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私の中学校時代からの友人である宇野ヒロシ君は、庭先舗装専門の工務店に中卒で就職し、今では会社のナンバー2の座で日々土方に励んでいる。 それを見ていた人が嘔吐したことがある程に飯を食らう、色黒ムキムキのビーフケーキ野郎の彼からは、金銭や女性、酒の席での珍事に関する話題をよく聞かされてはいたのだが、身の回りで怪事があったという話は一度も聞いたことが無かった。 以前、「十五年以上も色んなヒトん家をうろうろしてたら、仕事中に変なことあるんじゃねえの」 と私が尋ねてみたところ、 「いやあ、別にねえよ。妙に邪魔な石とか庭に埋ってたりするけど」 と何の色気もない返事が返ってきたのが記憶に新しい。 そんな宇野君につい先頃、変なことが起こったと言う。 二人で酒でも飲みながら話すかと言っておきながら、彼はそのまま泥酔。前後不覚に陥った彼にうんざりしながらもしぶとく付き合い、ようやくその話を聞けたのは二日酔い覚めやらぬ次の日の昼。 「うちの会社って週一回は社長の家の大広間で仕事明けに飲み会があるのよ。もういい加減みんな飽きてるんだけどもも社長が宴会好きで。ま、俺はここぞとばかりにタダ酒頂くけど」 その日も宴会があり、いつも通りベロンベロンに酔った彼は千鳥足で自宅へ着くなりゴロンと横になり、そのまますぅぅっと寝てしまった。 そして、携帯の音で目が覚めた。 時間は深夜のニ時過ぎ。 着信は母からだった。 「もしもし、なに」 「なにじゃないわよ!何よあの女!あんたの友達だかなんだか知らないけど、もう少し礼儀ってものをちゃんとした方がいいんじゃないの。あたしが怒ってるってはっきり言っておいてちょうだい!」 「え、なに」 「あんたの友達よ!もういい!あたしから話すからすぐかわって!」 こんな時間に電話して礼儀とはなんぞや、と彼はぼんやり思ったが、まったく要領を得ない母を落ち着かせてことの顛末を聞きただした。 母はつい先ほど、アル中と脳卒中(彼曰く中二)で入院中の彼の父が危篤状態に陥ったことを病院から連絡受け、彼にそれを知らせるため電話したが、電話に出たのは若い女性だったというのだ。 「もしもし」 「うん」 「あれ、ヒロシの携帯でしょ」 「え、ああ」 「母ですけどヒロシにかわってくれる」 「うん、え、ああ」 無言。 「早くかわってくれる!」 「あははははははは」 あまりに無神経な女の笑い声に頭に来た母は電話を切り、もしや間違い電話したかと自身の携帯の発信履歴を確認したが、間違いなく息子のものだった。 そしてさきほどの剣幕で再度の電話にあいなった。 「詳しく話聞いてたらまた眠くなったし、なんかややこしいからその晩はクソ親父の危篤もなんもどうでもいいやって感じで適当に返事して寝たのね」 次の日の朝、ああそういえば、と携帯電話の受信履歴を確認すると確かに母と二回通話した記録が残っていた。 父はなんとか危篤状態から脱したとの連絡は仕事中に母から受けた。 「クソ親父の昔の女とかなんとかかねえ。 それともその日舗装したラーメン屋の親父のなんかが憑いてきたとか」 「おまえ自身に心当たりは?」 「ないねえ!」と答える宇野君はどうも昨晩、私の靴を自身の小水でナミナミにしたことを覚えていないようだった。
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» 【+3】「礼儀知らず」 [DJ ZIRO『超-1 2007』感想ブログから] × 面白かった。神も講評も体験者すら恐れぬ爆裂実話怪談(勝手に命名)個人的に大好きで ... 続きを読む
受信: 19:43, Sunday, Apr 01, 2007
» [超−1]【−2】礼儀知らず [幽鬼の源から] × 文章も達者であるし、きちんと描写や説明を活かした展開をしているのだが、如何せんこれでは“怪談”以外の面白味しか味わうことができない。 キャラクターが濃すぎて、怪異の雰囲気が完全に消し飛んでしまっている。 酔っているから記憶が定かではないという部分もあ .. ... 続きを読む
受信: 10:59, Tuesday, Apr 03, 2007
» 【−3】礼儀知らず [Forgotten Dreams 「超」1講評から] × <文章> −1 <体験> +2 <悪乗> −4 <得点> −3 事例としては興味深い話なのに、文体のせいで興ざめも甚だしい。 その部屋の実際の女性がいた可能性もゼロではないけれど、まあそれは良しとして。 怪異が別の人間とちゃんと会話をし、 .. ... 続きを読む
