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「パチスロ屋のゲーム台って、全部が全部、新品じゃないんだよ…」 元メーカー営業の南原さんは、こんな話をしてくれた。
「あるメーカーの台が物凄い『人気台』でね、お客の食いつきがいいの」 某メーカーの自信作であるパチスロ台『M』は操作が簡単で初心者やお年寄りでも遊び易い。従ってその台を増やせば店の売り上げが増えるという計算になる。 だが、新台を購入するにはちょっと予算がという場合、閉鎖した店に当たりを付けて中古の台を手ごろな値段で買い受けるのが安上がりな方法だというのである。 南原さんの担当していたその店も、彼の紹介で所沢の閉鎖された店舗から五台の『M』を手に入れ、それをさっそくブースに設置した。 パチスロ店の店長は、売り上げ増加間違いなしと大変喜んだ。
ところが数日経って様子を見に行くと、店長か暗い顔をしている。どうしたのかと聞いてみると、店長は中古台を据え付けた一角を指差した。 五台の『M』が全席空だった。 (そんな馬鹿な…) 店の客入りは決して悪くはなかった。 「客が居つかないんだよ、あそこの台…」 なるほど、店長の言う通りで『M』を見つけた客がそこでゲームを始めるのだが、十分と居付かずに席を立ってしまう。びっくりして観察していたが、その中古台に座った客はすぐにどこかへ離れてしまう。 「設定師の銀ちゃんが言ってたけど、なんかあの台のあたり、居づらいんだって…」 紹介した責任がある手前、南原さんは『M』の前に陣取ってゲーム機を操作してみた。 何でもない。一体これのどこが悪いんだ? そのとき、彼の耳元で呻くような老人の声が聞こえた。 <どいてくれ、兄さん> 振り返ると、台の側には誰もいない。 やはりそうなのかと思いながら、彼は席を立った。 「何だろね。確かに居づらいわ、あの台」 戻って来た南原さんの言葉に店長は溜息を付いた。 「やっぱ、閉鎖された店から持って来たからかなあ…」
それから数週間後、再び南原さんがその店を訪れると五台の『M』は無くなっていた。 顔見知りの業者に入手ルートを伏せ、購入した金額の倍で売り飛ばしたのだという。 客入りが元に戻ったし、逆に儲けが出たと店長は満足気に笑った。
「これ、あんまり詳しくは言えないけど…」 南原さんは声を低くしてこう言った。 「所沢の店舗が潰れた理由、店のトイレで首吊ったじじいが、化けて出るようになったからなんだよね」
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受信: 14:32, Thursday, Mar 15, 2007
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受信: 23:51, Sunday, Apr 29, 2007
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受信: 00:14, Monday, May 14, 2007
■講評
最後の一文、実話とはいえあまり気分のいい台詞とはいえないので。 「何となくおかしい」現象に「結局分からない」というお話だと怖くはないかと。 最後の台詞にも、ぞっとするほどのインパクトは感じませんでした。 素材:0 文章:0 |
名前: 夢屋 陣 ¦ 13:34, Thursday, Mar 15, 2007 ×
内容:0 文章:0
おこった怪異は、それほど珍しくも怖くもないです。 もっと文章を絞り、最後のオチもストレートに書かずに、ほのめかす程度にしたほうがよかったと 思います。 |
名前: ダウン ¦ 22:17, Thursday, Mar 15, 2007 ×
ゴト師の話も怖いが、この手の怪談もあったのですね。 興味深く読みました。文章も読みやすい。 |
名前: くりちゃん ¦ 22:26, Thursday, Mar 15, 2007 ×
怪異としては「声が聞こえる」というだけの些細なもの。 ‥‥と思ったが、客が居つかないということは、その台に座った客全員が声を聞いている(霊感の有無に関わらず)わけで、そういう意味ではけっこう強烈な怪異なのかもしれない。 そして、ラストで、自殺した人を「じじい」呼ばわりしているのはいただけない。せめて「じいさん」と言ってほしかった。(まあ、南原さんが「そういう性格」だということを表現したかったのかもしれないが) |
名前: ナルミ ¦ 00:16, Friday, Mar 16, 2007 ×
パチンコ店勤務経験者です; cross2Mさんがすでに指摘なさっていますが、入手ルートを伏せて転売できるのかな?と考えました。製造番号をごまかすのは困難です。 仮にできたとして。 入れ替えの際には警察の検査が入り、万が一台に不具合が生じた場合、営業停止の可能性もあります。いくら人気機種でも、出どころがわからず転売できそうにないパチスロ機を、業者がボッタクリ価格で買い取るかなあ、とも。 南原さんのお話を聞き間違えていませんか?取材不足ともとれるので、(−1)です。
