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夜行
お盆を間近に控えたある夏の日、妹宅を訪ねた時のこと。

妹の傍らにはすやすやと寝息をたてる子供の姿。悪戯の限りを尽くした小悪魔の表情は欠片もない、寝顔だけ天使を眺めながらの昼下がり。
「この子の身体が弱かったから、っていうのもあるんだけど」
少しのためらい。それから妹は、何時頃帰省するのかとの問いに口を開いた。
孫が可愛い実家の両親は機会があれば泊まっていけと勧めるが、いつも日帰り。
私の記憶でも泊まったのは一度だけであり、何気なくその疑問を口にしたところ、
「本当の理由はね、見ちゃったからなんだよね」
少しだけ困ったような表情を妹は浮かべていた。
「一度、泊まったことがあったでしょ。あの晩、寝ていた子が急に泣き出したの」
まだ幼かったため夜泣きをすることはあったが、何か普段と違うものを感じたという。
「しばらくあやしてね、うとうと始めるんだけど、また急に泣き出す」
その繰り返しは深夜を回るまで続き、ほとほと疲れた頃、気がついた。
泣き出すタイミングが定期的なことに。
そろそろ泣き出すかも、そう感じて我が子を抱きしめる。と、案の定ぐずりだした。
「その時聴こえたの。窓の外から」
ザッザッザッ・・・。砂利を踏む音? 猫にしては、大きい?
窓辺に近づき、そっとカーテンをめくって窓の外を覗く。
ザッザッザッザッザッザッザッ・・・。

ひとり、兵隊がいた。

闇の中、ほの白く姿が浮かび上がる。古めかしい軍服に身を包み、まっすぐに伸ばした両手足を交互に大きく振りながら、家の周りを行進している。
ぐるぅり、・・・ぐるぅり。足音が離れるたびに泣き止み、近づくと泣き出す。
顔だけが闇に沈んで見えないが、いつ窓の中を覗き込むかと怯え、そっと窓辺を離れて子供と一緒に布団を頭からかぶった。
そのまま耳をふさいで、朝をひたすら待ったという。

今年は泊まりに行くつもりだと妹はいう。子供も育ち、とても元気になった。
「夜泣きされたら困るけど。見たのはあの時だけだし、季節が季節だったから」
お盆でご先祖様が、ひ孫(?)に挨拶に来たのかも、と軽く笑顔をみせた。
どうやら気を使ってる、らしい。
私が件の実家の離れに独り寝ていることを知っているのだ。
今夜も。







07:09, Sunday, Apr 29, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(14) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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» [超−1]【−1】夜行 [幽鬼の源から] ×
結論から言うと、この作品も作者の言わずもがなのサービス精神で、せっかくの雰囲気が壊れてしまった。 “お盆=ご先祖の帰還”という実に他愛のない解釈を出されたら、兵隊の霊というあやかしの持つ気味の悪さは完全に消し飛ばされてしまう。 そして一番いけないのは .. ... 続きを読む

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» 【0】夜行 [Forgotten Dreams 「超」1講評から] ×
 <文章>  −1  <体験>  +1   <得点>  0  怪異は子どもと親のコラボレーションによってより緊迫感のある恐怖が感じられた。  しかし、それをその後自ら弱めてしまい、最後は怪談とは関係のない話で締めてしまう。  著者が毎日怪異に遭遇してる .. ... 続きを読む

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» 【 1】 夜行 [hydrogen's blogから] ×
内容: 1文章: 0あんまり軍服着たご先祖様ってなぁ・・・。相当無理のある解釈ですが、それを受けての最後なんでしょう。もっとも「私」は怖いかも知れませんが、僕はそれではあまり怖くはないなぁ。「私」も別に何も見てないようですし。泊まりに来た両親はお気の毒。 ... 続きを読む

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喋ってからホローしても手遅れ。と突っ込みを入れたくなりましたよ。ええ(^^;霊が ... 続きを読む

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■講評

赤子が物の怪の気配を察してぐずる事例はよく聞きますが、お盆=死者の帰省ということでありそうな話だなと。
文章は読みやすかったです。

名前: くりちゃん ¦ 17:41, Sunday, Apr 29, 2007 ×


お盆・死者の帰省・兵隊の行進・ぐずる赤ん坊と、よくあるパターンだけで構成された話。もう少し何か特徴があればよかったのだが。

名前: ナルミ ¦ 21:42, Sunday, Apr 29, 2007 ×


最後で一気に、ありがちなお話だなという印象に。お盆、ご先祖様という言葉が出てくるまでは、私なりに諸々の想像をしていたのですが。
明かさない方が面白いこともあります、難しいですねorz

