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「いやホント、凄かったですよ」 不思議大好きの田代君が掌にダビデの星を持つ超能力者アレス教授の来日を知ったのは、某出版から販売されているオカルト雑誌の宣伝記事からだった。
曰く、手を触れずにビデオレコーダーや時計を止める。 曰く、その卓越した超能力で騒霊現象すら鎮めてしまう。 曰く、宇宙と交信し、UFOを呼ぶことすら可能である。
そんな凄い超能力者が日本の若者たちに、自分のパワーを分けてあげるためのセミナーを開くというのである。 性根の素直な田代君は、「雑誌でこんなに取り上げられているんだから、きっと本物に違いない!きっと物凄い奇跡を見せてもらえるに違いない!」と信じ込み、セミナー申し込みの手続きを行った。物好きな話である。
ところが、会場に足を運んですぐに後悔した。 席に詰めている人間の大半が、アキバ系ファッションの怪しい方々だったからだ。 「マジ、帰りたいって思いましたね…」 気の遠くなるような時間が経過した頃、出版社のスタッフに案内されて、超能力者・アレス教授が姿を現した。 にこやかな笑顔に穏やかな栗色の目がよく似合うユダヤ系アメリカ人。 その印象は決して悪くなかった。 「でも、途端に周りにいた連中が、瞑想始めたり、ぶつぶつと何か唱え始めたり…」
とにかくそんな暗黒のエネルギーに満ちた会場の中で、アレス教授は人間の潜在能力「肯定性」について力強く解説したという。 だがセミナー自体はそれで終了してしまった。 「ようは、期待外れってヤツだったんですけど…」 がっくりと肩を落し掛けた田代君に、司会者のアナウンスが一筋の光明を差し込んだ。 「えー、本日はセミナーに参加されたお礼として、アレス博士が皆さん一人一人に握手を交わし、自らのサイキック・パワーを注入して下さるそうです。この教授のパワーは皆さんの中の良いエネルギーをさらに浄化し、体内に取り込んだ悪いものを外へ排出してしまうという性質を持っていて…」 何と、サイキック・パワーの実体験が出来るというのである。
彼はドキドキしながら自分の順番を待ち侘びた。 会場の出口で大柄のアレス教授がセミナー参加者にお礼の言葉を述べながら力強い握手を交わしているのが見える。ようやく田代君の番が回ってきた。 手を出しかけた超能力者は、不意に首を傾げると、両手を広げて彼の全身を包むように抱いた。その瞬間。 どんっ、という鈍い衝撃が走り、そのあとに心地よい爽快感が全身を覆った。 びっくりする彼に向かって、アレス教授はにっこりと微笑んだ。 「これは本物だ、本物の超能力者はMr.マリックみたいなことはやんないんだって気付いて、もう興奮しちゃって、その手の事が好きな仲間に吹聴しまくりました…」
ところが二週間ほどした頃、例のオカルト雑誌を出している出版社から、再びアレス教授がセミナーを開くという案内が届いた。 前回の感動を忘れられず、彼は二度目の参加を希望。 最寄り駅に辿り着くと、少し時間が早かったので、近くの×××で昼飯を済ませて会場入りした。 予想した通りで、講義自体は味も素っ気もない精神論。 だが、もはや教授を本物と確信している彼にそんな事はどうでもよかった。もう一度、あの崇高なサイキック・パワーを体感してみたかったのである。 そしてセミナー終了。 前回のように教授が参加者にパワー注入の握手を始めた。
だが彼の番となったとき、またしてもアレス教授は小首を傾げ、今度は掌で田代君の脇腹をポンポン、と叩いたのである あれ?と思った瞬間。 腹がグルッと鳴った。 トイレに駆け込んだ時点で、ぶじっ、とお尻が噴いた。 「そらもう凄くて、茶色の濁流…」
昼のバーガーが変な味したなと、青山くんは呟いた。
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受信: 23:47, Saturday, Feb 24, 2007
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■講評
| 詐欺やだまし系かと思いきや、超能力とは・・・。怖さというよりも衝撃ですね。前半をもっと省いても良いような気がします。 |
名前: 藤子 ¦ 12:54, Thursday, Feb 15, 2007 ×
アレス教授は本物か否か? なんか怪しげだけど…。 雑誌にそういったセミナーが開催されるとあっても、私は怖くていけないかなぁ。すごいね。田代君。 文書の運びがとっても面白かった。書き手の人柄なんだろうなぁ。
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名前: 戸井田 ¦ 13:18, Thursday, Feb 15, 2007 ×
「手を出しかけた超能力者は、不意に首を傾げると、両手を広げて彼の全身を包むように抱いた。その瞬間。どんっ、という鈍い衝撃が走り、そのあとに心地よい爽快感が全身を覆った。」という描写は臨場感がある。
しかし、あの終わり方は! 竜頭蛇尾というか、脱力してしまった。 真面目な話かおちゃらけかわからなくなった。 可笑しかったけど。
