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R子さんの実家、本家のお墓の横には古い苔で覆われた小さなお墓がならんでいた。 「昔、家の門の所で倒れて亡くなった人がいて、かわいそうだから埋めてあげたんだよ」 幼い頃に今は亡くなった祖母からそう聞かされていたという。 「2年前に家の横の道路の拡張工事が決まって、少し離れた所に引越することなったんです」 そのために新しい家を建て替える事になった。 その際、古くなっていたお墓もきれいに並べかえる事になったという。 もちろんお坊さんにも来てもらいきちんと作業は終了した。 「祖母が亡くなった15年前まで土葬が行なわれていたので、遺骨のこととか、いろいろ大変だったみたいです」 R子さんは東京で働いていたためすべて実家の両親や親戚達に任せていた。 そのため新しい家とお墓を見たのはお盆に帰省した時だった。 「なんか変な造りの家にしたなぁというのが第一印象でした」 2階建ての大きくりっぱな家なのだが、階段が家の中央にあり迷路のような感じだったという。 階段横の2階の日当たりのいい場所にR子さんの部屋は用意されていた。 淡いピンクの壁など両親がR子さんの事を意識して造ったのがすぐにわかった。 しかしR子さんは落ち着かない感じが したという。 「その時は単に新しい家に慣れていないせいだと思いました」
次の日、家族や親戚が集まりお墓参りが行なわれた。 伯父さんや伯母さん達がみんな 「きれいになった」 とお線香をあげながら言っていた。
「その時に気付いたんですけどあの小さな古いお墓が見当たらなかったんです」 R子さんはなんとなくそのことを聞けないまま東京に戻った。 しかし秋になってすぐ祖父がガンで亡くなり、お葬式などのために実家に戻る事になってしまった。 「その時もやっぱり嫌な感じと落ち着かない事にかわりありませんでした。特に納戸と階段はやけに暗く感じました」 早く東京に帰りたかったが、そういう訳にもいかず結局、5日間程いる事になった。 「はじめは気のせいか見間違いかと思いました。」 夜中トイレに起きた時、誰かが廊下をスッと横切り、階段を降りていく音がした。その時は1階で寝ていた両親のどちらかが2階のトイレに起きてきたのかと思いあまり気にしなかった。
「後でよく考えたら1階にもトイレはあるのになんで2階まであがるのかなって思いました」 R子さんは手もとのコーヒーを口にした。
それから夜中に誰かが廊下を歩いて階段を降りていく音が毎晩の ように続いた。 両親ではない事は二人に確認していた。 「では誰が歩いているのか・・・」 R子さんは怖くて確かめる事ができないでいた。 「今まで幽霊なんて見た事なかったからどうしていいかわからなかったんです。せっかく建てかえたばかりの家にケチを付けるのもどうかと思って黙ってました。それにずっと実家にいるわけじゃないから我慢してやり過ごしたほうがいいって考えていました」
明日には帰れる。最後の夜だった。 夜中に尿意で目が覚めてしまった。 トイレに行くか考えて時計を見ると3時すぎ、2時ではないから大丈夫と無理矢理自分に言い聞かせてトイレに向かった。 無事トイレから戻ってからも、足をつかまれたらどうしようとかいろいろ考えていたが、次第に眠りに落ちていった。
・・・ふとR子さんは右手に違和感を感じ目が覚めた。 誰かがR子さんの手を握っている。 横に傷んだ着物にはざはざの髪の女性が正座をして座っていた。 泥と埃にまみれた顔をR子さんに向けている。
「人間ってあまりにも信じられない時って声も出なければ、なんとかして頭の中で解決しようとするんですね」
R子さんは必死に下の階の両親を呼ぼうとした。 「うぅ・・お・・ぉ」
女の声とは思えない唸り声しか出なかった。 女は握った手を離すことなくだだ座っていた。 どの位そうしていたかわからなかった。 朝になり目が覚めて初めて自分が気絶していたことに気付いた。 R子さんは絶対あの小さなお墓が原因だと思い両親を問いつめた。 ところがそのお墓はきちんと本家の墓から少し離れた所に建てられていた。 結局あの女はどこの誰かはわからずじまいで終わるかと思われた。
「うちのお墓をなおした時に間違って一人だけ移し忘れていた人がいたんです。違う家のお墓と隣接していたせいと土葬した場所の関係で、うっかり直し忘れていたらしくて・・・」 原因が解決したならもう安心ですねと私は話を締めくくろうとした。 「そうなんですけど、私はやっぱり家の間取りとかそういうのも良くないんじゃないかってちょっと心配なんです」 R子さんの父親は今入院している。R子さんの親戚内でも離婚や病気など嫌な出来事がつづいている。 「そのせいだとは言わないけど実家に戻るのが怖いです」 R子さんは次のお盆まではなんとか理由をつけて戻らないつもりだと語った。
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受信: 17:12, Wednesday, Mar 28, 2007
■講評
けっこう長めな文章なのに、それを全く感じさせず、最後まで一気に読みきれました。今も続くR子さんの恐怖もありありと感じられました。 実家で体験した恐ろしい現象の原因が判明して、これで一段落かと思ったら、どうもそれだけはないらしい?というのがいちだんと恐ろしく感じられました。 何らかの対処が必要なように思えますが、因果関係を立証するのが難しい以上、建てたばかりの新しい家を壊して作り直せとは中々言えないだろうし。 なぜ妙な間取りにしてしまったのかも気になるところですね。 怪異に+2 文章に+2 |
名前: 飛泉 ¦ 13:28, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
素材+3
最初は無縁仏の仕業かと思いきや、じつは家相が悪いのか、と落とし処が予想と外れたのが好印象でした。 怪異自体は霊と接触した事のみですが、現在進行形なので。 |
名前: 有線 ¦ 13:29, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
体験者が感じる、じわじわとした怖さが伝わってくる文章:+1 幽霊にも遭遇。素材:+1 でも、何か感じる違和感は、題名と落としどころが違っていたせいだろうか。
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名前: 夢屋 陣 ¦ 15:59, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
無縁仏が祟っているのかと思えば、どんでん返しで解決済みという。 しかしながら不幸は止まらない。 こんな怖いことが未だ進行中だとは!
