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地下道にて
その夜、洋子は、いつものように駅を出て、
地下道に続く階段を降りた。
もう少しで真夜中。
洋子以外に人影は無かった。
およそ30mほどの地下道である。
ひんやりとした空気が淀んでいる。
反響する靴音が、余計に心細さを増した。

半分ほど進んだ所で、いきなり照明が消えた。
鼻を摘まれても判らぬ闇に包まれた洋子は、
仕方なく、壁に片手をついて慎重に進み始めた。
出口は階段を上がった所にある為、全く見えず、
外の灯りも入らない。

ふと思いついて、ポケットから百円ライターを取り出し、
火を点した。
頼りない灯りでも無いよりは良い。
出口への階段が見えた。

その途端、フッと火が吹き消された。
風ではない。
ライターを持った手にだけ、冷たい息が当たったのだ。

盛大な悲鳴を上げ、両手で壁を弄りながら、
洋子は懸命に出口を目指した。

ようやく地上に上がった途端、何事も無かったように
地下道の照明は戻ったという。








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読ませてくれますねえ。お見事な文章力です。実に巧みです。だからこそ、重箱の隅と言われようが、あえて問いたい。ライターの火を吹き消したのは「冷たい息」だと、洋子さんが確信なさったのは何故でしょうか?勿論、風と「息」では当たり方、皮膚で受け止める感覚が既 .. ... 続きを読む

受信: 23:48, Monday, May 28, 2007

■講評

些細(?)ですが起こったことが
丁寧に書かれてて素晴らしい
と思います。文章の力は強いなあ、
と感じました。

名前: 高田公太 ¦ 10:40, Friday, Mar 30, 2007 ×


女性が一人で夜、地下道を利用するかやや疑問。
そのへんの使わざるを得ない理由があったらよかったのでは。
通りたくない、でも通るしかないと思うんです。女性一人ですから。
そのへんが書いてあったら、より怖さ倍増でよかった気がします。
文章は可もなく、不可もなくといった感じでしょうか。
起こった怪異があっという間なだけに、洋子さんの怯える描写を書いたほうが、
盛大な悲鳴を上げ、両手で壁を弄りながら、洋子は懸命に出口を目指した。というところが、より生かされたのではないでしょうか。
短編で一気に読ませたほうが生きてくる話のような気がします。

名前: 黒ムク ¦ 13:06, Friday, Mar 30, 2007 ×


冷静な筆致は、体験者を俯瞰で見下ろしている感じがします。
読ませてはくれますが、突然の闇のような分かりやすい怪異は俯瞰よりも体験者の視点から見た方が、より怖さを感じさせてくれるかな。
その意味では、短編で読んでみたかったかと。
とはいえ、皆が皆「超怖」流の書き方になったら、つまらないとも思いますが。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 15:13, Friday, Mar 30, 2007 ×


怖かったですね。
特にライターの火が消えるところは「ライターを持った手にだけ、冷たい息が当たったのだ。」ということなので、風で消されたと思える余地がない。

名前: くりちゃん ¦ 15:27, Friday, Mar 30, 2007 ×


いや、やっぱりそれは「体験者の気のせいだったのでは?」「風のせいだったのでは?」と誰かが突っ込み入れそうな感じの作品ですねー(笑)
そんな理由だったら超-1なんかに投稿してこないですよねまったくう〜(笑)
体験者の周囲の情景をわかりやすく描いて臨場感たっぷりに描き読者に追体験をさせるうらやましい手法ですね。文章に自信がない方には出来ない書きっぷりが堂に入ってます。
ただ、怪異が小粒なのがちょっぴりさみしい。でも、この作者さんはきっとやってくれますよ。
だってこんなに書き方が上手なんですから(笑)

名前: 矢内 倫吾 ¦ 21:28, Friday, Mar 30, 2007 ×


途中に換気口などがあれば、手の部分にだけ風があたるということもあるかもしれない(笑)
まあそれはともかく、怪異としては小粒。実際にこんな目にあったらかなり怖いとは思うが、それは「怪異」の怖さとはちょっとベクトルが違う、「東京伝説」風味もある怖さだと思う。

名前: ナルミ ¦ 01:42, Saturday, Mar 31, 2007 ×


予期せぬ闇が突然襲ってくるってのは、怖いなぁ><
怪異自体は小粒だけど、いや、この状況は怖い
うん、私なら確実にこれはパニくるw
なんだけど、体験者さんは全然怖がる様子も、びっくりする様子も、私のようにパニくってる様子も無く、至って冷静なのだが、本来はもっと驚かれたと思うのですよ。
もしかしたら小さい悲鳴の一つは、本人の意思とは関係なく口から出ていたかもしれない。
体験者の目線で書かれれば、もっと面白かったかもしれない。
そこが残念ですね。
確実に状況も、手に当たる冷たい息も、それだけでかなり怖いはずなのに、それが感じられずもったいない^^;
あと、風ではなく息と認めたのはなぜか?
例えば、顔の近くでライターの火を灯していたから、吹き消された瞬間、相当な口臭をかがされたとかwww
そういうのが欲しかったかも。
内容0 文章0

