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10月下旬。 Iさんの同い年の親友が亡くなった。 バイクの事故だった。 まだ24歳だった。 当時、Iさんはスポーツクラブで子供に水泳を教えるアルバイトをしていた。 親友の死の知らせを受けそのまま仕事を早退した。 次の日、出勤はしたもののあまりの落ち込みように上司は1週間の休みを与えた。 「人はこんなに変わるのか」 そう思わせる代わりようだった。 Iさんは休みの間、泣くか眠るかといった生活を送った。 1週間という時間は立ち直るには足りない時間だったが、落ち着きを取り戻すまでに回復した。 親友の事故の原因だったバイクにIさんはしばらく乗らないようにしていた。 しかし時が経つにつれ、Iさんは再びバイクに乗るようになった。 「幽霊でもなんでもいいから出てきて欲しい」 そんな考えが頭の中になかったわけではなかった。 そんな事を思いながらバイクを走らせていたせいだからかもしれない。 ある日、ふと後ろに誰かを乗せているような錯覚を覚えた。 Iさんの体にはしがみ付く人の温もりすら感じられた。 「男にしがみ付かれても嬉しくないよ」 悪態をつきながらも、親友が乗っているのかもしれない、そう思うと涙が溢れた。 その頃からIさんは腰回りに出 来た湿疹に悩まされ始めた。 痛くも痒くもないが仕事柄水着にならなくてはならない。 人に見せるのはさすがに嫌だった。 プールで使う塩素が原因ではないかと考え、しばらくの間、陸上での仕事に変えてもらった。 しかし一向に湿疹は治るどころか、太ももの方に広がり始めた。 皮膚科に行くためにその日Iさんは仕事を早退させてもらった。 バイクを走らせ自宅近くの病院へ向かった。 途中また人の温もりを感じた。 「あぁ、またか」 Iさんは嬉しさを感じた。 しかしその日に限って温もりの相手は、Iさんの湿疹に爪を立てるかのように攻撃を仕掛けてきた。 「い・・痛っ」 Iさんは苦痛に顔を歪めた。 「このままじゃ俺まで事故る」 Iさんは一旦バイクを道路脇に寄せた。 慌てて服をめくり湿疹を見た。 特に変わった様子はなかった。 「・・・なんだよ」 Iさんは不機嫌になりながらバイクにまたがり、走りだそうとした。 その時さっと腰に手を回された感触がした。 「いい加減にしろ!」 Iさんは見えない相手に向かって怒鳴った。 「・・・ごめんなさい」 若い女の声がした。 「えっっ」 Iさんは慌てて振り向いたが誰もいなかった。 「会いたい。帰ってきてほしい」 そんな思い が違う霊を呼び寄せていたのかもしれないとIさんは反省した。 皮膚科で見てもらうと湿疹はなにか肌に合わないものを付けたことが原因だと言われた。 「見知らぬ女の霊に化粧水かクリームでも付けられたかもしれないですね」 Iさんは毎年親友の命日に墓参りを欠かさない。
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» 【+3】「温もり」 [DJ ZIRO『超-1 2007』感想ブログから] × ちょっといい話だと思わせて、ラストにこう来るか(^^;通りすがりの浮遊霊がかるー ... 続きを読む
受信: 13:52, Monday, Mar 12, 2007
» 【0】温もり [Forgotten Dreams 「超」1講評から] × <文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 体験者と親友の間の繋がりが何も語られずいきなり落ち込んでしまうので、読み手は ついていけない。これは全編を通じて大事な要素なのだから前置きが長くなるから、と いう理由で端折ってしまって良いところで .. ... 続きを読む
受信: 18:46, Tuesday, Mar 13, 2007
» [超−1]【+1】温もり [幽鬼の源から] × 読者を上手く誘導させておいて、最後で小気味よい裏切りを見せる点は評価できる。 ネタとしては小粒であるが、こういう細工がなされていると印象はよいと思う。 ただし文章全体が説明調であるために硬いという印象が強く、これが体験者の感情面での効果を妨げているよ .. ... 続きを読む
受信: 08:26, Thursday, Mar 15, 2007
» 【+1】温もり [2007年超-1・TOMOKI講評から] × 絶対的に少数派でしょうが、Iさんの嘆きを冒頭から「…こういう人は、関係ない怪異に騙されちゃいそうだなあ」と冷めた目線で追っていたので、どんでん返しにも意外性を感じる事ができませんでした。それというのも、>「幽霊でもなんでもいいから出てきて欲しい」>悪 .. ... 続きを読む
