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「ラブホを改造したアパートの話なんかどう?」 友人の卓也氏がにやりと笑った。 いや、面白いのだが流石にそれは怖い話ではないなぁ。 乾いた微笑いを浮かべた僕に卓也氏は眼鏡の奥の眼を光らせた。 「地元にね、次々と経営者が変わる飲み屋があるんだけどね」 原因は、自殺。動機は健康上の理由やら経営不振で借金を重ねたとか様々だが、数年の間に3人、店内で首を吊ったのだという。 まぁ、よくある話だ。身を乗り出しかけたものの、拍子抜けの表情を僕は浮かべていたのだろう。卓也氏は口元に癖のある笑みを浮かべたまま、指を一本立てた。 「曰くつきの物件を誰が買いたがる? そこで死人が出たのは地元なら皆知ってる。客商売が始めからうまくいくはずがない」 それでも聞かない話ではないしなぁ。僕の生返事に、二本目の指。 「何も首を吊ることはない。しかも、店んなかで」 まるで魅入られたように、か。 垂れ下がったロープが、薄暗い店内で揺れている光景が脳裏に浮かんだ。 彼らは、どんな闇を心に抱え込んでいたのだろうか。 沈黙した僕に、卓也氏は挑むような眼差しを向けた。 「気になるなら今度呑みに行かないか、その店に」 どうやら4人目が、まだ営業中のようだ。 「座敷に上ったら鴨居を見上げてみるといい。さて、何が見えるか」
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» 【+4】「見えるかい?」 [DJ ZIRO『超-1 2007』感想ブログから] × 怪異なことは何も起こっていない。それどころか噂話をしているだけである。にも関らず ... 続きを読む
受信: 15:01, Friday, Apr 13, 2007
» [超−1]【0】見えるかい? [幽鬼の源から] × 怪異なくして怪談を成立させたというべき作品である。 一見ただの与太話の延長のようにも取れるが、読者に対して徐々に恐怖感を植えつけようとする構成はやはりかなり綿密に計算されたものを感じることができる。 この話の内容をおどろおどろしく書いたとしても、多分 .. ... 続きを読む
受信: 08:59, Wednesday, Apr 18, 2007
» 【−1】見えるかい? [Forgotten Dreams 「超」1講評から] × <文章> 0 <体験> −1 <得点> −1 怪異は全く登場していないのだけれど、話としては怖い。 ただ、ここまでではやはり「東京伝説」系の怖い話、と取らざるを得ない。 この話を怪談、とする根拠は「まるで魅入られたように」という一文のみで .. ... 続きを読む
受信: 18:11, Monday, May 21, 2007
» 【 1】 見えるかい? [hydrogen's blogから] × 内容: 1文章: 0これは少し難しい、挑戦的な怪談ですね。とはいえラブホを改造したアパートのほうが気になりますねw怖いかどうか聞いてみないと解らないし。たしかに次から次に経営者が変わる物件って近所にもいくつかありますが揃って店内で首吊ったとなれば、それは只 .. ... 続きを読む
受信: 01:46, Friday, May 25, 2007
■講評
さて何が見えるのだろう?鴨居のキズか、そこで落命した人のホログラムか? 何だか4人目の不幸を待っているような感じがした。物見高い野次馬が見守っているというか。 ラブホを改造したアパートの方にも怖い出来事がありそうな気がして、こちらのお話も聞いてみたいと思う。 |
名前: くりちゃん ¦ 09:12, Thursday, Apr 12, 2007 ×
さて、よく読んでみますとこのお話、作中では怪異が起こっていません。 あくまで「こんな話があるよ」どまり。でも、読んでいる読者の脳裏では、しっかり怪異が起こりつつあります。 小説なんかではよく見かける手法なんですが、なかなかお上手です。こういうのも手としては充分アリではないかと感じます。 よくひとさまからお話を伺うと「〜のようなものが」「〜みたいなものが」という表現をされまして、これは目撃した本人が「そこにそんなものがあるわけは無い!」という理性を保っているからこその表現で、ああ、見たんだなと思う判断のものさしになります。 つまり直接の描写をせず、ちらちらとほのめかすだけで怖さを盛り上げるこのお話には見習う部分がたくさん存在しているのでは、と思わされました。 いや、勉強させていただきましたので、この点数で。 ちなみに僕でしたら、「行く!いく!呑みに行く!そこの空気を知りたい!」などと尻尾を振って出掛けていってしまうんではないかと思ってしまいました(笑) |
名前: 矢内 倫吾 ¦ 10:51, Thursday, Apr 12, 2007 ×
一読して、怪異がない? これ怪談? とはいえ、想像するように書かれてますね。 多少、説明しすぎの感はありますが。 素材:+1 文章:0
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名前: 夢屋 陣 ¦ 13:10, Thursday, Apr 12, 2007 ×
えっこれで終わり? というのが正直な感想。 この話の中では、まだ怪異は起きていない。実際にその店に行ってみて、鴨居に何かを見るか、あるいは「怪異たる証拠」を発見しなければ話は完結しない。導入部としては面白かっただけに残念。