受信: 18:07, Wednesday, May 16, 2007
» 【 2】 礼儀知らず [hydrogen's blogから] × 内容: 1文章: 1「ないねえ!」は良かったなぁ。母の話は十分怖かったのですけどもね、これだけだと仕事中置いておいた携帯に誰かが出たような気もしてきます。ところでビーフケーキ野郎というのはなんでしょう?ピザ野郎みたいなものかな。 ... 続きを読む
受信: 21:52, Sunday, May 20, 2007
■講評
これは怪談なのですか? 単にヒロシ君が酔って女声で 電話にでただけなのではないでしょか? もっと幽霊の可能性しか考えられないように したほうがいいと思います。 |
名前: 高田公太 ¦ 11:07, Sunday, Apr 01, 2007 ×
宇野さん、キャラ強いなあ〜(笑) おかげさまで怪異が負けちゃってますよー。この話の主人公が脅えた女性なら、それなりにまとまったお話として頂けたとは思いますが、電話の向こうの声だけでは、酔っ払って女を連れ込んでいたのを忘れていた、とも取れない面があります。だってラストでは聞き手の靴の「黄金水」のお話も忘れているしー。 でも、もう少し突っ込んだ取材を、と言ってもこの方のキャラからすると「ないねぇ!」なんてケロッと言われてしまうでしょうから、彼の武勇伝は流す程度に描いていた方が無難かなと思います。 でも、宇野さんは、たぶん見えてても何か起こっても気にかけない性格なのかも知れませんね。僕の知り合いにもアクの強い経営者タイプはみなさん「見ない」そうです。 あっても、忙しくて気になんかしていられないからと。 うーん強い(笑)
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名前: 矢内 倫吾 ¦ 13:56, Sunday, Apr 01, 2007 ×
導入部が長い上に、「宇野ヒロシ」君の紹介の描写が度肝を抜くような表現で、怪談話にそれほどディープな描写が必要か疑問。 怪異としては面白かったのだが。
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名前: くりちゃん ¦ 20:33, Sunday, Apr 01, 2007 ×
他人の靴に放尿したり、危篤の父親を放っておいて寝てしまったり、と体験者のキャラクターが強烈すぎて、ただでさえ些細な怪異がまったくかすんでしまった。読み物としてはけっこう面白いのだが。 しかし、酒を飲んだ際の体験者の記憶力を考えると、はたしてこのとおりの「怪異」が本当に起こったのかどうかも疑問に感じてしまう‥‥。 |
名前: ナルミ ¦ 00:24, Monday, Apr 02, 2007 ×
怪異の影が薄くなってしまってますね^^; やはり体験者のアクが強すぎるが故でしょうか。 思うに、ヒアリングしたままを書き起こしてしまうと、全体として薄味になってしまうが故の味付けではないかと思うのですが、出汁よりも後で入れた醤油の方が勝ってしまって、醤油臭いイメージか。 文章もうまく、読んでいて面白かったのだが、こと怪談として面白かったか?と問われると、否ですね。 この男性の話としては面白く読めました。 本末転倒かな>< もったいないと感じましたね。 この面白さが怪異部分に生かされることに期待です。 内容0 文章+1 |
名前: cross2M ¦ 18:27, Monday, Apr 02, 2007 ×
内容:1 文章:0
ヒロシくん、面白すぎ。 これは怪談だったんだ、読んだ後でと思わせるくらいに。 ただ、そこいらへんが強く出すぎてしまって、怪異の印象が薄れてしまったような。 お母さんも体験者だから、ヒロシくんが酔って幻覚を見たわけではないのでしょうが。
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名前: ダウン ¦ 21:51, Monday, Apr 02, 2007 ×
ヒロシ君のキャラを立てすぎましたかね。怪異があったと言い切れない状況を書き込んでしまっているかと。 会話進行が多いが、冗長に感じて効果的とは思えませんでした。 怪談以外の話は面白いんですが。 素材:0 文章:0
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名前: 夢屋 陣 ¦ 12:38, Wednesday, Apr 04, 2007 ×
怪異そのものはいたってシンプルで、読後に印象に残ったのは宇野君の破天荒な行動だけでした。特に最後がキツイw ついさっきまで、宇野君と同じく泥酔した女性がそばにいたのでは…と。着信履歴だけで「ありえない出来事」とするには無理があるかも。当の本人が泥酔してますから;
