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ゴツン
 かなりのチェーンスモーカーだった服部さんが大病を患い、全面禁煙の病院に三ヶ月程入院したのをキッカケに10年吸ってたタバコをやめた。
 退院してからもしばらくはタバコをやめていたのだが、ある日ご主人と大ゲンカしてしまった。
イライラを抑えきれなかった服部さんは、とうとうご主人が持っていたタバコに手を出してしまった。
「フゥー…」
久しぶりのタバコに軽く眩暈を覚えながらも、ゆっくりゆっくり味わっていた。
 何となくイライラも収まってきた。
二本・三本……一度吸ったら止まらない。
今まで吸ってなかった分を取り戻すかのごとく、一人寝室でタバコを吸い続けていた。

 《ズキン》
 …頭…右後頭部に痛みが走った。
 《ズキン・ズキン》
 定期的に痛みがくる。
 【あれ?久しぶりのタバコだから、血流でも悪くなってるんだろうか?】
 そう思いながらも、タバコは吸い続けていた。
 頭痛は…おさまらない。

 そこに、別室にいたご主人がトイレに行こうとして服部さんのいる部屋の前を通り過ぎようとした。
「…あ…」
ご主人が驚いた様子で服部さんを凝視した。
服部さんはてっきりタバコを吸っている事をご主人が驚いているのだと思った。
「おい、タバコやめろ。」
ご主人が服部さんをたしなめた。
 ムッとしている服部さんをよそに、ご主人は言った。
「オマエの後ろの写真から《白い手》が伸びてきて、オマエの頭を叩いてるぞ。」
 
後ろには、服部さんが幼い頃に亡くなった父親の写真を置いていた。
聞いてみると、服部さんが痛かった部位と《白い手》が叩いていた場所が同じだった。
「お父さんがタバコやめろって言ってるんだぞ。」
ご主人は言った。

「でも、一度吸ったらもうやめられなくって。結局吸い続けてます。頭痛?いまだに時々ありますよー」
 服部さんは笑ってタバコに火を付けた。
 服部さんのお父さんは酒もタバコもやらない人だった。








07:23, Thursday, May 10, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(13) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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■講評

「お土産」のご夫婦ですね。
怖いというよりも「心霊いい話」系だと思います。

名前: くりちゃん ¦ 08:35, Thursday, May 10, 2007 ×


服部さん、亡くなったお父さんにまで心配かけてはいけませんよ〜。
良い話になってしまって、怖さは感じないですね。
それと辛い言い方をすれば、もう少し文章を短く整理した方が説明っぽくなくて良いかと。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 14:35, Thursday, May 10, 2007 ×


「心霊ちょっといい話」で、なかなか面白かった。

しかし父親は、ご主人の頭は叩いてくれないのか‥‥。ご主人も、服部さんにはやめろと言うくせに自分はやめる気はなさそうだし。まあそんなものか。

名前: ナルミ ¦ 00:29, Friday, May 11, 2007 ×


出た、服部さんだw
奥様のお父さん、心配してくれてるんですよ。
でも、やめられないんですよねえ(´・ω・`)
ちょっと身にしみるお話でした。

内容そのものは「うおお怖ぇ!」「うおお不思議!」までには至らないんですが、服部さんご夫妻のファンになりつつありますw

名前: 13 ¦ 22:17, Saturday, May 12, 2007 ×


内容:1 文章:1

文章が読みやすく、さらにすごく納得いくオチがいいですね。
ありがたいおじいさんです。
服部夫婦、もうレギュラーだ。

名前: ダウン ¦ 04:55, Monday, May 14, 2007 ×


親子の愛情を感じる心温まる作品ですね。そのせいか怪異も怖く感じませんでした。
文章技術評価0 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 20:56, Monday, May 14, 2007 ×


服部夫妻キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
これから、毎日の更新で服部夫妻の話を目にすることになるでしょうかw
いやはや服部夫妻、後発組みなのに最初から居たかのように錯覚してしまうほど、服部服部服部で頭にインプットされています。
orz