しかし。 パチンコ店のトイレでおじいさんがry…って、地元であったんですよ。所沢じゃないし、店も健在なんですが。 よくあることなんでしょうか。 怪異そのものはリアルすぎて、怖いのなんのってもうorz(+4) |
名前: 13 ¦ 00:25, Tuesday, Mar 20, 2007 ×
以前パチンコ屋で働いていたのですが、パチンコ台やパチスロ台、枠に至るまで流通番号が付いており、メーカーから産廃までの経路は全てトレースされており、流通経路を伏せることは出来なかったのですが、今は違うのかな? それが気になってしまって、話を実話怪談として楽しむことが出来ませんでした。 ごめんなさい。 内容ー2 文章0 |
名前: cross2M ¦ 11:00, Tuesday, Mar 20, 2007 ×
-4 0 +4 文章;■■■■■□□□□(±0)…a 構成;■■■■■□□□□(±0)…b 怪異;■■■■■□□□□(±0)…c 恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d 嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e ※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)
結論から言えば、貧弱な怪異の周辺のディティールをいくら充実させても、怪談としての完成度には限界があるということである。 ところで、スロキチの方々が人気台をうっている最中に老人が囁いたぐらいで移動するものだろうか。 作品中には表記されてはいないが、件の老人は囁き以外にも何かしらその場所に居辛くなるような行動をしかけてくるのかもしれない。 |
名前: 空 ¦ 12:49, Thursday, Mar 22, 2007 ×
入手ルートをふせて転売できるのか?そんな現実な問題が気になります。 この話ではパチスロ台の入手先で何かあったのではと読者は食いついてくるわけですから、その辺の調べはしておいてもいいかと。 南原さんが話を怖くするためにオーバーにそういったとしても、やはり現実的な問題でつまずいてしまっていて納得できない部分がある。 怖いか、文章はどうか以前の問題が壁になってしまう。 |
名前: 黒ムク ¦ 14:29, Thursday, Mar 29, 2007 ×
皆さん書いておられるように、入手ルートを伏せて転売、などは無理では?
話自体は人間の念とギャンブル、というテーマのコンボで興味深かったです。 が、やはりちょっと現実的な面がきになってしまい0ということで。
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名前: 晴。 ¦ 13:31, Tuesday, Apr 17, 2007 ×
耳元でささやくような老人の声はゾクッと来ました。 でもそれ以上の怪異はなかったので、ライトな感じで読めてしまい、 怖さはあまりなかったです。文章技術評価0 体験談希少度評価1 |
名前: ナメコ ¦ 22:17, Wednesday, May 09, 2007 ×
死して、なお、ギャンブラーの執念か?もしくは他人の邪魔をしているだけなのか?何かもっと奥深い理由があるのではと思うのですが……。 |
名前: ペペ ¦ 17:04, Saturday, May 19, 2007 ×
このお話に限らず非合法に流用ものがあるのはそれぞれの職業の中でタブーなお話。正面から聞いても絶対話してもらえません。そりゃそうだ。 怪談ではありませんが、ある国内有名メーカーの看板を掲げるガソリンスタンド、実はその中身は…、なんて話もありました。 「あれって確か元売会社が連帯責任じゃ?」「いや、タテマエ。何か起きないとそんなに深刻には考えないから。実際事故起きてないし」と提供者。 うーん、まがい物過ぎる!知らない我々はもっと利口になんなきゃいけません。 そうでもないとこのお話のように…。 「あれっ?、なんかツキ落ちたな?」 ひょっとして?とちんわり考えると怖いのではないかと思います。 企業は儲けることと、法律の穴を潜り抜けるのが目的みたいなもんですからね(笑) |
名前: 矢内 倫吾 ¦ 21:36, Monday, May 21, 2007 ×
パチンコ屋の裏舞台はさて置こう。 怪異は因果関係がストレートすぎて、平坦に思えた。 騒々しい店内にいながら、耳元で囁く声が聞こえてくるのは、それはそれで十分怖いが。 |
名前: GPZ ¦ 21:39, Tuesday, May 22, 2007 ×
パチンコ屋のトイレで首吊りと言う話は実によく聞きます。 ラストの段落はいらないと思いますね。 |
名前: 藪蔵人 ¦ 22:14, Thursday, May 24, 2007 ×
素材・−2 文章・0 パチスロ機の転売云々はさて置き、肝心の怪異が貧弱。 それを無理矢理、話に仕立て上げた感が否めない。 |
名前: つくね乱蔵 ¦ 06:46, Wednesday, May 30, 2007 ×
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