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百物語その後
海道くんは筋金入りの怪談マニアである。

怖いと耳にすれば、奥さんには内緒で心霊スポット・ホラー映画・怪談会と出向いていく。
ある物好きな団体で主催された『怪談百物語』もそのひとつだった。
百物語とは江戸時代に発祥を持ち、多勢の人が集まって、蝋燭を百本立て、一人がひとつ怪談話をして、一本ずつそれを消し、百本目の蝋燭が消された時、辺りは真っ暗になるという趣向の怪談会のことを指す。
巷では百話目の蝋燭を消したとき、本物のお化けが現れると言う。
よし、今回はこれにチャレンジするぞと海道くんはネットで参加申し込みを行った。

百物語は、なかなかの迫力だった。
終ったあとの懇親会も楽しく盛り上がり、怪談好きな大勢の人たちと酒を酌み交わし、海道くんは充実した時間を過ごす事が出来た。
ただひとつ不満なのは、本物のお化けが出て来なかったこと。
帰途に着く深夜のホームで、人気の無い地下鉄の通路で、真っ暗な夜道で彼はあたりを振り返り、『その気配』がないのを確かめては肩を落とした。
自宅に戻っても何も起こる気配はなく、彼はすでに奥さんが寝ているベッドに潜り込んだ。
すると。
突然、奥さんが喉を掻き毟ってうなされ出した。
「おいっ、しっかりしろ!」
バシッと平手打ちを食らわすと、奥さんは目を覚ました。
とてもリアルな夢を見たというので聞いてみると、帰宅した彼の後ろから変なものがやって来て、一緒に部屋の中へと入ろうとするのだが、どうしても入れないという。
海道くんは、玄関に神社のお札が貼ってあった事を思い出した。
「変なものって、どんなのよ…?」
「うんとねー、鶏ささみ肉の塊が人の形をしたみたいな、のべっとぐちゃっとしたやつ…」

明朝出勤するとき、そいつが玄関にいない事を彼は祈った。








05:11, Monday, Feb 26, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(21) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(6) ¦ 携帯

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 ちゃんとオバケは出てたってことですね。 そころで、その会に参加された人たちのその後も気になる所です。【文章技術評価】  +1 【体験談希少度評価】+2 お札様様。奥さん夢だと思っんでしょうね。 ... 続きを読む

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■講評

やはりこの手の世界に興味のある者は、鈍感なほうが良いのだなと思う。
奥さんが変わりに「怖い目」に遭ってくれたのだが、
「明朝出勤するとき、そいつが玄関にいない事を彼は祈った。」
というところが、怪奇な世界を好む割には小心だなと笑いを誘う。

名前: くりちゃん ¦ 07:15, Monday, Feb 26, 2007 ×


『鶏ささみ肉の塊が人の形』をしたようなやつは、参加した百物語の話の一つと何か関係があったのではないでしょうか。
そこを語ってもらいたかったです。

名前: 雛人 ¦ 13:41, Monday, Feb 26, 2007 ×


怪異:ささみ……。しばらくはささみを見るたびにこの怪談を(ry
つーか、海道くん見えない人だったのかとか、お札程度で防げて良かったねっつーか、奥さん完全な被害者じゃねーかとか、脳髄を去来する突っ込みの数々が。
低級霊を持って帰ってきたようで、防げて何よりです。+0.5
文章:百物語の説明が必要かなぁと思ったんですが、初心者が読むことも考えると……っていうか、初心者だって百物語は知ってるんじゃ。
他には、宴会から家までの描写が長いかな、と感じました。間延びした印象。
終わった!宴会した!帰宅!奥さん魘される!な、なんだってー!
くらい畳み掛けても良かったんじゃないかなぁ。
0

あ!!!
ささみの正体、ぬっへっほじゃないか?!

名前: brother ¦ 22:35, Monday, Feb 26, 2007 ×


内容:1 文章:0

うう、ささみみたいなヤツって不気味ですね。
百物語の影響が、本人でなく奥さんの夢に出るところが珍しかったです。

名前: ダウン ¦ 00:27, Tuesday, Feb 27, 2007 ×


これを「怪異」と言い張るのは苦しいと思う。
奥さんの見たのは結局は「とてもリアルな夢」に過ぎず、それがたまたま海道くんが百物語に参加した日と一致しただけ。海道くんが心霊スポットなどによく出掛けていくのであれば、そういう「偶然の一致」が起きる確率も高まるだろう。

名前: ナルミ ¦ 01:58, Tuesday, Feb 27, 2007 ×


本物のお化けなんて見たがるものではないですね。
好奇心も程ほどにってところでしょうか。
肝心の怪異よりも、そこまでの説明が長い感じがしました。
見たのは夢の中とはいえ、そんな恐ろしいものが後ろから付いて来て家の中に入り込もうとするなんて、相当怖い体験のはずなんですが、肝心な所があっさりしすぎたせいか、あまり怖さを感じませんでした。
怪異に+1。
文章に0。

名前: 飛泉 ¦ 23:46, Tuesday, Feb 27, 2007 ×


夢オチですが面白く感じるのは、ささみ肉の塊、という描写がよかったせいでしょうか。
前振りが長い気がします。奥さんの夢をメインに持ってきたほうが、怖さとしては感じられたかも。
素材:0 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 13:30, Wednesday, Feb 28, 2007 ×