受信: 23:34, Sunday, Apr 29, 2007
» 【+1】 温もり [hydrogen's blogから] × 内容: +1文章: 0敏感肌?いくら親友だってバイクの後ろでしがみ付かれたら気持ち悪いと思うのですが・・・。生きてたってそうですので、幽霊だったら尚の事と思ってしまう僕にはやはり向いてないタイプの話なのでしょう。親友をなくすのは辛いけど・・と思って読んでい .. ... 続きを読む
受信: 19:42, Sunday, May 13, 2007
» 【+3】温もり [I'd like to tell you something about ...から] × タイトルに騙された(笑)。 違うモノを呼んじゃったんだ。 いい加減にしろと怒鳴られて謝った女性の霊が目新しくて、好評価です。【文章技術評価】 +1 【体験談希少度評価】+2 とても仲の良か ... 続きを読む
受信: 10:43, Monday, May 28, 2007
■講評
てっきり親友の霊かと思っていたら、意外な結末だった。単に「親友の霊でした」で終わるよりもひねりがきいている。
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名前: くりちゃん ¦ 10:20, Monday, Mar 12, 2007 ×
親友ではなかったというオチはいい。オチまでの引っ張り方もよい。 ただ、僕は「会いたい〜反省した」と「見知らぬ女の霊に〜」の解釈をつけない方がより怖くなったと思う。 解釈をつけると話が腑に落ちてしまうので怖さが半減するんですね。
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名前: 撃墜王の孤独 ¦ 15:27, Monday, Mar 12, 2007 ×
少し説明的な部分が多い。 話としてはまあまあかなと思う |
名前: 黒ムク ¦ 17:47, Monday, Mar 12, 2007 ×
内容:2 文章:0
最後のオチに少し驚かされました。 発疹が呪いとかでなく、化粧水かクリームという解釈も面白いですね。 |
名前: ダウン ¦ 02:18, Tuesday, Mar 13, 2007 ×
前から何度も何度も言っているように、 「見知らぬ女の霊に化粧水かクリームでも付けられたかもしれないですね」 などという余計な解釈は不要。これのせいで怖さが半減してしまった。 話自体はかなり稀少で怖いものだけに、もったいない。 |
名前: ナルミ ¦ 02:38, Tuesday, Mar 13, 2007 ×
序文のIさんの心理描写に文章が多く、まどろっこしく感じた。 どれだけ親友を思っていたか、だと思うけど落ちがこう来るなら、キレが欲しいと思うのは贅沢でしょうか。 落ちには色々と裏切られましたから、良いです(笑 素材:+1 文章:0 |
名前: 夢屋 陣 ¦ 16:36, Tuesday, Mar 13, 2007 ×
うーん。構えて読む癖がついてきてしまったようです。 後ろに誰かが乗ってきた→親友に違いないと喜んでいる、の段階で、「親友だが道連れを目論んでいる」or「親友ではなかった」のいずれかだな、とイヤな先読みが始まってしまいorz
しかし減点には至らず。ほらやっぱりそうだった、では終わらないお話でした。 後ろに乗ってきた女性もまた誰かを探しているのか、あるいはIさんの言うように寂しい背中に呼ばれてやって来たのか…。悪気がなさそうで、叱られたのがちょっとかわいそうな気もします。 けれどIさんは湿疹が出てしまった。幽霊アレルギー?攻撃されたというよりは、触られるたびに悪化したんじゃないでしょうか。 悲しいような笑えるような、複雑な味がしますね。余韻を楽しめるお話です。(+3) |
名前: 13 ¦ 19:23, Friday, Mar 16, 2007 ×
-4 0 +4 文章;■■■■■□□□□(±0)…a 構成;■■■■■□□□□(±0)…b 怪異;■■■■■□□□□(±0)…c 恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d 嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e ※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)
