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OLの美杉さんは、当時いきつけのショット・バーがあった。 落ち着いた店の雰囲気が好きで、よく一人でカクテルを飲みに行ったという。
その晩はバーテンをしている女性と意気投合して、 「仕事が終ったら、うちで呑み直そうよ…」 という事に話がまとまった。 少し離れた駅前のマンションを店が寮として確保していて、バーテンダーの彼女は現在そこに住んでいるというのである。
彼女に案内された場所はオートロック付きのお瀟洒なワンルーム。 しかも最上階の十二階。 ずいぶん気前のいい会社だなと美杉さんは思った。 だが、彼女が明かりを付けた途端、そこが異常な場所だとすぐに理解した。 部屋中の壁一面に、御札が貼られている。 一枚ではない。何十枚である。 「これ何?」 困った顔をしたバーテンの彼女の話によると、この部屋に引っ越してきてからすぐ、金縛りその他の怪異に見舞われるようになったので、仕方なく近くの氏神様から御札を貰ってきたのだという。 だが、それにしては枚数が異常過ぎた。 「ちょっと、これは異常でしょ?ホント大丈夫なの?」 「いや、ホラ、こんぐらい貼っとけばさあ」 少し気味悪くはあったが、終電の時間も回っていてどうしようもない。 それでも、仕入れたつまみを肴に酒盛りを開始しても何か起きる気配も無く、バカ話で盛り上がるうち、二人とも座椅子の上で寝てしまった。
明け方、妙な気配に美杉さんは目を覚ました。 すると。 皿が浮いていた。 彼女らが酒盛りに使用していた『おつまみを載せた皿』である。 ひっ、と悲鳴を上げると、皿は部屋を斜めに一周して元の位置に戻った。
翌朝、彼女にその事を告げると、 「他には?」 と凄まじい剣幕。 思わず頷くと、 「増やさなくちゃな…」と小声で一言。
以来、美杉さんは彼女からのお誘いを丁寧に辞退している。
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受信: 03:45, Thursday, Apr 05, 2007
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受信: 15:26, Thursday, May 17, 2007
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受信: 22:38, Sunday, May 20, 2007
■講評
「増やさなくちゃな…」と小声で一言。のところが好きです。 怖いけど引っ越したくはないという、バーテンをしている女性の人間くささが感じられて。 お札をたくさん貼らなくてはならないほどの、怪異も取材した上で、皿が浮いていた話を読めたらよかったかなと思います。 お札をたくさん貼る時点で、なにが起きるか期待が、大になっていたものですから。 そこのマンションのになにがあったか知りたいですね。 |
名前: 黒ムク ¦ 13:15, Monday, Apr 02, 2007 ×
そんないい部屋を寮として借りているなんて何か変だと思った。 普通そんなに御札が貼ってあると、まず心霊関係よりも宗教的な物を考えてしまうが、我が目で怪異を見てしまったからにはもう確定ですね。 それでも引っ越ししないバーテンダーさん、凄いですね、という感想。 |
名前: くりちゃん ¦ 20:11, Monday, Apr 02, 2007 ×
想像すると、異常ですよね、これ(笑) 知り合いが分譲マンション見に行ったらどうも二階部分が落ち着かなくて裏に回ったらお社の正面を遮っていたちゅう話を聞きました。ここのマンションも何か遮っているんでしょうか?それとも? でも御札って、一枚千円くらいするんだから結構な金額ですよね。何かある都度増やしていってこういう風になったんでしょうけど、住み続けてるのはガッツあります。そして、僕自身も知りたいですよ。こんなに御札をガンガン貼る前には何が起こっていたのか? やっぱり最上階は魅力なんだろうなー。 だけどこんな部屋では、やっぱり飲みたくないですよねえ(笑)つまみやお酒を自然に盛って来てくれるのなら〜いや、やっぱりそれもイヤだな(笑) |
名前: 矢内 倫吾 ¦ 23:10, Monday, Apr 02, 2007 ×
一瞬「東京伝説」と思わせといてはっきりと目に見える怪異が起きてひっくり返されるのがいい。 そのひっくり返される瞬間が簡潔な「皿が浮いていた」という一文でうまく伝えている。 そして「増やさなくちゃな…」という一言がバーテンダーさんの諦めみたいなものが伝わってきますね。 |
名前: 撃墜王の孤独 ¦ 23:16, Monday, Apr 02, 2007 ×
それだけ貼っても何かしらが起こるということは、効き目がないのでは^^; それとも、貼るたびに怪異の種類が推移していってるのか。 てか、わかるが、気持ちはわかるが引っ越さんかい!と。 多分、バーテンダーの彼女はもう根競べに入ってるんでしょうね。 ただねぇ・・・色んな所のお札を貼るのは良くないって言いますからねぇ。 相性もあるとか聞くし。 火に油を注いでるんじゃ>< いや、これ小気味良くまとまってて面白いですね^^ でもでも、これは突っ込むとこの部屋だけで一冊書けるくらい.出てくるんじゃ。 是非是非、そこへ突撃取材&何日か居候させていただいて、面白い話をゲットですYO 内容+1 文章+2 |
