 14, 2007 ×


たとえば、霊とかって、相手が気がついたと思うと何かしらしてくるというけど、そういうことかな?

名前: ペペ ¦ 04:31, Monday, May 14, 2007 ×


全体的に、どこかで聞いた話で構成されているような印象。
霊感のある人に指摘される、そこから怪異が始まる、扉から覗くモノ、隙間に潜むモノ、目が覚めると朝だった、といった感じで、Tさんの話や見えたのが子供の手といった所はオリジナリティを感じさせますので模倣とは思いませんが新鮮味には欠けるように感じました。御免なさい。
あと、(変なYさん)や『フッ…』などは括弧書きを無理に使わなくともいいように感じました。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 15:29, Monday, May 14, 2007 ×


怪異に遭遇したとたん、気が付くと朝というパターンは多いですね。
いると言われたから、いるような暗示にかかってしまったともとれますが、キッチンの扉がすべて開いていたというのは不思議ですね。文章技術評価0 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 18:06, Tuesday, May 15, 2007 ×


内容:1 文章:0

最初、Yさんが怪異なのかと思ってたら、急展開でした。
Tさんの慌てぶりがくわしく書かれています。
でも、勇気をだしてドアの子供を確認してほしかったですね。
キッチン収納の扉が開いていたというから、幻覚などではないと納得できました。

名前: ダウン ¦ 23:47, Tuesday, May 15, 2007 ×


むしろYさんが連れてきちゃって怪異が始ry
言いふらすYさん、カンジ悪いなあ。Tさんに同情します(´・ω・`)

「一つのドア」という表現で、部屋に複数のドアがあることを匂わせているのですが、間取りもわからないのでどんな様子か想像できませんでしたorz
ドアが閉まっていたかわりにキッチンの扉が全て開いていたのはド○フの香りが。←お若い方が作者だと通じないかもしれませんね、ごめんなさい;

名前: 13 ¦ 21:21, Wednesday, May 16, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 Y氏の来訪により突如として自宅に怪異が発生したということは、やはりY氏が怪異を落していったと考えるのが自然であろう。
 前半部は余分な情報が多分に含まれているように思うのだが、それが妙にリアリティを醸す効果を得ているようにも思う。
 ただ、作品の肝である後半の当事者の描写がどうにも戴けない。
 なにも怪異に遭遇している当事者の心理をなにからなにまで綴る必要もなかろう。
 そのことが逆に白々しく思え、読んでいる側としては逆に客観的な視点で捉えてしまう。
 怪異自体に新鮮味を感じなかったことも付け加える。

名前: 空 ¦ 16:26, Friday, May 18, 2007 ×


素材・1 文章・−1
おそらく、Y氏が培養しちゃったのでしょうな。
ご愁傷様と言うしかありません。
後半部の心理描写は、ややしつこい。

名前: つくね乱蔵 ¦ 10:46, Thursday, May 24, 2007 ×


それまで何も感じなかったものが認識される事によって存在を主張する事はあると思います。
ただ、怪異をいいふらされたことによって「何かがいるかも」と意識の刷り込みが行われたという事と紙一重の部分にあると言い切れないでもありません。
この場合は呼び込んでしまったのかなあ。Yさん性格悪そうだもんな。こういう人いましたよ。膿が破裂するみたいに半年スパンで事故や病気に掛かってた人ですけど、そこから貰ったと考えるとIさんカワイソ。
このYさんの方に、違った怖さを感じます。あんたにはCDかせねえ。
ただ怪異が全般的に特殊な部類に入るものは起きていませんから、怪談としては平凡に終ってしまっているのが残念ではありました。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 09:20, Sunday, May 27, 2007 ×


前大会のあの方を彷彿とさせる表現ですね。
うーん、なんか懐かしい感じ。
それはさておき。
後半の怪異は恐ろしいですね。
先輩の登場と何らかの関連があるのでしょう。
もう少し落ち着いて書かれれば、秀作に仕上がったのではないでしょうか。

名前: 藪蔵人 ¦ 18:23, Sunday, May 27, 2007 ×


前兆も無くこれだけの怪異が突如発生するとは考えづらいので、やはりY先輩が連れて来た霊の仕業、ということになるだろうか。
後半、場面を盛り上げるために心理描写や擬音を多用しているのはいただけない。ポルターガイストなのだから、記述まで騒がしく、というわけでもなかろうが、どうにも興ざめしてしまう。人に聞いた話、という感じがしなくなってくる。
評点には加味しないが、三点リーダの乱用や擬音の多さが気になった。イニシャルも、YとTという似た形の字を使うのは避けたほうがよかったのでは。

名前: GPZ ¦ 20:27, Tuesday, May 29, 2007 ×


状況から見るに、Yさんが連れてきたのではないでしょうか。
ずっと居たなら、些細であれ何かしらあったと思いますし。
そう思うと、連れて来ておいて人んちを化け物屋敷みたいに言いふらすYさんは性質が悪いですな^^;
括弧の応酬にやや疲れましたが、体験者がことのほかびびってることは伝わってきました。
ただ、その怖さを共有できなくて残念です。
部屋の構造などもわかりにくかったのもあって、うまく情景を浮かべる事が出来なかったからな。
なんて思っております。
内容0 文章0

名前: cross2M ¦ 17:32, Thursday, May 31, 2007 ×



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