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じぇんこ
 私が生まれてすぐの年に、母が体験した話である。
 母の地元は秋田で、その年も大雪であった。そのため、
どこに出かけるわけでもなく、昼寝をしていたそうだ。
「今でもはっきり覚えているんだよ。あんな夢、初めて
だったがら。」
 
夢には、母の何年か前に亡くなっているおじいちゃん
が出てきた。どんよりした曇り空が、横にぱぁっくりわ
れて、着物を着たおじいちゃんが出てきたそうだ。そし
てこういった。
 「はがさぁ、じぇんこ入れでけれぇ。」
お墓にお金を入れてくれ。秋田の方言でお金のことを
「じぇんこ」という。母がわかった、と言うとすうっと
消えた。
 次の日に、空き瓶に小銭をつめてお墓に行った。だが
雪のために、いくら掘っても掘っても土がみえなかった。
仕方なく雪の中に埋めて家に帰り、家族に夢のことと今
お墓に行ったことを話したそうだ。みんな不思議がって
いたが、そのこともしばらくして忘れられていった。
 それから5年たって母の祖母が亡くなり、葬式の手伝
いに久しぶりに実家に戻った。母は懐かしいなぁと何気
なく部屋を見回し、押し入れやタンスを見て回ったそう
だ。ふと、本棚に瓶があるのに気づいた。
 「あっ、、、。じぇんこ、、、入ってら。」
 
確かに、あの時母が埋めた瓶だったと、間違いなかっ
たという。
母の字で「おじぃ」と書いてあったから。
「土に埋めてあげなかったがら、届かなかったのがもし
れねぇ。」
墓からは決して何ももって帰ってきてはいけないとい
う決まりがその地方にはある。お金も例外ではないから、
だれかが持ってきたわけではない。祖母の納骨のときに
一緒に埋めたそうだが、5年も経ってしまって大丈夫だ
ろうかと、20年近く経った今でも心配している。








11:44, Friday, Feb 16, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(22) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(7) ¦ 携帯

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» 【+3】「じぇんこ」 [DJ ZIRO『超-1 2007』感想ブログから] ×
昔話みたいな怪談ですね。これで中身が金銀パールに変わっていたら・・・。 この話の ... 続きを読む

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» 【0】 じぇんこ [hydrogen's blogから] ×
内容: 1文章: -1死んでから金が入用なわけもないので、これはたまには墓参りしろよという苦情の一種だったのでしょうかね。だから戻ってきたのでしょうし。そういう話は沢山ありますけど、諦めて帰ってきちゃう話はそんなに多くないように思います。文章的には別にそれ .. ... 続きを読む

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» [超−1]【0】じぇんこ [幽鬼の源から] ×
読後の感想として最初に出てきたのが「瓶は誰かが持って帰ってきた」という疑念。 田舎では墓に供えた物を持って帰ってはならない風習があるとのことだが、銭の入った瓶が果たして“供え物”とみなされるのかが問題である。 体験者自身墓に供えたというよりも“雪の中 .. ... 続きを読む

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» 【+1】じぇんこ [2007年超-1・TOMOKI講評から] ×
素朴な怪異と朴訥な文章とが実にいい雰囲気を醸し出していますね。特に、届けるのが5年も遅くなってしまったと、未だに心配しているお母様のお人柄に惹かれます。誰かが持ち帰ったという可能性が否定し切れないのですか、考えてみると深い雪の中に埋まった瓶を探して持 .. ... 続きを読む

受信: 23:53, Saturday, Feb 24, 2007

» 【−1】じぇんこ [与粋鴎歌ブログから] ×
文章技術 0 体験談希少度 −1 やはりお金が返ってきたことにおばあさんが関与し ... 続きを読む

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 <文章> +1  <体験> −2  <得点> −1  方言を適度に入れながらしかもじんわりとしたノスタルジーも感じさせる。  それだけで程良い味が出てしまう。何か卑怯な手に填められてしまう悔しさもあるものの やっぱりそうした文章を読むのは心地良く感じ .. ... 続きを読む

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» 【+1】じぇんこ [I'd like to tell you something about ...から] ×
 >母の何年か前に亡くなっているおじいちゃん が出てきた 主語の位置が変です。 これじゃ、お母さんが亡くなる数年前に亡くなったともと取れます。 →何年か前に亡くなっている母のおじいちゃん((もしかして母の縺 ... 続きを読む