当事者の解釈や筆者の方の意図が的を外れているように感じた。 当事者は結末まで、怪異は死亡した友人のそれだと理解していたようだが、その要因が明確ではない。生前によく二人乗りをしていたというのであれば納得できるのだが、怪異と友人とを繋ぐものはバイクだけで、その発生を紐付けるにはあまりにも関連性が希薄ではないか。しかも怪異に対して筆者の方は最初、’錯覚’と表している。 「化粧水かクリームを付けられたかも」という当事者の解釈も少々ズレているような気がしてならない。 読み終えた後、釈然としない気持ちだけが残った。 |
名前: 空 ¦ 12:34, Monday, Mar 19, 2007 ×
最初のIさんの落胆振りに置いてけぼりを食らわせられたもの、後はすんなり読めました。 あまりに「Iさんの親友であること」が強調されすぎたため、オチに待っているどんでん返しを先読みさせてしまっているように思います。 「あーやっぱりそう来たね」とは思ったのですが、皮膚科の診断でちょっと読み手としての私が救われました^^ -- 「会いたい。帰ってきてほしい」 そんな思い が違う霊を呼び寄せていたのかもしれないとIさんは反省した。 皮膚科で見てもらうと湿疹はなにか肌に合わないものを付けたことが原因だと言われた。 「見知らぬ女の霊に化粧水かクリームでも付けられたかもしれないですね」 -- この最後の行はばっさりと、後日談として皮膚科の1行だけのほうが良かったかと。 読み手が想像して楽しむところを、話の中で語らせてしまうのは勿体無いです>< 内容+1 文章+1 |
名前: cross2M ¦ 12:42, Monday, Mar 19, 2007 ×
文章:0 怪異:+2
文章が少々説明的すぎるような気もしますが、それでも十分良い話。
最初のも親友じゃなくてその女性だったのですかね。 ウェルカム状態を見て寄ってきたのかな。 それにしてもあっさり謝ってくるあたり、素直だ(笑) |
名前: 晴。 ¦ 18:35, Wednesday, Apr 11, 2007 ×
親友に会いたいと思っていたのが、別のものが来てしまったというオチは面白かったです。 Iさんがそこまで落ち込むほどの親友との関係が不明でしたが…。 ともかく友情を感じるいいお話でした。文章技術評価0 体験談希少度評価2 |
名前: ナメコ ¦ 20:07, Tuesday, May 08, 2007 ×
| 怪異は良いし、「ごめんなさい」も良い。Iさんってやさしい人だな。そういう人って、憑かれやすいみたいですね。 |
名前: ペペ ¦ 13:54, Saturday, May 19, 2007 ×
親友かと思いきやまったく違う霊、という展開は良かったが、湿疹に対する見解がややピント外れに感じた。
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名前: GPZ ¦ 01:29, Tuesday, May 22, 2007 ×
何だか物悲しい話ですね。 友人の方はすでにあっさり成仏していたりして。 |
名前: 藪蔵人 ¦ 22:15, Tuesday, May 22, 2007 ×
欲をいえば前半はもう少し贅肉を落として(笑) ですが、お話全般はと言うと、主人公も乗って来た女も何となく悲しい。 悲しいもの同士だからこそ惹き合ってしまったのかもしれないとご本人もおっしゃっていますが、お話には出てきませんが、バイクの後ろの女も、彼の背中に乗ってその場所から「離れたかった」のかなと。 もう一つの見えない悲しみを感じられて、前半のもたつきは気になりませんでした。 でも、死んでしまった人の事はあまり悲しむと却って成仏できないといいますから、これは一種の「おはからい」だったのかも知れませんね、きっと。 |
名前: 矢内 倫吾 ¦ 21:31, Wednesday, May 23, 2007 ×
素材・0 文章・0 湿疹の原因云々は不要かと思われる。 意外性はまずまず。
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名前: つくね乱蔵 ¦ 17:59, Sunday, May 27, 2007 ×
あちら側の世界に意識が向いていると、引き寄せてしまうということはあるかも知れませんね。 湿疹は化粧品アレルギーというより、某漫画の主人公のように霊に反応すると出る体質なのかも。
文章1 怪異1 =2
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名前: 久遠平太郎 ¦ 21:29, Thursday, May 31, 2007 ×
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