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ぐるぐる(2)
私が中学生の頃、家族4人で中国に旅行に出かけた。
両親には申し訳ないが正直中学生の私、小学生の弟には大変面白くない旅行だったのだが、そんな旅行先での話。

ホテル滞在最終日の夜、私と弟に割り当てられた部屋の窓際のベッドで寝ていた私はふと、枕の左側が沈む感覚で緩やかに眠りから起こされた。
それが左から右に移動し、胸の上を通り・・・という風に頭を中心にぐるぐるゆっくりと。
何かが歩いているようにも感じるのだが、胸の上を通るときも苦しいほどではなく、丸い大き目のボールのようなものを軽く押し付けるような感じ。
ただそれだけの事が、また眠りに落ちるまでゆったりとしたペースで続いた。
当時異常なほど怖がりだった私には、目を開けて確認する勇気など到底無く、いつの間にか寝ていたようで気付けば朝。

目が覚めてからもその感触は覚えていたが、まぁ寝ぼけていたのかな?とも思え、過ぎてしまえば大した事無かったような気もするし、と特に誰にも話さずにいた。

帰ってきた夜、寝ているとまた同じ感覚で目が覚めた。
「連れてきてもうたんやろうか・・・あわわわ」
それは前日と変わらず、ゆっくりとぐるぐる周っている。
それは何をするわけでもなく、私自身も金縛りなどに会うわけでもなく、ただただ周るのみ。
相変わらず確認も出来ないまま、数日続いてぱたりと止んだ。
それでも、怖い怖いという思いがそれを感じさせているようにも思え、結局誰にも話さず、その記憶は忘却の彼方へと葬り去られた。

後年、弟からこんな話を聞いた。

中国行ったやんか、あんとき浴室からは中国語みたいなんでべらべら話す声がうるさいし、誰かぐるぐるベッドの上歩き廻るしで寝られへんかったわ。
ついでに帰ってきてからも歩きよるしやなぁ、あれは参ったなぁ。

と、夢やったかもしれんけどなぁなんて彼は笑っているが、私は十何年も経ってから初めてさぶいぼに包まれた。








05:36, Sunday, Mar 04, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(18) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(6) ¦ 携帯

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■講評

長い割にメリハリもなく流れていって、最後で鳥肌が立つということだが、そこまでに同じ調子で行くのではなくてちょっと調和を乱した部分があれば良かったかも知れない。
かなり怖い状況だと思うが、怖くは感じられなかった。
さぶいぼ=鳥肌、は通じないこともある。

名前: くりちゃん ¦ 10:05, Sunday, Mar 04, 2007 ×


内容:0 文章:1

ややありきたりな話でしたが、霊が歩き回る場面は、雰囲気がよく出ていました。


名前: ダウン ¦ 10:49, Sunday, Mar 04, 2007 ×


弟の語りで突然関西弁になるのに違和感を覚えた。ここは標準語で押し通した方がよかった。
ラストの「さぶいぼ」で、恐怖が一気にお笑いに変わった。

名前: ナルミ ¦ 23:36, Sunday, Mar 04, 2007 ×


せっかくの怪異が、最後の『さぶいぼに包まれた』で台無しになってしまった。 内容が良いだけに惜しい。

名前: つくね乱蔵 ¦ 10:04, Monday, Mar 05, 2007 ×


『私は十何年も経ってから初めてさぶいぼに包まれた。』と結んでありますが、読む側には『私』が体験した時の話の方が、後年の弟の話よりも怖く感じるのではないでしょうか。

弟も同じ体験をしていたから気のせいではなかった、という『私』の確信を恐怖として描くには、例えば弟がぽろぽろ中国での話をしている間に『私』の記憶や心の動きなどを描写するなどして盛り上げてくれた方が私的にはよかったかなと思いました。

名前: 雛人 ¦ 22:30, Monday, Mar 05, 2007 ×


弟が連れてきてしまったものと、本人が連れてきてしまったものは別々なのかなあ。一体何人連れて帰ってきたんだw
旅行そのものがつまらなかった上に、イヤなお土産つき。心中お察しいたします。
「ぱたりと止んだ」って、中国に帰ったんでしょうか。日本をさまよってなければいいのですが。(+1)

気のせいだと片付けようとする気持ちと、やっぱり怖いという気持ちが交錯している様子がわかりやすくて良かったです。ちょっとくどいような気もしますが、共感できました。(+1)

名前: 13 ¦ 11:21, Wednesday, Mar 07, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 致命的なのは当事者の恐怖が示されていないことである。
 旅行先における怪異との最初の接触については「過ぎてしまえば大した事無かったような気もする」と非常に曖昧な表現、帰国後についても「怖い怖いという思いがそれを感じさせているようにも思え」と、自ら怪異を否定してしまっている。これでは結末に「さぶいぼに包まれた」と言われても読み手は納得できない。
 結局のところ、当事者が怪異そのものではなく、兄弟が同じ現象を体験していることに恐怖しているところに、感覚のズレが生じてしまったように思う。