文章は読みやすくて、スイスイいけちゃうし面白かった。怪異に的を絞ったものを読んでみたいです。面白いのでも、怖いのでも。 |
名前: 13 ¦ 19:37, Wednesday, Apr 04, 2007 ×
□素材:0 □恐怖:0 ■リアリティー:1 □文章表現力:0 = 1点
微妙。酔って引きずり込んだ女性が電話に出たとしか思えない。ヒロシ君、豪快過ぎ。 |
名前: ゆんく ¦ 21:11, Sunday, Apr 15, 2007 ×
-4 0 +4 文章;■■■■■□□□□(±0)…a 構成;■■■■■□□□□(±0)…b 怪異;■■■■■□□□□(±0)…c 恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d 嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e ※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)
これだけ濃いキャラクターであれば、その周辺情報について書きたくなる気持ちも判らないでもないが、さすがにそれを前面に押し出し過ぎだろう。怪異が薄まるどころか、完全に喰われてしまった感がある。 ただ、怪異自体も都市伝説の延長線上のような内容であり、そこだけ切り抜いて提示されたとしても高く評価できる代物ではない。 怪異そのものが宇治氏の話に付加された他愛のないもの、という捉え方しかできないのだが。 |
名前: 空 ¦ 18:24, Saturday, Apr 21, 2007 ×
仕事柄色々体験しているのでしょうが、読んだ限りの宇野さんの性格上、不思議な事があっても気のせいで済ませてしまいそうだし、はじいてしまいそう。
そんな宇野さんの携帯に出た女性は、よっぽどお父さんに恨みがあったのか、危篤状態を喜んだのでしょうね。
あと、一つだけ宇野さんの会話はクソオヤジとか荒々しい感じなのに、語尾が〈〜のね〉とか〈〜あるのよ〉というのが文字で見ると女性?と一瞬思ってしまいました。 あ、もし方言とかでしたら済みません、ちょっと気になったので書かせて頂いたので、点数には関係ありません。 |
名前: フジ ¦ 02:11, Saturday, May 05, 2007 ×
泥酔した後の2日酔いの朦朧とした状態でお話されているから、どうかなあ? というのが正直な感想です。 ヒロシ君の説明をもう少しカットしてもよかったと思う。 文章技術評価0 体験談希少度評価0
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名前: ナメコ ¦ 19:44, Saturday, May 12, 2007 ×
文章力でキャラが際立った分、怪異の怖さが沈んでしまった感じ。これはこれで良しですな。 |
名前: ペペ ¦ 09:46, Tuesday, May 22, 2007 ×
文章は書きなれた感じで上手いのに、構成が失敗しているような。 こういう饒舌体の文章で書き始めると、止まらないんですよね。 それは、よくわかるんですが。 |
名前: 藪蔵人 ¦ 09:40, Saturday, May 26, 2007 ×
怪異自体はいい素材なのに、文章で大きく損をしている。 序段の記述が入り組んでいて、本題に差し掛かるまでの流れが掴みづらい。 また、体験者の人物像もさほど重要ではないように思う。ここまでキャラクターを前面に出してしまうと、それに釣り合うだけの強烈さが怪異に無いと、怪談というより怪人物話としてしか印象に残らない。 些細な点ではあるが、「土方」という言葉を使用するのはいかがなものだろう。 土方とは、土木工事に従事する者のことであるから、「土方に励む」ではなく、「土木作業に励む」でよかったではないだろうか。放送禁止用語でもあるわけだし。
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名前: GPZ ¦ 17:42, Sunday, May 27, 2007 ×
素材・0 文章・0 キャラ強いなぁ〜。 よくぞここまで、と感心できるほど良く書き込めている。 その為に怪異が薄くなってしまったけれど。 |
名前: つくね乱蔵 ¦ 23:10, Wednesday, May 30, 2007 ×
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