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カマキリ
 坂本さんは、社員旅行で山の中にある隠れ家的存在を売りにした旅館へ泊まりに行った。
 夜、宴会が終わった後、坂本さんは同僚数人と一緒に、酔い覚ましののために旅館の外へ出た。
 山道を当ても無くさ迷っていると、ひっそりとした森の中に古びた神社を見つけた。
 そこには大きくて立派な狛犬が置かれていた。
 酔って気が大きくなった坂本さんは、狛犬にまたがってふざけ始めた。
 「バチあたるぞ〜」などと、同僚も笑いながら囃したてる。
 調子にのった坂本さんは、またがりながら、狛犬の頭をパチパチと叩き始める始末だった。

 旅館に帰って寝ると坂本さんは、真っ赤で巨大なカマキリに襲われるという内容の夢をみた。
 何度もカマキリの鎌で切りつけられ、それを坂本さんが必死になって手で払いのけようとするという内容だった。
 朝、汗をびっしょりかいて起きると左手の甲に痛みがある。
 甲が数センチにわたってぱっくりと切れていた。
 にもかかわらず、ほとんど出血していなかった。
 同僚達が騒ぎたてたので、旅館に応急処置をしてもらい、すぐに地元の病院に行った。
 
「なんか事件じゃないの?」
 医者にはそう言われるほど、ひどい傷だった。
 手に包帯を巻くはめになった坂本さんの社員旅行は、つまらないものになってしまった。

 坂本さんが家に帰ると、4歳になる息子が左手に包帯をしていた。
 奥さんに聞いてみると、一人で遊びに行って手の甲を軽く切ってしまったのだという。
 「どうやって切ったの?って聞いたら、赤いカマキリに切られたって言い張るのよ。いくらいくらカマキリでもそこまで切れないでしょ、っていうくらい、キレイな切り口なのに」
「まさか……」
 動揺した坂本さんが息子に問いただすと、確かに駐車場の隅にある草むらの中で、赤いカマキリが飛び掛ってきたのだと言う。
 そして息子の左甲をサクッと鎌で切りつけると、すぐに草むらの中へ逃げたそうだ。
 次の日に息子と病院に行った時、息子の傷と坂本さんの傷の箇所はほとんど同じだった。

 その後すぐ、田舎にいる坂本さんの父親が野良仕事中、ホームレスっぽい男に襲われて怪我をしたという連絡がきた。
 畑のものを無断で持っていくので、注意したら逆ギレされたのだらしい。
 幸い傷は浅かったが、切りつけた男は逃げてしまった。
 父親が切られたのは左手の甲。
 男が犯行に使ったのは、赤錆びた鎌だったという。
 「親父の傷の箇所も、俺とほとんど同じでした」
 坂本さんは左手の赤い縫い痕を摩りながら、最後にそう言った。








12:45, Sunday, Apr 15, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(15) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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カマと神社と左手の因果関係は分からないのですがこれは怖い。偶然がこうも続くと体験 ... 続きを読む

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» [超−1]【+1】カマキリ [幽鬼の源から] ×
偶然の一致と思える怪事に出くわすと、人間はそれらを結びつける原因をどうしても探し出してしまう。 その心理は別に悪いとは言わないし、それが誰もが納得しうるだけの原因であれば、それはそれで人智を超えた存在のなせる業として怪異譚となる条件を持てるだろう。 .. ... 続きを読む

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» 【 2】 カマキリ [hydrogen's blogから] ×
内容: 1文章: 1あらゆる罰当たり行為のなかでも、狛犬にまたがっちゃうのは僕の中ではかなり新しい。酔ってるとはいえこれは凄いです。手に包帯を巻くと社員旅行はつまらなくなるのかどうかはさておき罰三連発は強烈。一つ一つの被害はかわいいものですが、底は知れませ .. ... 続きを読む

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■講評

狛犬さんと赤いカマキリとの関連が弱いような気がする。
「坂本」さん父子が、夢と現実の違いはあるが、同じような赤いカマキリに襲われるところは話の筋としてありそうだが、「坂本」さんのお父さんの件は犯罪被害だし赤錆びた鎌といってもちょっと苦しいような。
大人がよく狛犬さんに乗れましたね。倒れなくてよかったです。

名前: くりちゃん ¦ 18:31, Sunday, Apr 15, 2007 ×


■素材:1 □恐怖:-1 ■リアリティー:1 □文章表現力:-1 = 0点

狛犬にふざけて乗ったことと赤いカマキリとの関連がないのが、怖さを物足りなくさせている。
カマキリを祭った神社だったとか、狛犬に乗るときにカマキリを踏み潰した、とか因縁を感じさせる何かがあったら怖かったと思う。血縁の者が次々に同じ箇所に同じ怪我をしていく、というのは、リアリティーがあって充分怖いだけに残念。

名前: ゆんく ¦ 20:27, Sunday, Apr 15, 2007 ×


カマキリが襲ってくる、というのがどうにも怖いと
思えなかった。

名前: 高田公太 ¦ 21:46, Sunday, Apr 15, 2007 ×


親族が次々と同じ傷を負っていく、というのはなかなか怖い。狛犬とカマキリの繋がりが不明だが、そこが「怪異」の怪異たるゆえんか。

(ググってみたら、ある神社に「カマキリ顔の狛犬」がいるそうだが、これは単に顔が三角形なだけなようで、あまり関係ないか?)

