ニワンゴ「超」怖い話特集ニワンゴから、毎週二回
「超」怖い話をお届けします。

 「超」怖い話 超-1 怪コレクション 「超」怖い話 超-1 怪コレクションVol.2 「超」怖い話 超-1 怪コレクションVol.3
超-1/2006年大会傑作選、好評発売中。

超-1
エントリーblog/2007

公開中の新着エントリー作品
 
 毎日午前中に更新中!

最近の公開作品
【超-1/2008 絶賛講評期間中】

【集計】著者推薦結果を公開しま ..

【集計】訂正

【集計】著者推薦のお願い

【集計】戦績表・作品同定公開

【集計】得点順作品ガイド

【集計】エントリーNo.別講評達成 ..

【集計】講評達成率一覧速報

【集計】作品別ランキング速報

[実行委員会より]講評を締め切り ..

2023年10月
1
2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

公開済み作品
2008年 4月
2007年 6月
2007年 5月
2007年 4月
2007年 3月
2007年 2月

超-1 トップページ
超-1宣言
一般読者/閲覧者の皆様へ

新着エントリー作品を読む
現在公開審査中の応募作一覧
新着情報/主催者からの告知
週刊超-1の配信を希望
週刊超-1バックナンバー
 

応募概要超簡略版
応募方法詳細解説
リライトについて
応募者のためのヒント
応募手順ガイド  縦版
作品応募受付フォーム

審査方法解説
誤字脱字の指摘
 

超-1/2007質疑応答(BBS)
超-1FAQ
超-1/2007【コラム】

データで見る超-1/2007

2006/2007応募加速度比較
 

超‐1/OutFiled
 

c1-2007-mobile.png
http://www.chokowa.com/cho-1/2007/i/

問い合わせ受付フォーム





乳母車
 冬の寒い夜、OLの鳥井さんは、仕事帰りに駅の一番左端で最終電車が来るのを待っていた。
 ホームに居るのは鳥井さん一人。
 彼女は残業のせいで、よく最終電車に乗ることがあるが、一人きりというのは初めてだった。
 夜空に浮かぶ月をながめながら、「珍しいこともあるな〜」などと思っていると、鳥井さんの右側から、カラコロッカラコロッという音が聞こえてきた。
 そちらを見ると、一人の若い女が乳母車を押しながら、鳥井さんの方へやって来る。
 女の顔は真っ青で、寒い冬の夜だというのに、半袖のシャツにジーンズという格好だった。
 「この人まともじゃない……」
 鳥井さんは身構えた。
 カラコロッカラコロッ
 女は鳥井さんの前まで来ると、歩みを止めた。
 ピンク色の乳母車の中には、何も乗っていなかった。
 そして乳母車の取っ手を握ったまま、顔だけを鳥井さんに向けた。
 近くでよく見ると、顔はアザだらけだ。
 女は虚ろな目付で、鳥井さんに向かってブツブツと呟き始めたが、内容はわからない。
 鳥井さんは女と目を合わせないようにして、少しずつ後ろへ後退する。
 ガサッ!
 乳母車から音がした。
 さっきまでなかったものが、そこにあった。

 首が二つ、若い白人の男女のもの。
 それらが鳥井さんの方を向き、並んで乳母車に乗っていた。
 二人の目は、とてつもない恐怖に遭遇した時のように、大きく見開いていた。

 女性はまだ呟きをやめない。
 鳥井さんは逃げ出したかったが、恐怖で動けない。
 さらに気分が悪くなってきて、堪らずその場にしゃがみこんでしまった。
 ガツンッ!
 正面から衝撃を受けて、尻餅をつく。
 女性が乳母車を、しゃがんでいる鳥井さんにぶつけてきた。
 その時、白人達の顔をアップで見てしまい、鳥井さんは気を失った。

 後日、鳥井さんは会社の同僚達の中にも、乳母車の女を見ている者が何人もいることを知った。
 しかし、白人達の首まで見たのは、鳥井さんただ一人だけだったという。








11:33, Saturday, Apr 14, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(16) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

■ Trackback Ping URL 外国のスパマーへのトラップです(本物は下のほうを使ってください)
http://www.chokowa.com/cho-1/2007/entry-blog/trackback.cgi20070414113314

■トラックバック

この記事へのトラックバックURL(こちらが本物):
http://www.chokowa.com/cho-1/2007/entry-blog/blog.cgi/20070414113314

» 【+2】「乳母車」 [DJ ZIRO『超-1 2007』感想ブログから] ×
ピンクの乳母車に首二つ。なんだかシュールで不気味さがアップでした。しかしこの女性 ... 続きを読む

受信: 20:19, Sunday, Apr 15, 2007

» [超−1]【+2】乳母車 [幽鬼の源から] ×
畳みかけるような恐怖の連続で、読みやすい書きぶりと相まって、グイグイと引き込まれるようにして読んでいくことができた。 だが、体験者以外にもあやかしである女を目撃した複数の証言があるという最後のくだりで、一気に面白味が薄れてしまった。 この作品の一番の .. ... 続きを読む