飛び込みの絶えない踏切、事故の多発する交差点、患者の病状が悪化する病室。そういう場所は世の中にいくらでもある。怪異が原因のこともあるだろうし、構造的あるいは心理的な問題、もしくは単なる偶然の場合もあるだろう。そういうものすべてを、さしたる根拠もなく怪異だと断言して騒ぐのは、かえって「本物の怪異」を貶めることになるだろう。 |
名前: ナルミ ¦ 23:38, Thursday, Apr 12, 2007 ×
内容:0 文章:1
え〜、ずるい。 散々、もったいぶって。 何があったか書いてくださいよ〜。 なんか悔しいですが、こういうのもありかな、と思ってしまいました。 |
名前: ダウン ¦ 21:50, Friday, Apr 13, 2007 ×
文章だからそうなんだけど、表現がとても文語調。よほど文章を書き慣れた方なのでは?と思いました。一読して意味がわからず、二度めで意図がわかりました。嫌いじゃないけどずるい。ねえ、続きは?それで、それで?って感じです。
■素材:1 □恐怖:-1 ■リアリティー:1 ■文章表現力:1 = 2点 |
名前: ゆんく ¦ 22:52, Saturday, Apr 14, 2007 ×
えー、何も起きてない! しかもありがちな噂なのに、ちょっと面白かった。なんだこれはw 卓也氏の巧みな話術に引き込まれてしまいました。 何も起きてないけど、ないけど!(±0)としておきますw |
名前: 13 ¦ 23:18, Saturday, Apr 14, 2007 ×
その後の展開を読み手にゆだねるという技が堂々と使われていて、その守りのない姿勢が良いと思います。しかし、私の考えた「その後」が、「京極堂が出てきて謎を明らかにする」だったので怖さは無かったです。ゆだね技は難しいですね。 |
名前: 高田公太 ¦ 22:22, Sunday, Apr 15, 2007 ×
いくつかの候補をあげながら、最後にもって行きたかったのだろうが、実際になにか起きたというわけではない。 だからどうしたといった印象です。 これだとただの噂話を聞いたに過ぎないのでは? |
名前: 黒ムク ¦ 12:21, Tuesday, Apr 17, 2007 ×
ネタがなくても怪談に仕上げられる好例でしょうか。 その力量は怪異とは別の次元で評価に値すると思う。 すし屋で自信満々に出されたネタの乗っていない酢飯だけの一品。 食すると確かにこれは旨い。下手なすし屋のすし然としたすしより遥かに旨い! 舌鼓打ってうなるけど、やっぱりすしとしてお金を払うには抵抗がある。 この方にかかれば、コーラを飲んでげっぷが出る現象すら怪談として語られ、妙に納得してしまうかもしれない。 けど、やはり怪異たるものが欲しい。 文章が稚拙でも何でも怪異のかかれたものが欲しい。 そう思うのはわがままでしょうか? 内容ー3 文章+2 |
名前: cross2M ¦ 17:55, Tuesday, Apr 24, 2007 ×
-4 0 +4 文章;■■■■■■□□□(+1)…a 構成;■■■■■■□□□(+1)…b 怪異;■■■■■□□□□(±0)…c 恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d 嗜好;■■■■■■■□□(+2)…e ※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入) 樹海で人が朽ちる場所というのは大抵定まっているのだという。 「ここの景色を見ながら死にたい」と思う場所は、だいたいの人間が同じなのだという。 座敷から鴨居を見上げた際に目に飛び込む眺め。 それが心に闇を抱えた人びとの目に樹海のそれと同じように映るとしたら。 あちらの世界に誘い込む何かが見えるとしたら。 直接的な怪異はないが、個人的には実に興味深い「怪談」である。 |
名前: 空 ¦ 12:57, Monday, May 07, 2007 ×
首吊りの痕跡を思い浮かべたら、確かにぞっとしました。 何人も同じところで亡くなるとは、因縁がかならずそこにあるとは思います。 しかし、肝心の怪異が単なる憶測の域から出ていないのが残念です。 文章技術評価1 体験談希少度評価0 |
名前: ナメコ ¦ 18:22, Friday, May 11, 2007 ×
ラストの言葉のために、すべてがある作品。「だから?」が「……」に変わる。 |
名前: ペペ ¦ 15:23, Wednesday, May 23, 2007 ×
むむっ。 かなりの手練とお見受けしますが。 って感じですかね。 この場が技術を誇る場というだけだったら4点なんですが。 |
名前: 藪蔵人 ¦ 14:09, Saturday, May 26, 2007 ×
素材・−4 文章・4 この得点配分に全てが表されている。 何も起こっていないのだから、素材としては評価できない。 文章は、これで飯が食べていけるのでは、と思わせるぐらいの巧みさがある。 |
名前: つくね乱蔵 ¦ 18:26, Wednesday, May 30, 2007 ×
思わせぶりな調子のまま終わってしまって、怪談としては不完全燃焼に思える。 というより、何も起きていない。導入部のまま完結してしまった話のように見えてしまう。 文章はこなれているだけに、余計に残念である。 店の中で首を吊ることにも、特に奇妙な点は感じられない。 |
名前: GPZ ¦ 02:20, Thursday, May 31, 2007 ×
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