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名前: くりちゃん ¦ 13:37, Thursday, Feb 15, 2007 ×
何すんだ教授!!!!wwww +2 前半、怪異と一見して無関係に見え、蛇足なようにも感じられるかもしれないけど-1、この部分のねちねちした引き込みが後半を生かしていると思う。+1 初回と二回目のアレス教授の態度の差の部分に、いろいろ想像する余地が残されていて好感触。 著者や体験者による理屈付けがないところはよいと思う。+1
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名前: カエル・ハイド ¦ 16:59, Thursday, Feb 15, 2007 ×
怪異:怪異っていうか。ねぇ。 初回のインパクトがあったら、信じちゃうのも分かる気はします。+1 しかし二回目、キレイにオチが付きましたね。 文章:正直、引き込まれました。 すごい筆ぢからです。 最初の数行で胡散くせぇなとか思ったボクが、こうも簡単に引っ張られました。完敗です。+2
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名前: brother ¦ 18:46, Thursday, Feb 15, 2007 ×
>曰く、の3連呼に笑ってしまいました。凄さをアピールすればするほどうさんくさい! なのに、会いに行きたくなってしまった… あまりにもうさんくさいので、「自分は信じてないんだけど…」と言わんばかりの書き方が逆に良かったです。(+1)
ここが某巨大掲示板だったら絶賛でしたが、実話怪談となると場違いのような気も。(−1)
ところで、最後に出てくる青山くんとは…? |
名前: 13 ¦ 22:04, Thursday, Feb 15, 2007 ×
超能力ですか。 ごめんなさい、正直言ってあまり良く分かりませんでした。 私に先入観があるせいかもしれません。 オチはもっと怪しい展開になるのかと期待したのですが。 (一体何を期待?と自分で突っ込んどきます) それでも文章がとても読みやすくて、けっこう長いのに最後まですんなりと読めてしまいました。途中で耐え難くなるかと思っていたのですが。文章に+1で。 |
名前: 飛泉 ¦ 22:20, Thursday, Feb 15, 2007 ×
内容:−3 文章:1
文章はノリがいいので長くてもスラスラ読めました。 でも…、アレス教授、なんかすごいことしたんですか? 便通を良くしてくれたのはありがたいのですが、正直それだけなの?と思ってしまった私は、信心が足らないのでしょうか? どうも怪談とは違う気がします。
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名前: ダウン ¦ 22:29, Thursday, Feb 15, 2007 ×
もしかしたら出版されるかもしれないお話なので、最後の言葉はちょっと下品すぎるような…(〃゜д゜;A アセアセ…
あと、純粋に怖いと思えなかったので−2点で |
名前: 椿 ¦ 23:20, Thursday, Feb 15, 2007 ×
| 申し訳ないが、個人的にはこういう超能力者だのセミナーだのいう話にはついていけない。評価不能。 |
名前: ナルミ ¦ 03:09, Friday, Feb 16, 2007 ×
技術0 素材0 初読は昼食中でした。
「ダビデの星」「セミナー」「サイキック・パワー」など、うさんくさい単語を全編にちりばめて、故意に眉唾な雰囲気を持たせているのだと思います。 それだけに、若干迂遠な語り口もどこかコミカルに感じさせ、オチの現象を引き立てています。 つまり、初めから好印象を持たれにくい素材であると判断した結果、一種のコントのように仕上げられているのだろうと思われます。 その意味では、文章面での磨き上げが足りない印象で、狙いを一層明らかにするためにもテンポなどの調整が必要かと感じました。 でも、わりと面白かったです。
ぶじっ、ですか。 うーん……。
かなりのセンスを感じました。 |
名前: Chelsea ¦ 04:25, Friday, Feb 16, 2007 ×
超能力セミナー?胡散臭そうな話のどこに怪異が潜んでいるのかと 早くも引きが入りながら読み始めたんだけど。 読み進んでいくうちに頭に浮かぶのは〇〇〇心理教。 これはもしやアレス教授シンパの勧誘を兼ねたDM or アブナイ新興宗教ではと本気で心配に。
なんてオチなんだ! すごいんだかすごくないんだかわからないよ、アレス教授! なんだか馬鹿馬鹿しくなってきた。 あぁ脱力感が…。 |
名前: 桜子 ¦ 10:52, Friday, Feb 16, 2007 ×
-4 0 +4 文章;□□□□□□□□□(−)…a 構成;□□□□□□□□□(−)…b 怪異;□□□□□□□□□(−)…c 恐怖;□□□□□□□□□(−)…d 嗜好;□□□□□□□□□(−)…e