「ザッザッザッ」では颯爽と早足で歩く姿を、「ぐるぅり」ではのんびりと周回する姿をイメージしました。よくわからなかったです;
それ以外は、現在→回想→現在の流れもわかりやすくてスムーズに読めました。
どちらかというと文章寄りの(+1)です。

名前: 13 ¦ 05:07, Monday, Apr 30, 2007 ×


内容:0 文章:1

お盆という言葉は、出さなくって良かったかもしれませんね。
怪異に派手さは無いですが、きれいな文章で読みやすかったです。

名前: ダウン ¦ 20:52, Monday, Apr 30, 2007 ×


お盆や解釈でイメージが固定されてしまった印象。
幽霊を見たというだけでは、もう辛いかも。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 14:49, Tuesday, May 01, 2007 ×


可もなく不可もなくといった印象。
特に怪異にも文章にも目立った点はない気がする。

名前: 黒ムク ¦ 13:33, Wednesday, May 02, 2007 ×


実家の離れで盆の夏に現れた兵隊さん。
これだけを想像するとなかなかの絵になります。
怖い印象なのか、怖くない印象なのか。
この目撃談のツボはここらで分かれてしまう気がします。
ムリにご先祖様やお盆を出さなくても兵士がうろついていただけでそれなりの怖さは出ると思いますから、アウトラインを匂わせて投げっぱなしにした方がこのお話では効果的だったかもしれません。八月なら終戦記念日もありますからね。
ただ一般的な目撃談としてはこのままでも通じるレベルではあると思うのです。
しみじみとした追想談を主眼として描かれたのでしたら作者さまの狙いは充分成功しているのでは、と思いました。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 22:35, Saturday, May 05, 2007 ×


いきなり出た「ぐるぅり」に吹いてしまった。失敬。
なぜそこで急に「子供に怖い話を聞かせるときの話調」が降って沸いたのかが謎ですorz
直前まで「ザッザッザッザッザッ」て、軽快(?)に歩いてるように書かれているのに、急にそうなったもんだから、思わず吹いてしまいました^^;
さておき、綺麗に書かれた文章に好印象です。
内容自体はありふれているので、まぁ、う〜んと言ったところですが、やや「ん?」と思うところはあるものの、全体としてまとまった、読みやすい文章でないかと。
内容0 文章+1

名前: cross2M ¦ 23:41, Tuesday, May 08, 2007 ×


兵隊さんの幽霊はもうスタンダードですね。
感受性の強い子供は霊を敏感に感じ取るのでしょうね。
文章技術評価0 体験談希少度評価0

名前: ナメコ ¦ 17:13, Tuesday, May 15, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 「お盆」「先祖」というキーワードが作中に用いられることで、大抵の怪異は許容されてしまう傾向がある。
 この作品も怪異自体に特段目新しさが見られず、結局怪異そのものがその許容の範囲内で収まってしまった感がある。
 一般的な怖い話としては巧く纏まっているように思うが、後半戦でやはり「見た」だけの話ではなかなか恐怖にも繋がり辛く高くは評価できない。

名前: 空 ¦ 08:24, Friday, May 18, 2007 ×


序盤、文章に引っかかりを感じ、なじめなかった。語り口調も何か堅苦しい感じがする。

名前: ペペ ¦ 11:17, Friday, May 25, 2007 ×


お盆、の記述がなければ、子供の頃からずっと出続けていたのに気付かなかったのかも。
とか、色々想像の余地もありますが。
うーん、残念だなあ。
「この子の身体が弱かったから〜」の前後、少し文章が分かり辛く混乱しました。

名前: 藪蔵人 ¦ 23:13, Saturday, May 26, 2007 ×


素材・1 文章・−2
前半部分のもたつきが後々まで尾を引いてしまった。
怪異そのものも小粒な為、あまり印象に残らない話になってしまった。

名前: つくね乱蔵 ¦ 22:21, Wednesday, May 30, 2007 ×


可もなく不可もなく、といった印象である。
最後に「ご先祖様」というキーワードを出したことで、恐怖はかなり薄れてしまう。
「ちょっと怖い話」の域を超えるまでには至っていないと見る。

名前: GPZ ¦ 18:21, Thursday, May 31, 2007 ×



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