受信: 07:04, Saturday, Apr 21, 2007

» 【−1】乳母車 [Forgotten Dreams 「超」1講評から] ×
 <文章> −1  <体験> 0   <得点> −1  怪異自体はかなり気持ちの悪い代物である。  ただ、描写が曖昧なため本当に怪異である、かどうかがまず疑問である。  音がして乳母車に再度注目したようなので、それが自然に登場したものなのか 女性が入れ .. ... 続きを読む

受信: 14:31, Tuesday, May 22, 2007

» 【 1】 乳母車 [hydrogen's blogから] ×
内容: 2文章: -1怖いのはとりあえず解りました。最近道を歩いていると強烈な人を見かける機会が立て続けにあり、冒頭のヒヤリとする感覚は非常に良く解りました。なんかもう心臓が掴まれるというかなんというか。しかし後半の記述はやや空振り気味。白人の首二つという .. ... 続きを読む

受信: 02:50, Saturday, May 26, 2007

■講評

因果関係が一切わからないところが、恐ろしい。
また、乳母車といえば赤ん坊だが、そこに白人男女の生首が乗っていたなど予想外、攻撃してくる若い女もいやらしい。
女のつぶやきが聞き取れたらもっと怖かったかも知れない。
文章も読みやすかった。

名前: くりちゃん ¦ 11:46, Saturday, Apr 14, 2007 ×


文章で表現するのって難しい。
なんで?何?その後どうなった?が先に来て、怖さが薄れてしまった。

■素材:1 □恐怖:0 □リアリティー:0 □文章表現力:0 = 1点

*たびたびの「配点」漏れ。あいすみませぬ。

名前: ゆんく ¦ 22:06, Saturday, Apr 14, 2007 ×


この不条理さが怖い。なかなか面白かった。

(しかし、会社の同僚たちはこの乳母車の女をどう解釈しているのだろうか。白人男女の生首がなければ、単なる「変な人」であって「怪異」ではないと思うはずだが)

名前: ナルミ ¦ 00:04, Sunday, Apr 15, 2007 ×


まず、ごめんなさい。
「乳母車」で、籐の大きなバスケットに車輪がついたアレだと思っていたのですが、途中の「ピンク色」で、あれ?どこがピンク色?もしかして縦長のベビーカー?と、女が押しているのがどんな物なのか想像できなくなってしまいましたorz
こんなことで悩む人は少ないでしょうから、軽く聞き流して下さい;

ここからが本題ということで。
乳母車の女性は、鳥井さんも言うように「まともじゃない人」のような気も。幽霊と思える記述がないうえで目撃談も多いとされると、余計にそう思えてしまいます。駅ってヘンな人多いですから;

白人の首ふたつは怖い!いきなり現れるとはこれまた…。
ただこちらも、目が大きく開いていた以外の情報がないのが残念。アップで見た鳥井さんが気を失うほどの気味悪さが伝わってきませんでした。
それらも書かれていたら、かなり怖い話になると思いますよ。読みやすかったので、きっと長さも気になりません。

名前: 13 ¦ 00:36, Sunday, Apr 15, 2007 ×


まさに三途の川の乳母車ですね。
キチガイ女+白人の首二つというネタは魅力的に感じました。もっとねちっこい雰囲気が文章から出てれば最高です。

名前: 高田公太 ¦ 22:06, Sunday, Apr 15, 2007 ×


怖いんですが、じわじわと迫ってくるほどのものは感じなかったかな。
鳥井さんの見たことを中心に展開していますが、恐怖心の描写でもう少し盛り上げて欲しい気がしました。
乳母車の女の目撃談が他にもあるなら、その詳しい内容と鳥井さんの遭遇したものとの違いの情報がもう少し欲しかった。
その違いが物語を盛り上げてくれることになったかもしれませんし。
素材:+2 文章:0


名前: 夢屋 陣 ¦ 12:53, Monday, Apr 16, 2007 ×


内容:1 文章:0

乳母車の女は、もしかしたら生きている人間だったのかもしれない。
まあ、突然首が現れたのだから、まともなモノではないのでしょうが。
最後に同僚の人も見ていると言うのだったら、そこいらの話も詳しく聞いてほしかったです。
書き方によっては、もっと怖くなっていたと思います。

名前: ダウン ¦ 22:39, Monday, Apr 16, 2007 ×


素材・1 文章・0
書き方次第で、大ネタに化ける可能性に満ちた、
書き手としては大変に羨ましい素材。
同僚の話なども総合して、リライトしていただきたい。

名前: つくね乱蔵 ¦ 10:52, Tuesday, Apr 17, 2007 ×


会社の人たちも目撃しているということは、会社近くの駅と判断できる。
鳥井さんが目撃するまで、いままでその話を誰もしなかったのだろうかと思ってしまった。
たくさんの人が目撃しているせいか、たまたまおかしな人を見たという印象をうけてしまう。
文章次第でもっと怖い展開もできた気がする。