文章は書き慣れているようだが、この作品は私の中での実話怪談の範疇には入らない。 |
名前: 空 ¦ 12:26, Friday, Feb 16, 2007 ×
こういうのもアリなのかなぁ? 怪談とは思えませんでした。 文章も、長く感じました。 |
名前: 丹羽 ¦ 13:17, Saturday, Feb 17, 2007 ×
最初のこれでもかと言わんばかりの怪しげな出だしが気に入りました。 正直読みたくないなあ、と思ったぐらいです。あんまりにも怪しいので。 しかもしょうもない超能力…… 楽しかったです。 |
名前: 藪蔵人 ¦ 12:55, Sunday, Feb 18, 2007 ×
最初に注入されたサイキックパワーは心地よい爽快感が体験できただけなんでしょうか。 そのときは体内に悪いものがなかったんでしょうね。 |
名前: 雛人 ¦ 16:58, Sunday, Feb 18, 2007 ×
あっっ!(念写超能力者・テッド・シリアスの真似) これは〜カンペキ遊んだ作品ですね。オカルトチックな題材を選んでなおかつピントのずれた人物を登場させてそのギャップを愉しむという、怖い話ではない怪しい話(笑) ただし僕の範疇の中では「何だか奇妙な怪しげな話=怪談」ですから充分アリな話だと思います。心霊スポットへ赴くのも超能力セミナーに参加するも怪談を読むのも、早い話が野次馬根性。あとはそれが吉と出るか凶と出るかの差でしかありません。 主人公がそこで目にした現象は、果たして本物だったのか?結果は果たして脱力系ですが、「ああ〜こう来たか」と思った方も多かったのでは?そういう意味では評価がプラスマイナスに分かれても付き合わされてしまった分、作者のネライは成功したと思われます。 だって、どう見ても怖がらせる話じゃあないですからね(笑) |
名前: 矢内 倫吾 ¦ 16:18, Sunday, Mar 04, 2007 ×
文章は読みやすく、どうなるのだろうとワクワクしながら読ませて頂きました。 ただ怪異ではないような… この方が本気で怖い話を書いたら傑作が生まれそうな気がします。 |
名前: 竹下 登 ¦ 20:19, Thursday, Mar 08, 2007 ×
超能力者ですか@@ しかもコントで攻めてきましたね あざとい・・・ そのあざとさに釣られて笑ってしまったw 怪談ではないだろうけど、私の中の怪異の範囲はやや広いみたいで、 ぎりぎりその上で楽しめました 内容+1 文章+2 |
名前: cross2M ¦ 15:48, Friday, Mar 09, 2007 ×
田代くんが盛り上がるにつれ、どんどんと萎えていく自分ばかりが浮彫りとなりました。 どうにも金儲け的な臭いがきつくて……。 個人的に受け付けない類の話ですね。 あと、突然の青山くんにもがっくりきました。 |
名前: いただ ¦ 16:25, Sunday, Mar 18, 2007 ×
怪談というより心霊系トンデモ話という趣。面白いか面白くないかで言えば、面白かったのですが、どう評価すればいいのやら判断に困る作品ですな。 文章はとても読みやすかったので。
=1
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名前: 久遠平太郎 ¦ 21:24, Sunday, Mar 18, 2007 ×
宗教の勧誘か何かですか、と聞きたくなる文章の進め方がちょっと・・・ これは怪異と判断できるかも疑問です。 個人的にはどうも受付けない話なので・・ ごめんなさい。 |
名前: 黒ムク ¦ 13:35, Tuesday, Mar 27, 2007 ×
胡散臭い文章をちりばめて、後半とのギャップを生み出したのは狙いですか? だとしたら、かなり引き込まれました。 ただ、素材として怪異とは少しだけ違うかと。 素材:−1 文章:+1
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名前: 夢屋 陣 ¦ 16:20, Friday, Mar 30, 2007 ×
文章は軽快で読み易いが、これを怪談として評するには些か抵抗を感じる。 怪奇譚というより、気功・サイキックセミナーの紹介文を読んだ気分になった。 |
名前: GPZ ¦ 05:46, Wednesday, May 02, 2007 ×
いやあ、これだけの長文を理路整然と書かれているパワーには驚きです。 アレス教授は本当に浄化してくれる本物の超能力者ということは証明されました。 文章技術評価2 体験談希少度評価0 |
名前: ナメコ ¦ 14:18, Sunday, May 06, 2007 ×
| 何か物足りなさを感じます。三段オチならプラスだったのに……。 |
名前: ペペ ¦ 16:06, Wednesday, May 16, 2007 ×
素材・0 文章・0 評価できない類の話である。 私は超ー1に怪異譚を求めているのだ。 |
名前: つくね乱蔵 ¦ 14:19, Friday, May 25, 2007 ×
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