さておき、冒頭で10年吸っていたタバコをやめた。と書いてますが、すぐその後でしばらくタバコをやめていた、と出てきて、それやめたってイワネェよと思ってしまいましたよ。
まぁいいのですが、ネタは好きです。
親からすれば、何歳になっても子供は子供なんだなぁ、となんていうかしみじみ思いました。
写真から一生懸命(?)手を伸ばして、痛みを以って伝えたい何か、を奥さん、是非感じて欲しいものです。
珍しい怪異じゃないでしょうか。
内容+1 文章0

名前: cross2M ¦ 16:28, Thursday, May 17, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■■□□□(+1)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 さらに続く服部夫婦怪異譚。
 単作勝負の超-1において、いつの間にか旦那さんが見える人であるという記述が盛り込まれなくなっているのもご愛嬌。
 縁のある怪異が当事者の身を案じ、痛みを伴う形でそれを伝えるというのはなかなか興味深いものがる。
 今作の怪異の内容は恐怖を前面に押し出したものではないので、特に見える人が持つ独特の恐怖麻痺については引っ掛かることもないのであるが、あまりに日常的に、すんなりと怪異を受け入れている話を聞いても、やはり心は動かない。
 話としては決して悪くはないが、あまり高くも評価できない。

名前: 空 ¦ 09:36, Friday, May 18, 2007 ×


素材・−2 文章・0
あぁいかん。講評者としての心構えが成っていないのだが、
服部ネタはもう体が受け付けない。
いかんいかん。

名前: つくね乱蔵 ¦ 11:10, Thursday, May 24, 2007 ×


しゅわっち。
今年の「流行ウワー大賞」は服部さんに決定!
いつの間にかブーイングが引っ込みつつあります(笑)まとめ投稿なのかもしれませんがブーイングを力技で押し切ってしまうのも投稿者としては必要な要素。
もちろんベクトルが正常な方向に向いているという前提の話ですが。
さて、喫煙を悲しむお話はパターンが違いますがケイブンシャ版の「超」怖に掲載されています。そちらは胸を病んで死んだ少女の守護霊でしたけど、うーん、喫煙、世界的には肩身が狭く、シンガポール旅行をしたら吸っていたのは日本人と中国人だけ。
「何で吸うの?あれ毒だよ?」というガイドさんの言葉が耳から離れません。僕の周りにも喫煙者は多いのであんまり大きな事はいえないのですが、「ゴツン」はやっぱり思いやりなのでしょうね。
ヘビースモーカーのお子さんが誕生して数年してから、アトピーやアレルギーなどがひどいのを見たりすると、決して自分ひとりの問題ではないのだという壮大な(?)テーマが含まれているのかどうか。
でも、そんな事考えました。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 10:19, Saturday, May 26, 2007 ×


叱る霊か。ご夫妻、いいコンビネーションだと思います。しかし、そろそろ飽きてきたな。

名前: ペペ ¦ 15:10, Saturday, May 26, 2007 ×


ネタの宝庫ですね、服部さんご夫妻。
亡くなったお父さんからの警告ですか。
怪談としてはあまりにもオーソドックスなモチーフですが。
逆にそこに新鮮味を感じたというか何というか。
ああ、しかしご夫妻にとっては本当に日常なんですねえ。

名前: 藪蔵人 ¦ 17:52, Sunday, May 27, 2007 ×


また服部ご夫妻か……。
怪異としては小粒の部類に入ると思われる。普通なら「ああ、いいお父さんだねえ」となるのだろうが、インパクト不足と感じるのは、私がひねくれ者だからだろうか。
細かい指摘なので評点には加えないが「かなりのチェーンスモーカー」という記述が気になった。かなり吸うからこそのチェーンスモーカーではないのだろうか。

名前: GPZ ¦ 02:16, Tuesday, May 29, 2007 ×



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