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見学
 はためくのぼり旗。
 真新しい家々が立ち並んでいる。
 所謂モデルルーム、住宅展示会というやつだ。
 その中でもひときわ目を惹く二階建ての家。
 太陽の光をさんさんと浴び、日当たりも良好そうだ。
「この家素敵」と彼女は吐息と共に口にする。
 見学してみるか? という夫の問に二つ返事で答えた。
 
 モデルルームを案内する社員だろう。
 玄関前に建てられた簡易テントの中の中年女性と目が合う。
 御案内致します、とにこやかな笑顔について中に入る。
 広いキッチンにリビング。
 テーブルはここ、カーテンの色は……脳内で妄想が膨らむ。
 こういう時が一番楽しい時間だ。
 ふと、2階に上がる階段が目に止まる。
「やっぱりいいなあ」
 実家は平屋だったから階段に憧れていた。
 階段の登り口まで行ってみる。
 ふと見上げた階段の半ば。
 黒く細長い物が蠢いている。
(まさか……蛇?)
 いやきっと影か何かの映り込みだろうと、首を振る。
 しかし、違和感を覚えもう一度目を凝らす。
 蛇ではなかった。が、やはり何かある。
 その黒く細長い物を目で追う。
 階段を登りきったその場所に、ひときわ大きな黒い塊。
 細長い物は、その塊から這い出して来ている様だった。
 眺めている内に、それが何なのかが、わかった。
 ここから出よう。
 リビングに居た夫を引っ張り、案内の女性への挨拶もそこそこに玄関に向かう。
 どうしたんだよ、と夫が訊くが構わず外に飛び出す。
 モデルルームから離れたところで、あきれ顔の夫に彼女は説明した。
「階段の上にね、顔があったの」
 自分の背丈程もある女性の顔が、ごろんと転がっていた。
 黒く豊かな髪の毛が、細い束となって長く階段に垂れ下がっている。
 呆然としていると、ゆっくりと瞳が開かれた。
 その威圧的な眼差しは、自分に向けられていた。
 大きいこと。首だけということ。
 それ以外は普通の女性と大差なかった。
 とはいえ――。

 数年後、偶然あのモデルルームを通りかかった。
 あの頃より新しい家も増え、辺りは大分様変わりしている。
 殆どの家は買い取られたのだろう。洗濯物がはためき、子供の声があちらこちらから響いている。
 あの家もあった――首だけの女性のいた、二階建ての家も。
 ただ、その家の前には〈売家〉の看板が立て掛けられていた。







05:14, Friday, Apr 20, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(16) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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■講評

文章はかなりうまいと思う。
話の進め方、表現全てに玄人のにおいを感じる。
ただ、うますぎる書き方ゆえに、ドキッとする感じなんともいえない怖さを感じにくかった。
おしい・・・

名前: 黒ムク ¦ 12:08, Friday, Apr 20, 2007 ×


結構読ませるんですが、そうして内容も恐ろしいのですが、何だか怖く感じませんでした。
文章も適度に区切ってあって読みやすかったのですが。
どうしてでしょう。

名前: くりちゃん ¦ 14:34, Friday, Apr 20, 2007 ×


文章や文の繋ぎ方に所々違和感を覚えた。

怖い話というより、何かの小説を読んでいるような気分。
ネタは怖いけれど、それを盛り上げる部分がないので、怖くは感じなかった。

名前: S ¦ 18:56, Friday, Apr 20, 2007 ×


怪異自体はけっこう怖いのだが、どうにも話に入り込めなかった。
文章は「彼女」の視点で書かれているのに、怪異に遭遇した時点では具体的な描写がなく、ただ怖がっているだけ。モデルルーム(一戸建ての場合はモデルハウスと言うべきだが)を出て、夫と話しているときにやっと具体的な怪異の内容が語られる。怪異の描写と恐怖の描写が分裂しているために怖さも分裂してしまったようだ。

名前: ナルミ ¦ 00:24, Saturday, Apr 21, 2007 ×


内容:0 文章:1

大きい女の首、というところが興味がわきます。
不気味な話で、最後も納得いくオチでしたが、女の首の描写がもっとほしかったです。

名前: ダウン ¦ 17:09, Sunday, Apr 22, 2007 ×


誰の視点から書かれているのか、時折戸惑った。基本、妻のようだが第三者からの書き方にもなっているようで。
大きな女の首という怪異よりも、誰も買い手がつかない家、という方向に力点が置かれたような感じで、怖さが感じづらかったのが残念。
投げっぱなしを嫌ったのかな?
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 13:20, Monday, Apr 23, 2007 ×