名前: 黒ムク ¦ 13:00, Tuesday, Apr 17, 2007 ×


はっきりいいまして、このシチュエーションは怪異でなくとも前フリで、こんな女が目前に迫ってきたらかなり怖いんですけど。
だって、先日もスーパーでこんな人に遭遇しましたし(怖)
うらやましいくらいの不条理怪談で、この駅っていったいどこ?と大変興味をそそってくれます。しかし、そんな寒い夜に最終電車を待っていて乳母車ぶつけられてホームなんかで気絶した鳥居さんは大変気の毒。都会の遭難とは、まさにこのことなのでは。
このお話も、もう少し緩急や間があれば怖さ倍増間違いなしという気がしますので、作者さまの次のお手並みに期待いたします。しかし、白人の首とはこれいかに?
しかも二個。なんとなくマネキン人形の首を入れたイカレ風味の女という、霊というよりは、何となくリアルな狂気の方に色合いが近く感じられてしまう印象が強い作品でした。
それでも充分な怖さは伝わりましたけど(笑)

名前: 矢内 倫吾 ¦ 00:31, Monday, Apr 23, 2007 ×


これは気の触れた生身の女性+生首2つの怪異で解釈はいいのでしょうか?
同僚の方々が目撃されているので、女性自体は生身である可能性が高いかと思います。
で、あればもったいない><
恐怖の演出が気の触れた女性の方に集中していて、怪異たる生首二つの演出が薄すぎる。
間近で見て、「気を失う」ほどの何かがそこにあったはずなのに、それが「目が見開いている」程度で終わらされている。
女性の登場から、そこまでの不気味さをこちらに提供する事が出来てるので、生首に関してはそれを超える筆圧がないとバランスが悪いですね。
肝心の怪異に対する恐怖が伝わってこず、残念です。
内容+1 文章ー1

名前: cross2M ¦ 09:56, Wednesday, Apr 25, 2007 ×


街で見かけた変な人系ですね。私もそういう人が大好きです。乳母車の中を覗いたのは偉いです。若い白人の男女の首が本物で、しかも腐らずにずっとあるのでしょうか?今度は思い切ってその乳母車の女性に話しかけていただきたいです。文章技術評価1 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 23:20, Tuesday, May 01, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;□□□□□□□□□(-4)…c
恐怖;□□□□□□□□□(-4)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 怪異ではないというのが率直な感想である。
 社内にさえこの乳母車の女を目撃している者が多数存在し、社外においても駅利用者の相当数がこの女を認識している可能性が極めて高いものと思われる。つまり、この女は実体、単に精神的に疾患を抱えた人物であることを否定するだけの情報が整っていないのである。。
 この女を怪異の中心に据えた状態で作品が完成されているので、これは怪談と呼べるものではないと評価した。
 男女の首という提示は為されているものの、女について大勢の目撃者が存在するなかで、自分だけそれを見た、と言われても説得力に乏しいように思うのだが。

名前: 空 ¦ 12:40, Wednesday, May 09, 2007 ×


気絶した後、どうなったのか知りたい。ホームに乳母車で入ったのだから、駅員も認識してるんじゃ、あっ、駅員いないか。文章がしっかりしていて読みやすい。

名前: ペペ ¦ 15:49, Wednesday, May 23, 2007 ×


不条理度の高い作品。
しかし、白人男女の首に関して、あまりにも描写があっさりしすぎているのが残念。
穿った見方を誘う、隙がいくつかありますね。
そういう点で損をしている作品ではないでしょうか。

名前: 藪蔵人 ¦ 14:12, Saturday, May 26, 2007 ×


女については、どうにも奇人遭遇譚という感じがしてならない。
TPOをわきまえない格好という点、乳母車をぶつけられたという物的証拠、多くの目撃情報といった材料があるため、女自体をこの世のものではないと断ずることはできない。
乳母車に乗った頭部が無ければ、都市伝説に極めて近い話として終わってしまったのではないだろうか。

名前: GPZ ¦ 02:44, Thursday, May 31, 2007 ×



■講評を書く

名前:
メールアドレス(任意):    
URL(任意):
この情報を登録する
配点:
講評後に配点を変更する場合は、以前の配点(を含む講評)を削除してから新しい配点を行ってください。
配点理由+講評文:
パスワード(必須):

ヒューマンチェック(選択した計算結果を入力):

△ページのトップへ
 

最新集計情報

▲Entry TOP

[超-1情報]
主催者からのお知らせ
最近のコメント講評
矢内 倫吾 on かなしばり

こころママ on 樹海

久遠平太郎 on 1991年

フジ on 小人二題

こころママ on ここにゆうれいいます

最近のトラックバック講評
【-6】白い糸 (hydrogen's blog) «

【+6】婚礼 (2007年超-1・TOMOKI講評) «

【+2】青い部屋 (2007年超-1・TOMOKI講評) «

【 1】 金縛り (hydrogen's blog) «

【 5】 やしろ (hydrogen's blog) «

【 3】 贄 (hydrogen's blog) «

【+5】袖引き (ささいな恐怖のささいな裏側) «

【+2】ぱさりぱさり (2007年超-1・TOMOKI講評) «

【+5】禁域 (2007年超-1・TOMOKI講評) «

携帯で読む
   URLを携帯に送る

 blogパーツ配布中

超-1/2007


■■■

 ◆◆◆

フリーソフトで作るブログ