受信: 12:15, Monday, Mar 19, 2007

■講評

民話のようだった。
お母さんの、おじいさんに対する優しい気持ちがよく伝わってくる。
しかし「怖い話」というよりも「いい話」になってしまった。

名前: くりちゃん ¦ 15:52, Friday, Feb 16, 2007 ×


誰かが持って帰ってきた可能性を拭いきれなかったのが残念。決まりだから、だけではちょっと弱いですね。(−1)

怖くはなかったけれど、にじみ出る温かさにプラス。
>いくら掘っても掘っても土がみえなかった。
雪国暮らしの心に響きました。(+1)

名前: 13 ¦ 21:25, Friday, Feb 16, 2007 ×


内容:1 文章:0

お金が戻ってきてしまったのは、不思議ですね。
それよりも、おじいさんが死んだ後もなぜお金をほしがったのかが気になります。

名前: ダウン ¦ 23:45, Friday, Feb 16, 2007 ×


夢は単なる夢、瓶は誰かが(ひょっとしたら祖母)が持って帰ってきた。そう解釈すれば怪異でも何でもない。
やたらと妙なところで改行が入って読みづらかった。

名前: ナルミ ¦ 00:31, Saturday, Feb 17, 2007 ×


怪異:夢自体は小粒ですが、いつの間にか移動してきた瓶が謎ですね。
ちゃんと入れてないからやり直しという意味なのか、それとも別の存在がイタズラで持ち帰ってきたのか。
大穴は「お祖母さんが持って帰ってきた」ですが、禁忌を犯してまですることかなとも思いますし。
どうもすっきりしないッス。0
文章:なんか、文章が変です。
>夢には、母の何年か前に亡くなっているおじいちゃんが出てきた。
これなんかが良い例、いや悪い例ですが、これでは母まで亡くなってるようにも見えます。
 夢には、この何年前かに亡くなったおじいちゃんが出てきた。
のようにすれば、当時の時点で数年前に亡くなったおじいちゃんという表現になるのではないでしょうか。
こんな感じの違和感が数箇所見受けられますので、次の作品ではがんばってください。
方言は良かったです。その注釈もうまい具合に馴染んでます。0

違和感があった文章を行数で示しますので、参考にしてください。
二行目  その年「も」大雪
十六行目  夢のことと「今」お墓に
十九行目  「母の」祖母
二十四行目  確かに、「あの時」母が

名前: brother ¦ 00:32, Saturday, Feb 17, 2007 ×


内容はよかったと思います。
文章がこなれていればさらにいいと思います。

名前: 丹羽 ¦ 13:26, Saturday, Feb 17, 2007 ×


技術0 素材1
恐ろしい、とまでは行かないのですが、なかなか奇妙なお話だと思います。
方言の効果で、素朴な味わいとリアリティが増しています。
構成も危なげのない流れだと思うのですが、やはりスムースに通読できる文章を心がけて頂けたらと思います。

名前: Chelsea ¦ 09:35, Sunday, Feb 18, 2007 ×


茨城の方ではお葬式でお金を投げるし、死者とお金は意外に縁がありますね。
三途の川の渡し賃とか。
方言がいい味出してました。

名前: 藪蔵人 ¦ 12:58, Sunday, Feb 18, 2007 ×


どこかにお母さんの勘違いが混ざっているのでは、と思いながら読んでしまいました。
雪が融けてから墓参りに行ったときには、瓶のことは忘れていたんでしょうかね。

『墓からは決して何ももって帰ってきてはいけないという決まりがその地方にはある。』は、ちょっと強引な説明かなと感じました。

名前: 雛人 ¦ 21:02, Sunday, Feb 18, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 筆者の方は怪異を読み手に対してどの方向に促したかったのだろうか。
 土に埋めなかったから届かなかった、という母親の解釈が示されているが(1)瓶がひとりでに帰ってきた(2)希望の形で供えられなかったので、祖父がやり直しの意味で戻した(3)誰かが持って帰ってきた等々が考えられる。(2)だとなかなか面白いのだが、作品を読む限り非常に濃厚な(3)の可能性を完全に否定するだけの材料が不足しているため、読んでいるほうとしてはどうしても怪異に没入できない。
 舞台である田舎の雰囲気は巧く醸していると思う。