 評価とは関係ないが、関西では驚いたときに「あわわわ」と口走るのだろうか。
 

名前: 空 ¦ 19:25, Thursday, Mar 08, 2007 ×


やはり文章のメリハリでしょうか。
異常なほど怖がり、という割りに筆者の怖さが伝わってこないな、と。
やはり、締めでどう落とすか、で印象が変わったと思います。残念。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 11:21, Friday, Mar 09, 2007 ×


当事者が怖いと感じた感情を読み手と共有できるような仕掛けが重要なのかもしれない。
思うに、オチ(その瞬間に一番寒気を覚えた)に行き着くための過程として、用意した仕掛けが見事に外れた例だと思う。
事象自体はありふれているも、そのときの感じ方の具体性が面白いと感じただけに、残念。
内容+1 文章ー1

名前: cross2M ¦ 16:01, Friday, Mar 16, 2007 ×


異国のホテルで経験した奇怪な体験。
しかもそれは帰国した後も体験者に付き纏い、同行していた彼の弟もそのホテルで同じ体験をしていたのである…。
なーんて、書き方を変えるとあらすじ程度の文字でも人の目を惹くものが現れてくると思います。
かなり貴重な体験をなされたと思います。外国の見知らぬ土地で遭遇したこれは、脳裏にに描くと結構怖い。これがこのままですと、まるで友達から体験談を聞いたまま書いたという感じに読者に伝わってしまいます。
聞いたまんまをリアルに再現したんだから、いう見方もあるかもしれませんが勿体無いので、是非リライトしてみて下さい。
怪異の再現部は、人物のセリフで終らせると肩透かしになってしうケースが多くなりますから工夫がいるかと思います。
ちなみに僕も、宮崎のホテルでこれに近い経験をした事があります。ビールかっくらって寝ました。
おかげで名物の白くまを食べ損なってしまいましたが(笑)

名前: 矢内 倫吾 ¦ 17:11, Saturday, Mar 17, 2007 ×


怪異:さぶいぼ噴いた。
兄弟そろって同じ体験(弟の方が強力だが)かぁ。なんつーか、ついてないねぇ。
連れて帰ってきたあとの慌てぶりがちょっと面白かったです。
オチで心霊落語っぽく締められてますが、その実国境を越えた厭体験ですな。
目を開けたら何が見えたんだろう。
害がなくてなによりでした。+1
文章:少し長め(とはいえ3ページもないか)ですが、文章で突っかかることもほとんどなく、良い流れだと思います。
後日談で怪異の実在を補強できたのは良かったですね。
+1

名前: brother ¦ 21:17, Sunday, Mar 18, 2007 ×


ちょっと文章が解りにくかったのと、関西弁を使うなら関西弁に統一してしまった方が良かったと思います。
さぶいぼって他の表現の方がよかったのでは・・・
一瞬、なんのことかわからなかったです。
全体的に体験者の怖さが伝わりにくい

名前: 黒ムク ¦ 14:39, Tuesday, Mar 20, 2007 ×


文章:-1 怪異:+1

怪異としては面白いけど文章ですべてが台無しに。
なんだろう、下手なわけでもないですが何か読みにくい。

名前: 晴。 ¦ 15:33, Wednesday, Mar 28, 2007 ×


昔の旅行の宿泊先での怪異が、近頃になってゆっくりと記憶の底から浮き上がってきたわけですね。確かにそこにはなにか居たという感じは受けました。文章技術評価0 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 03:21, Friday, May 04, 2007 ×


遅れてやってきた恐怖ですね。
読み手が体験者にどれだけシンクロできるかが、評価の鍵でしょう。

名前: 藪蔵人 ¦ 15:52, Saturday, May 05, 2007 ×


登場する怪異が、歩き回る何者か、だけではさすがに弱い。
視覚的なイメージが湧かない以上は、読み手に筆者の恐怖が伝播するというよりも、怖がっている筆者を読み手が観察する、という図が出来上がってしまう。
ラストの「さぶいぼ」は、不適切なように思える。会話文ならまだしも、地の文で方言を出してしまうと、興が殺がれる。

名前: GPZ ¦ 02:54, Monday, May 14, 2007 ×


怖い体験だと思いますが、つらつらと一本調子の文章が、薄味にしている感じです。

名前: ペペ ¦ 14:50, Friday, May 18, 2007 ×


中国語を話していたということは中国人の霊だったんでしょうか?
旅先で遭遇した怪異(それも中国)が家でも起こるのはかなりヤバイ感じですが、体験者氏があまり気にしなかったことが逆に良かったのかも知れませんね。
文章的にはもう少しメリハリがあったらよかったと思います。

文章0 怪異1 =1

名前: 久遠平太郎 ¦ 20:30, Friday, May 25, 2007 ×



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