名前: cross2M ¦ 11:28, Saturday, Mar 31, 2007 ×


真夜中の地下道といったらまず思い浮かぶのは
幽霊よりも変質者でしょう。
私のようなオバハンでも怖くて通れませんて。
洋子さん、危険すぎです。
まして照明が消えたのに冷静すぎるし。
私なら即悲鳴をあげてパニくって走り出しますがな。
つわものですね、洋子さん。
そんな洋子さんを見てちょっといたずらしたくなったのかも。
なかなかお茶目な幽霊さんじゃないですか。
教訓=真夜中の地下道、女性の一人歩きはやめましょう。

名前: 桜子 ¦ 22:19, Saturday, Mar 31, 2007 ×


夜の地下道で照明が消えたら、真っ暗ですよ、真っっっっ暗!イヤだー(つД`)*。
「ああもう絶対何か出てくるよー」と怖がるしかないシチュエーションだし;

「ひんやりとした空気」と「冷たい息」。ちょっと曖昧ですね。
顔には吹いてこなかったということで「手にだけ」でも十分なんですが、季節やその日の風の有無がわかれば、それに合わせた怖さになりそう。たとえば夏ならもちろん暑いし半袖なので、手だけに冷たい何かが…なんてありえないと考えられます。
洋子さんが「冷たい息」だと感じた理由もその辺にありそうなので(−1)、おそるおそる進む洋子さんの心細さがありありと伝わってきた文章に(+2)です。

名前: 13 ¦ 03:47, Sunday, Apr 01, 2007 ×


内容:2 文章:0

最初、停電になった時に洋子さんがあまりにも冷静なのが気になりましたが、怪異は強烈。
これは都会に現れた狐狸の類でしょうかね?

名前: ダウン ¦ 08:52, Sunday, Apr 01, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■■□□□(+1)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■■□□□(+1)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 読後、真っ先に頭に思い浮かんだのは妖怪「火消婆」の仕業。
 ロウソクや行燈の火を吹いて消して回るはた迷惑な妖怪である。
 おぉ、随分マニアックな妖怪との遭遇譚だなぁと顔を綻ばせながら再読すると、火消婆と断定するのには致命的な欠陥が。
 当事者がライターの火が消された事由を「息」によるものであると結論付ける根拠が何処にも示されていないorz
 これは作品としても致命傷であるが、その結論に至った何かを書かなかった筆者の方の手落ちということで、自分の中ではこれはあくまで火消婆の仕業であると信じたい。

名前: 空 ¦ 17:21, Saturday, Apr 21, 2007 ×


ホラー映画のワンシーンを見ているようでした。とても雰囲気がある文章です。詩を読んでいるような感じを受けました。 文章が美しすぎてさらっと読めてしまい、怪異はあまり感じませんでしたが、洋子さんにとってはパニックになるでしょうね。文章技術評価1 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 14:12, Sunday, May 06, 2007 ×


表現が気になる。「もう少しで真夜中」「盛大な悲鳴」。文学的といえばいいのか……。「ひんやりとした空気が淀んでいる」。これは怖い。明らかに怪異の前触れですよ。

名前: ペペ ¦ 14:28, Monday, May 21, 2007 ×


素材・1 文章・1
文章が美しい。
その割りに、怪異に対しては舌足らずのような気がする。
もう少し、情報が欲しかった。

名前: つくね乱蔵 ¦ 13:15, Friday, May 25, 2007 ×


もし地下道を一人で歩いていて停電になったら。
その場でへたり込んじゃうんじゃないでしょうかね、女性なら。
そんな状況では何があっても(例え知り合いに声をかけられる、といった事でも)
物凄い悲鳴を上げそうですね。
しかも冷たい息、かあ。
いやいや、恐ろしい。

名前: 藪蔵人 ¦ 23:51, Friday, May 25, 2007 ×


怖いのはシチュエーションであって、怪異ではないように思う。
筆者の視点から見たような文章なのが気になるが、ここに体験者の台詞や心理描写を介在させるとかえって白ける作品になってしまうように感じられたので、これはこれで良い。

名前: GPZ ¦ 16:32, Sunday, May 27, 2007 ×



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