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名前: くりちゃん ¦ 16:14, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
文章技術自体は至って普通なのだが、誤字や意図不明な記述が散見される。
・「はざはざの髪」 ばさばさ、の間違いなのだろうか。
・「だだ座っていた」 ただ、が正しいのだろう。「だだ」は三面怪獣だ。
・「時計を見ると3時すぎ、2時ではないから大丈夫」 その根拠がどこから来ているのかがよく分からない。
怪異の正体が判明したような(結局のところ、改葬し忘れた女性の霊なのだろうか。出現した霊の描写や、R子さんがその因縁について全面否定していないところを併せて見ると、その可能性も残っている。それならば、無縁仏の記述は不要ではなかったのだろうか?)しないような、不透明な読後感が残った。 家の間取り云々についても、漠然と「そのような気がする」で済ませては、親族間での離婚や病気といった出来事に対する根拠としては説得力に欠けるのではないだろうか。 出現した女性の霊が不気味だっただけに、あれもこれもと要素を詰め込みすぎてしまった点は残念である。 |
名前: GPZ ¦ 18:47, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
>2時ではないから大丈夫 何かが起きるのが必ず2時なんだと認識できる部分が見当たりません。
結局、女の霊も、その後続く身内の嫌な出来事も、無縁仏とはまさに無縁だったということでしょうか。 無縁仏についてここまで丁寧に書いたこと、タイトルにまでなっているのが無駄になっている気がします。
>結局あの女はどこの誰かはわからずじまいで終わるかと思われた。 >原因が解決したならもう安心ですねと私は話を締めくくろうとした。 体験者の話は最後までちゃんと聞いた方がいいと思いますよ。
ずけずけと指摘させていただきましたが、他にも誤字やくどい表現が多く、内容が良かったとしてもプラスは差し上げられません。 送信する前にチェックした方がいいですよ。 携帯からにしてもPCからにしてもひどいです。 |
名前: 13 ¦ 19:03, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
2時ではない、は「丑三つ」ではない、と言う意味でしょうか。 家相は確かに悪そうですね。 文章はちょっと長く感じました。 |
名前: 丹羽 ¦ 20:28, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
内容:1 文章:−1
漠然のした恐怖の漂う話でしたが、やや決定打にかけている気がしました。 まだ、怪異が進行しているみたいなので、続きが聞きたいですね。 |
名前: ダウン ¦ 21:44, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
R子さんは家族に冷たいなあというのが第一印象でした。
文章は 『R子さんは手もとのコーヒーを口にした。』に違和感を感じました。急に現実に引き戻されてしまったような。
『女の声とは思えない唸り声しか出なかった。 女は握った手を離すことなくだだ座っていた。』も、R子さんと霊に同じ『女』という表現は使わない方がよかったかなと思います。 |
名前: 雛人 ¦ 23:56, Wednesday, Feb 21, 2007 ×
タイトルにもなっている「無縁仏」について長々と書いた割には、結局怪異とは無関係で拍子抜けしてしまった。むしろ書かない方がよかったと思う。 逆に、家の構造についてはもっと書き込んだ方がよかった。(鬼門がどちらにあるか、なども) また、ラスト部分の時系列があいまい。墓の移し忘れに気付く・墓を移す・父の入院・親戚の離婚や病気。これらの時系列がはっきりしないと、「原因」が何かがわからなくなる。 |
名前: ナルミ ¦ 00:05, Thursday, Feb 22, 2007 ×
前後の状況などが説明不足? 他の方が書いてるので、繰り返しませんが落ち着いて書かれるように。 |
名前: 博多魔道師 ¦ 02:52, Thursday, Feb 22, 2007 ×
| これはまとめようによってはかなりの秀作に仕上がる可能性を潜在している怪談ではないかと思います。作者の方、もう少し熟成させたほうが良かったのでは?奇妙な間取りの家、まとまりのない厭な雰囲気、無縁仏、階段を歩く足音、土塗れの女。まるでJホラーのように小道具いっぱいです。あまりにも惜しむべきなので、逆に配点が辛めになってしまいましたが、事象にもう少し首を突っ込んで肉付けを行い改めてリライトするのも手かと。ちなみに知り合いの麻布で工場を経営してた方も、水道管が詰まったので自分で修理しようと裏を掘り返したらしゃれこうべがゴロゴロ(笑)もとお寺の敷地だったそーなんですが、怒り狂ってました。同感です(笑) |
名前: 矢内 倫吾 ¦ 10:56, Thursday, Feb 22, 2007 ×