名前: ナルミ ¦ 00:58, Monday, Apr 16, 2007 ×


かまきりと神社のつながりが不明なので、怖さとしては少し感じづらいものがあります。
次々と自分と身内が同じように負傷していくのは偶然とはいえないものを感じますが。
どうしても因果にこれといった決め手がないため、「罰が当たった」と結び付ける方に誘導がある、ように感じてしまいます。
決定的な盛り上がりには、欠けた印象。
あとライトは持っていたのでしょうが、夜に「山道を当ても無くさ迷っていると〜」というのは、いささかオーバーな表現かと感じました。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 13:34, Monday, Apr 16, 2007 ×


内容:1 文章:0

狛犬に無礼をはたらいたから、本人だけでなく、子や親にも罰が及んだのでしょうか?
ただ、そのこととカマキリを関係つける要素がありませんね。
夢や駐車場の赤いカマキリはともかくとして、赤錆びたカマは出来すぎのような……。

名前: ダウン ¦ 22:52, Monday, Apr 16, 2007 ×


素材・0 文章・0
狛犬とカマキリの因縁が見えてこない。 
為に、赤錆びたカマの件は無理矢理こし付けたと
思われても仕方ないのでは。

名前: つくね乱蔵 ¦ 10:41, Tuesday, Apr 17, 2007 ×


後ろへいくにつれて、「あれ、カマキリは?」「つーか狛犬は?」と疑問が;
だんだん関連性が弱くなっていくので、失速しているような気がします。

それでも、三人とも左手の甲を切られていること、続けざまであることから、全く関係がないとも思えません。
全員がはっきりとカマキリを目撃して切りつけられるより、かえって怖いかも。
カマキリは神社からの使いだったのかな。狛犬は動けませんから;

名前: 13 ¦ 20:30, Friday, Apr 20, 2007 ×


赤いカマキリにこだわってしまったのが、この話の失敗点でしょうか。
狛犬とカマキリと赤錆びた鎌には全く因果関係が見られません。
それがなくても十二分に三代に渡る怪異だと読み手は判断できますから。
そこに重きを置いて欲しかった。
文章もまとまっていて、読み易かったし、要は構築の問題ということで。
内容+1 文章0

名前: cross2M ¦ 12:26, Wednesday, Apr 25, 2007 ×


うーん、本当に罰が当たったんでしょうね。狛犬さんを手でたたいたからかな?だから手が裂けるということかな。祟りが起こる怪異としてはわかりやすいですね。
文章技術評価0 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 00:11, Friday, May 04, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■□□□□□(-1)…b
怪異;■■■□□□□□□(-2)…c
恐怖;■■■□□□□□□(-2)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 そもそも、蟷螂の鎌は対象物を切り付ける構造にはなっていないのではないかという不満が先に立つ。
 狛犬、赤い蟷螂、赤錆びた鎌の関連付けも実に危うい。
 ひとつひとつの事象が説得力に乏しく、また現実味を帯びているとも言い難く、構成も安直に思えてならない。

名前: 空 ¦ 12:42, Wednesday, May 09, 2007 ×


因縁系の話としてカマやカマキリの関わる内容のものは初めてでした。
その面では目新しかったです。怪異もほんのり、しかしじんわり。
この神社は農具を祀る神社だったのかな?
そういうお社を資料で見た事があります。カマキリは神使だったのかも知れませんね。
ただ、もう少し視点を変えた描き方をしていただければばっちりだったのではと思います。
怪談のムードは充分備えていましたから。
昔カマキリの卵持ち帰って親にビンタされたトラウマを思い出しました(笑)
孵化して、味噌汁に入ってまして…。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 00:30, Sunday, May 13, 2007 ×


狛犬の件とカマキリの件は関連性があるのかないのか?薄いと考えるのだが、では、この親子3代の怪我を唐突に書いても、なんじゃこら?になる。であるならば、狛犬以外の何かか。それはわからない。ならば、狛犬に対する悪さを発端として書くしかない。私は良いと思う。

名前: ペペ ¦ 16:12, Wednesday, May 23, 2007 ×


うーん、カマキリに切り付けられるかあ。
まあ勿論、構造からカマキリの格好の何かなんでしょうけど。
赤で彩られた怪異の連続は興味深いですね。
但し個人的には、最後の赤はちょっとやり過ぎかな、と。

名前: 藪蔵人 ¦ 14:25, Saturday, May 26, 2007 ×


狛犬にまたがったことで罰を当てられた話、と読み進めてたが、父親のくだりで分からなくなってしまった。父親を切りつけたのも神罰だったのか、それとも父親に降りかかるアクシデントの予兆だったのか……。

名前: GPZ ¦ 21:04, Thursday, May 31, 2007 ×



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