名前: cross2M ¦ 23:42, Monday, Apr 02, 2007 ×
面白いのだが、もっと長い話のイントロ部分だけを読まされたような不満足感が残る。美杉さん、その部屋で起こる怪異をなんでもっと詳しく聞いておかなかったのか。残念。 このバーテンの彼女に直接取材できるなら、是非してもらいたい。 |
名前: ナルミ ¦ 00:47, Tuesday, Apr 03, 2007 ×
内容:2 文章:0
こんだけお札を貼っても、怪奇現象が起こるんだとしたら、以前はどんなだった?と想像してしまいます。 ぜひ、それも聞いてほしかったですね。 怖さはあまり感じませんでしたが、珍しい話しでした。 |
名前: ダウン ¦ 23:43, Tuesday, Apr 03, 2007 ×
過去の怪異譚とこれからの怪異譚にぜひ期待したい! あまり御札はベタベタと多く貼るもんじゃないと聞いたことがありますが、この場合やはり効いてないですよね。 バーテンさん、慣れる前に引越しをオススメします。 素材:+1 文章:0
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名前: 夢屋 陣 ¦ 15:28, Wednesday, Apr 04, 2007 ×
登場人物のとぼけぶりが行き過ぎて狂気に近づいてるところに恐怖を感じます。とてもハイレベルですね。 |
名前: 高田公太 ¦ 18:10, Wednesday, Apr 04, 2007 ×
お札まみれの部屋に招待するバーテンさんの方が怖いです。最後の一言も、頭がイッちゃってるみたいで怖い。そんな部屋に住みたくないですorz 貼っても貼っても効かないなら、よそのお札に変えた方がいいんじゃないでしょうか;
「他には?」って、いつもは皿が舞う程度じゃないんでしょうね。またお誘いがあったら、ぜひ確認してきてほしいですw
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名前: 13 ¦ 06:15, Friday, Apr 06, 2007 ×
■素材:1 □恐怖:0 ■リアリティー:1 ■文章表現力:1 = 3点
不条理な現象とそれに慣れきってしまったバーテンダーの女性の狂気が短い文章でよくまとまっている。もしお札を全部はがしてしまったらどんなに恐ろしいことが…!?と読む者が想像力を膨らませて怖がるところまでよく計算されている。 |
名前: ゆんく ¦ 18:35, Sunday, Apr 15, 2007 ×
-4 0 +4 文章;■■■■■□□□□(±0)…a 構成;■■■■■□□□□(±0)…b 怪異;■■■■■□□□□(±0)…c 恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d 嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e ※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)
部屋中に御札が貼られているなど、当事者を取り巻く周辺の情報に比べ、提示された怪異があまりにも小粒。 バーテンの女性の言動からみても、この部屋において皿が宙を飛ぶなどのポルターガイスト現象の他に、それを大きく上回る強烈な怪異が起きていることは明白である。 言わば怪奇譚の序章を読まされた感覚である。 更に一歩踏み込んだところでの取材、作品の提示を期待したい。 |
名前: 空 ¦ 18:44, Saturday, Apr 21, 2007 ×
奇妙な現象が起こるたびにお札の枚数を増やしていくバーデンダーの女性が何かに獲り付かれているようで怖かったです。 文章技術評価0 体験談希少度評価2 |
名前: ナメコ ¦ 01:31, Thursday, May 03, 2007 ×
素材・0 文章・1 そこから先を聞かんかい、と思わず モニターに突っ込んでしまった。 この部屋には、絶対に大ネタが転がっている。 なんなら紹介して欲しいぐらいだ。
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名前: つくね乱蔵 ¦ 22:31, Thursday, May 03, 2007 ×
もっと何かいろいろあるだろうな。それが聞けたら良かったのに……。 |
名前: ペペ ¦ 10:32, Tuesday, May 22, 2007 ×
怖いですが、怖いのは壁一面の御札なんですよね。 期待した分、皿が浮くという事態が期待はずれに終わってしまい残念でした。
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名前: 藪蔵人 ¦ 09:44, Saturday, May 26, 2007 ×
前振りが細かなせいで、怪異部分がやけにあっさりしすぎている印象を受けた。 バーテンダーの様子では、さらに深刻な現象が発生しているように思えるだけに残念である。 >「仕事が終ったら、うちで呑み直そうよ…」 バーテンダーの女性を口説き落とそうとする伊達男」の光景が浮かんできてしまった。 三点リーダひとつで、文章から受ける印象は随分と変わるものである。 |
名前: GPZ ¦ 20:52, Sunday, May 27, 2007 ×
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