無駄なく書かれていてスッキリしてますね。
怪談に垂れていたのが髪だった、とわかったところでゾッとさせられました。
身長と同じくらいの顔って、どんだけデカいんだ;

「階段を登りきったその場所に」とあるのですが、奥様が二階まであがったのか、そこに顔があったんですよというだけなのか。あとの奥様のお話からして後者だとは思うのですが混乱しました。
二階にあがっていないとなると、自分の身長ほどの大きさだと確認できるのかなあ、とも。全身像は確認できないんじゃないでしょうか;
その辺が気になってしまって、素直に楽しめませんでしたorz

名前: 13 ¦ 13:36, Wednesday, Apr 25, 2007 ×


文章は上手いです。
ですが、肝心な怪異を楽しむことが出来たかというとノーです。
怪異の遭遇と正体を明かすまでの間に萎えてしまった。
文章がどれだけ上手くても、怪異をうまく処理できていない例か。
純粋に文章の巧みさ(怪異としてではなく)のみ加点評価。
内容0 文章+1

名前: cross2M ¦ 04:22, Friday, Apr 27, 2007 ×


自分の背丈ほどもある大きな女の首はどうしてモデルルームに住み着いているのだろう?〈売家〉というふうになっていたのは、やはりその女のせいだろうか?最初は影とか見間違いかと思いながら、徐々に女の首だと確かめる所はよく状況がわかりました。文章力がありますね。しかし階段にそんなものがいたら邪魔で暮らしにくいでしょうね。
文章技術評価0 体験談希少度評価2

名前: ナメコ ¦ 17:01, Friday, May 04, 2007 ×


トントンと滑らかに進んでいくストーリー。
玄人はだしの筆運び。
怪異も結構怖い。
でもなぜか、実話怪談というよりは怪奇掌編を読んでいる気分になってしまうのはなぜなんでしょう?
あまりにも理路整然と、起承転結が行われているからかも知れません。
うーん感覚的なものですけど、書き手の方の体温が上手くお話とシンクロしていないとしか説明出来ないんですが〜。
お話全体のムードに、どこか「整形美人」に似た印象が付き纏ってしまいまして、生身の怖さを感じさせないものがあるんですね。
偉そうなことばかり並べてすみません。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 01:48, Monday, May 07, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■■■□□(+2)…a
構成;■■■■■■■□□(+2)…b
怪異;■■■■■■■□□(+2)…c
恐怖;■■■■■■□□□(+1)…d
嗜好;■■■■■■■□□(+2)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 細部まで表現が洗練されていて素晴らしい。
 ただし、怪異と遭遇した場面の当事者の視点をイメージし、そこに違和感を感じるのも残念ながら確かではある。
 個人的には現れた怪異は妖怪的なものを頭に思い描いた。
 他の講評者の方の意見を見るとあまり高い評価がついていなくて少々驚いた。
 私は好きな作品なんだけどなぁ。

名前: 空 ¦ 12:50, Wednesday, May 09, 2007 ×


素材・−1 文章・1
巧い。このまま、誰かの掌編として
出版されていても不思議ではない。
ただし、それは実話怪談ではない。

名前: つくね乱蔵 ¦ 14:37, Friday, May 11, 2007 ×


買い手の付かない住宅、新築なのに出る頭部、土地に付いているのでしょうかね。
大きな頭の向こうに、大きさの比較対象になるものが無さそうなので、ひょっとしたら見た方よりも大きかったかも知れませんよね。

あのままいたら、ゴロリと階段から転がり落ちて来たりして。
その後はどうなっていたんでしょうね。

名前: フジ ¦ 23:07, Tuesday, May 22, 2007 ×


文章はうまいと思いますが、どうも抵抗感がある。女性が主であるのに、文章は男性的な感じがする。「顔」も引っ張りすぎ。

名前: ペペ ¦ 13:01, Thursday, May 24, 2007 ×


最初の段落が微妙な三人称で語られているために、
(「彼女」、は三人称「夫」は一人称な感じ)
次から始まる段落が誰の視点なのか、夫が登場するまで分からなかった。
そして、せっかくの怪異の表現を先延ばししたがために、臨場感を損なっている。

名前: 藪蔵人 ¦ 14:46, Saturday, May 26, 2007 ×


提示された怪異は強い印象を残しているが、家に棲みついているという点を踏まえたうえで読み進めたとき、オチの段階で
「ああ、やっぱりそうなるか」
と、予定調和のように感じられた。

名前: GPZ ¦ 20:17, Thursday, May 31, 2007 ×



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