奥さんの夢に出て来たものが、海道くんについてきたお化けだったとして。
妖怪にも憑きやすい相手とそうでない相手がいて、奥さんの夢には入れたってことでしょうか。
けれど、お札のせいで家に入れなかったのなら、家の中にいる奥さんにも憑けないだろうし…。やっぱり夢は別モノかなと思いました。(−1)

「のべっとぐちゃっと」は、鶏ささみを想像しやすくてイヤになりました。おまけに人の形ですか。
生肉に触るの嫌いなので、感触まで思い出しました。鶏ささみはしばらく買いません。(+1)



名前: 13 ¦ 20:03, Thursday, Mar 01, 2007 ×


「夢オチ」という言葉があります。
実話怪談では「つまんねー話」の代名詞になっている話の事です。従って「夢オチ」の話は評判がよくありません。そう、あの世界的に有名なコスミック・ホラーの大家HPLも夢オチをネタに作品を発表し、周囲からコテンコテンに酷評されたそうです(笑)
それから百年、彼は世界のホラー作家の羨望のマト〜、なんかと比べるような壮大な作品とはいい難いですねこの作品は(笑)
いけません。よっぽど楽しかったのでしょうがそういう集まりの後には一旦鳥居の下を潜りましょうね海道くん。
そうした小粒な作品ですが、ひとつだけ僕が特筆したい事は、すでに別の講評者さんも指摘している事なのですが、奥さんが見たのが「幽霊」ではなく「ぬっぺっぼう」ではないかという事。
もしそうだとしたら、これはこれで貴重な目撃談と言えるのでは?そんな愉しみ方が出来ました。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 23:23, Friday, Mar 02, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 さすがに超-1の場で百物語の薀蓄は不要だろう。
 書くのであれば「なかなかの迫力」という表現だけで終わらせている百物語会場での内容や雰囲気などを示して欲しかった。
 海道夫人がみた夢の内容はなかなか興味深いが、如何せん「夢」であり、提示されている怪異はこれのみであるので、作品としてはプラスには評価できない。 

名前: 空 ¦ 12:34, Monday, Mar 05, 2007 ×


「ささみ」の動きなどをもう少し書いて欲しかったです。

名前: 竹下 登 ¦ 15:57, Wednesday, Mar 07, 2007 ×


ささみ肉のような霊ってどんなだ@@
気になるなぁ、もしかしたら百物語の中で出てきた話の主だったのかな
そうっだったなら、それが絡んでればもう一粒おいしかったかも><
てか、その容姿が想像つかなくて、気になる
内容+1 文章0

名前: cross2M ¦ 21:00, Saturday, Mar 10, 2007 ×


僕には奥さんが悪夢にうなされたという話に無理矢理こじつけたように感じました。

名前: 撃墜王の孤独 ¦ 14:02, Sunday, Mar 11, 2007 ×


明朝出勤するとき、そいつが玄関にいない事を彼は祈った。ここで読む限り、海道さんなら、逆のことを考えるのではないかと思った。
そこまでの書き方から海道さんの人柄をそう判断していた。
そういう意味では矛盾を感じる。
話自体はそれほど悪くはないと思うが、夢の中の出来事ということで低めの点になった。

名前: 黒ムク ¦ 18:43, Monday, Mar 26, 2007 ×


文章:0 怪異:+1

奥さん、かわいそう(笑)

海道君にはぜひ次の日そのささみが玄関前に居る事を楽しみにしてほしかった。
それでこそ怪談マニア。

名前: 晴。 ¦ 10:54, Tuesday, Mar 27, 2007 ×


「百物語その後」ですからね、当然読者は何かあるはずだと思って読むわけですよ。
ところが夢だからなあ。
期待を裏切られるのは、怪談ではむしろいいことの方が多い気がしますがこの場合は……
しかしながら、人の夢と言うのは基本的に聞かされても面白くないものですが、これはちょっと面白かった。

名前: 藪蔵人 ¦ 22:28, Tuesday, May 01, 2007 ×


起こった怪異は夢という事もあり、微妙ですね。
百物語で語られた怪談と、何か本当に因果関係があれば説得力があったかと思います。
のべっとぐちゃっとしたやつ…という表現がいいですね。文章技術評価0 体験談希少度評価0

名前: ナメコ ¦ 15:16, Thursday, May 10, 2007 ×


基本的に、夢ネタは積極的な評価を下す気になれない。
現実とのリンクがあれば話は別だが。
ただ、海道氏が百物語に行っていたことを奥さんに内緒にしていた点は、偶然の一致を超越した事象であるようにも思えるのだが……。

名前: GPZ ¦ 01:32, Sunday, May 13, 2007 ×


百物語の説明は不要です。怪異が夢かぁ。夢の内容は怖いです。

名前: ペペ ¦ 16:48, Thursday, May 17, 2007 ×


非常に丁寧な文章で好感が持てますが、百物語の細かい説明までは要らないと思います。
「怪を語れば…」というパターンの話はよく聞きますが、妖怪のような物が憑いて来たのは珍しいですね。
「のべっとぐちゃっとしたやつ」はその後どうしたんでしょう? まだ海道くんの家にいたりして。

文章1 怪異1 =2

名前: 久遠平太郎 ¦ 22:04, Sunday, May 20, 2007 ×


素材・0 文章・0
百物語の説明は不要。
怪異は上手く表現できているが、
とりあえず夢オチと判断する。
よって、申し訳ないがこの点数で。

名前: つくね乱蔵 ¦ 14:33, Wednesday, May 30, 2007 ×



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