怪異:無縁仏……。埋葬したらずっと奉れと言うか。贅沢な奴だなぁ。(;´∀`) 家の怪異はどうなんだろうなぁ。風水とか言い出したらキリがないぞぅ。+0.5 文章:文章が繋がってなかったり、意味が分からないところがあったりしまして、読みにくかったです。 音が毎晩のように〜 〜最後の夜だった の前に「5日間程いる事になった」と書いてあったり(上記の書き方だともっと長い期間だと受け取る) 「人間ってあまりにも〜 〜解決しようとするんですね」 も、あとに続く文章と繋がってません。 とにかくこういうことが多いです。 ……この文体に見覚えがある。
オレンジ色のトレーナーの人だ。 もちっと精進しませう。-1 |
名前: brother ¦ 01:23, Friday, Feb 23, 2007 ×
-4 0 +4 文章;■■■■■□□□□(±0)…a 構成;■■■■■□□□□(±0)…b 怪異;■■■■■□□□□(±0)…c 恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d 嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e ※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)
筆者の方はどんでん返しを狙って結末に家相の話を持ってきたのかもしれないが、これが全くの裏目に出ていると言っていい。 また、大部分を割いている無縁仏の話も冗長とは言わないが、抑揚がなく、ポイントが搾り切れていない印象を受ける。 誤字は問題外として、仰々しい描写や不自然な表現などは第三者に目に触れ、意見を貰うことで改善できるものなので、応募される前に一度誰かに読んでもらっては如何だろうか(他の作品の講評でも散々この台詞は書いているが、「怪談書いたんだ。読んで」とお願いするのは慣れないと結構恥ずかしかったりする)。
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名前: 空 ¦ 19:31, Saturday, Feb 24, 2007 ×
| もう少しまとめられたのでは。細かな表現はされているのですが、いまいち伝わらないですね。内容自体は怖いと思います。 |
名前: 竹下 登 ¦ 10:26, Wednesday, Mar 07, 2007 ×
無縁さん怖いなぁ 家の造りも問題あるっぽいし 長い文章をすんなり読ませる力に+ 内容0 文章+2 |
名前: cross2M ¦ 14:58, Saturday, Mar 10, 2007 ×
現在進行形なのと、どうしたらいいかわからないのが怪異の怖さのひとつではないかと思います。 文章は長いがこのくらいの説明はないとわかりにくかったかも |
名前: 黒ムク ¦ 12:45, Tuesday, Mar 13, 2007 ×
文章:0 怪異:+3
まだ終わってない、という事が一番怖いです。 ラストで原因が分かって一応オチがついた、 かに見えた途端にR子さんに覆されるのも恐怖。
文章に関しては読みやすくていい文章だと思うのですが、
>R子さんは手もとのコーヒーを口にした。
この一文は余計なのではないかと思います。 突然突き放された感じ。 |
名前: 晴。 ¦ 17:17, Friday, Mar 16, 2007 ×
すっきりしない話ですね。 結局無縁仏は関係ないのなら、家の間取りに話を絞るべきだったのではないでしょうか。
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名前: 藪蔵人 ¦ 18:26, Tuesday, May 01, 2007 ×
無縁仏の話と思ったら、お墓の問題となり、しまいには間取りになってしまったって結局収集がつかなかったような感じに思えました。長いお話でしたが、それがために焦点がぼやけた感じがしました。 ばさばさ髪の女が怪異といえば怪異ですが、話の中に埋もれてしまいインパクトがなくなったように思えました。文章技術評価0 体験談希少度評価0 |
名前: ナメコ ¦ 01:34, Saturday, May 12, 2007 ×
う〜ん。唐突に話の流れが覆された感じがして、ちょっと釈然としなかったです。 R子さんの感じる違和感が伝わってくれば、もう少し印象も違ったと思うのですが…。
文章0.5 怪異0.5 =1 |
名前: 久遠平太郎 ¦ 21:14, Saturday, May 12, 2007 ×
| 怪異はありますが、因果関係がはっきりしないのでは……。現在の部分の挿み方も気になるところがありました。 |
名前: ペペ ¦ 15:27, Thursday, May 17, 2007 ×
素材・1 文章・−1 書かれた物をプリントアウトして読んでみることをお勧めします。 そうすれば、珈琲がどうのこうのは必要ないな、とかが判ります。 素材自体は大ネタに化ける可能性がありますね。 |
名前: つくね乱蔵 ¦ 19:52, Wednesday, May 30, 2007 ×
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