名前: 空 ¦ 12:21, Monday, Feb 19, 2007 ×


不思議な話ですね。せっかくの小銭の瓶がおじいさんの手元に届かなかったのが、今でも気になるのはちょっと気の毒です。
あんまり怖くはないので、怪異としては0ですが、
体験談としては悪くないと思うので+1で。

名前: 飛泉 ¦ 19:29, Thursday, Feb 22, 2007 ×


文章:+1 怪異:+1

ほっこりする。
誰かが持って帰ってきたものではないと信じて読みたい。
“ぱぁっくり”という独特の言葉の使いまわしもこの怪異に花を添えていると思います。

それにしても、おじい、大丈夫だったんでしょうか。

名前: 晴。 ¦ 16:52, Friday, Feb 23, 2007 ×


傘地蔵風味(笑)
じいちゃん、地獄の沙汰も金次第だよーってまさにその通りなんでしょうね。しかし、また雪の中だというのはちょっとずさんでは?ばっちゃん…。
賽の河原でじいちゃん困ったよきっと…。でも、もう時効です。ばーちゃんちゃんと持って行ってくれましたって。
怖い話ではなく、民話のテイストなので、もう少しメリハリある話に仕上げたほうが良かったかも。
方言は岩井志麻子さん得意の分野ですが、あんまし方言だらけの怪コレも見たくないので右へナレイで多用するのは僕の好みではありません。
しても、二十年悩むな母さん…。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 03:18, Sunday, Feb 25, 2007 ×


悪くはないんですが、文章をもう少し分かり易くすると良かったと思います。

名前: 竹下 登 ¦ 11:31, Friday, Mar 09, 2007 ×


おじいちゃん、何でお金が必要だったの??
それもわざわざ雪に埋もれたお墓に持ってこさせなくても><
人的な作用と、どうしても勘ぐってしまう
方言にちょっとやられた^^
内容−1 文章+1

名前: cross2M ¦ 16:11, Friday, Mar 09, 2007 ×


読みながらつまずく感じの文章で・・・
そもそもおじいちゃんが亡くなったときに死者用のお金をいれてあげるのを忘れたから出てきたのかとか、勝手な解釈をしてしまう点がいくつか目につきました。
説明しすぎもよくないですが、読者が納得できる程度の取材、説明がほしいです。
とにかく文章、何とかならないですかねぇ。
読みにくくて・・・・

名前: 黒ムク ¦ 13:58, Friday, Mar 16, 2007 ×


「じぇんこ」等の方言がいい雰囲気を出してますね。囲炉裏で地元の人から聞いたような、そんな気にさせてくれる話でした。

文章1 怪異0.5 =(繰り上げて)2


名前: 久遠平太郎 ¦ 20:02, Saturday, Mar 24, 2007 ×


民話的で味のある話でした。
しかし、何故瓶が戻ってきたのか、何故お金を必要としたのかといった読み手書きにするところが謎のままです。
墓から持ち帰ってはいけない風習は強引ぽくて、説得力としてはどうかと感じます。
何ともいえず、すっきりしない話で終わった印象です。
素材:0 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 17:13, Friday, Mar 30, 2007 ×


素材・0 文章・0 方言を交える記述は良し悪し。 
その地方では云々の記述が無ければ、何の怪異も起こっていない。 逆に言えば、この一文が無ければ怪異譚としては成立しないということである。

名前: つくね乱蔵 ¦ 11:12, Saturday, Mar 31, 2007 ×


じぇんこ って不思議な言葉でしたが、どういう意味かわかりました。おじいさんのお願いを聞いてあげるお母さんのやさしさが伝わりました。瓶が本当にひとりでに戻ってきたのなら、おじいさんが真に欲するものは他のものだったのかも?とか考えさせられました。
文章技術評価0 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 18:52, Friday, May 04, 2007 ×


話の背景のせいか、怪談というよりもほのぼのした不思議な話のように感じた。
お祖父さんが「じぇんこ」を欲しがったのは、三途の川の渡し賃なのだろうか。
文章については、言い回しに配慮が欲しかった。
例えば
>母の何年か前に亡くなっているおじいちゃん
いつからみて「何年前」なのか、母から見て祖父なのか筆者から見て祖父なのか、など、違和感を感じる記述が幾つか見受けられた。


名前: GPZ ¦ 17:41, Thursday, May 10, 2007 ×


○○したのに、戻ってきたいうのは現象として怖い。

名前: ペペ ¦ 16:27, Wednesday, May 16, 2007 ×



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