ニワンゴ「超」怖い話特集ニワンゴから、毎週二回
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言いたかったこと
長谷川から聞いた話。

長谷川の親友である松本は、高校生の時に買ったSR400を丁寧に乗り続けていた。
安全運転をモットーにする松本は、仲間内で一番、事故には縁が無い筈であった。
けれども、本人が安全運転でも事故は向こうからやって来る。
彼は、対向車線を走る居眠り運転のトラックに跳ね飛ばされてしまった。

長谷川がI.C.Uを訪れた時、松本は顔の下半分を包帯で巻かれ、体のあちこちにチューブを付けた状態であった。
祈りも虚しく、意識が戻らぬまま、彼は二日後に旅立ってしまった。

葬儀を終えた夜。
長谷川は自分のアパートで、飲んだくれて眠っていた。
酒に沈む意識を揺り動かす音が聴こえてきた。
ドッドッドッド、という排気音に聞き覚えがある。
単気筒独特の排気音は、まさしくSR400だ。

(なんだ、松本の野郎、今頃何の用だ)
ぼんやりと考える。
そんな筈が無い、と気がついた。
奴は死んでいるのだ、偶々、SR400が通りかかったに違いないと自分に言い聞かせる。

が、SR400はアパートの前でエンジンを止めた。
カンカンカン、と鉄の階段を上がってくる音がする。

(来た)
長谷川は迷った。
友達には会いたいが、怖いのも確かだ。

ドアがノックされた。

「松本か」
思い切って声をかけた。

呻き声のような返事が返ってきた。
「あぁいあおう。あぁおああ」

そう言い残し、階段を降りていく。
エンジンがキック始動された。

「なんだ、何て言った」
我慢できずに長谷川はドアを開けた。
遠ざかるSR400のテールライトが坂道を登っていく。
部屋に戻り、松本が何と言ったのか考えてみた。

「あぁ、そうか」
思わず声が出た。
奴は、顔の下半分を粉々に砕かれてしまっていた。
まともに喋れるわけが無い。


「多分な、『ありがとう。さよなら』って言ったんだよ」
私の目の前で、そう言って長谷川は微笑んだ。








09:16, Monday, Apr 02, 2007 ¦ 固定リンク ¦ 講評(18) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯

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■講評

いいお話なのですが、展開がこれといって特別珍しいものではなかったので・・・
下半分を包帯で巻かれ、体のあちこちにチューブを付けた状態であった。という件から想像がついてしまいました。
超ー1なので厳しい点になりました。
ごめんなさい

名前: 黒ムク ¦ 13:45, Monday, Apr 02, 2007 ×


我慢できずに扉を開けるところに友への哀惜の情が感じられる。

「多分な、『ありがとう。さよなら』って言ったんだよ」
私の目の前で、そう言って長谷川は微笑んだ。

という文章から「長谷川」さんが思い出になってしまった友を大切に思っていることが読み取れる。

名前: くりちゃん ¦ 20:30, Monday, Apr 02, 2007 ×


よくある死んだ友人がお別れの挨拶に来た話なのだが“呻き声のような返事が返ってきた”という箇所があるのが他の類似談とは違う。ここの部分を書いているのと書いていないのでは、この話への印象度も大きく変っただろう。
長谷川さんと松本さんの強い友情が伝わってくる。

名前: 撃墜王の孤独 ¦ 23:09, Monday, Apr 02, 2007 ×


うんうん、ありがちといえばありがちかも知れません。
でも、バイクが好きであろう主人公と、やはりバイク好きの亡くなった松本さんの気持ちはよく込められていると思います。
仲の良い二人であったのでしょう。だからこそ悲しく悔しくはかないのかな。
そういう意味で、怪談という意味合いがやや薄れた感がなきにしもあらずとは思いますがそれはそれ。
体験者の長谷川さんの心に仕舞われていた大切な思い出だと思います。そういったものを語ってくれた体験者さまにやや控えめな点数ではありますが御許しを。
釈迦に説法かも知れませんが、長谷川さんもバイクをお乗りになる時は、くれぐれも気をつけて乗ってくださいね。松本さんが悲しみますからね。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 00:32, Tuesday, Apr 03, 2007 ×


前半はよくある怪談のパターンそのまま。
しかも、「死んだ友人が会いに来る」という感動系の話に、「顔の下半分が砕けていたからうまくしゃべれなかった」という落語系のオチが付くのが、どうにもちぐはぐで違和感が残った。

名前: ナルミ ¦ 01:00, Tuesday, Apr 03, 2007 ×


切なくて、いい話なんだけどなぁ・・・。
いかんせん、デジャブか!?思うほど、かぶったネタが存在します。
超ー1だったか、本編だったか、探し出すことが出来ませんでしたが・・・orz
オチが違うだけのものなのです。
タイトルとICUの行でオチも読めてしまって、う〜ん・・・なまま読み終わってしまいました。
どうしてもそういう観点から見てしまうので、著者さん申し訳ない。
ただ、長谷川さんの気持ちは伝わってくるので。
内容ー2 文章+1

名前: cross2M ¦ 03:03, Tuesday, Apr 03, 2007 ×


内容:0 文章:1

いいお話ですが、同じタイプの話しがたくさんありますね。
下顎がなくてきちんとしゃべれない部分は、切ないですが。

名前: ダウン ¦ 23:51, Tuesday, Apr 03, 2007 ×


いいお話、で終わってしまった印象。
直接の怪異がなく(ドアの向こうにいたかもしれないのに)、読み手としては期待はずれの感が漂います、正直。
松本さん、バイクに乗って現れたり、離れた筈の身体の怪我でまともにしゃべれない、まだ現世に余程未練があったのでしょうね。
素材:+1 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 15:39, Wednesday, Apr 04, 2007 ×


よくある話に真っ向から挑んでいてその姿勢が素晴らしいのです。これといって引っかかるところが無かったので点数は低めです。

名前: 高田公太 ¦ 18:15, Wednesday, Apr 04, 2007 ×


排気音とテールランプ、まともに話せないことなど、本人の姿形以外のものだけで松本さんだと察するのが、気心の知れた関係であったことを思わせて切ないお話でした。

イヤな言い方になりますが、呻き声から怖い展開になるかと期待してたら、温かなメッセージだったので拍子抜けしました。
良い話として捉えるにしてもありがちなので、プラスには至らず。ごめんなさい。

名前: 13 ¦ 14:38, Friday, Apr 06, 2007 ×


□素材:0 □恐怖:0 ■リアリティー:1 □文章表現力:0 = 1点

わざわざバイクに乗って挨拶に来るところに松本の実直さを感じた。
それにしても、バイクは元に戻っても、自分の下あごはそうもいかなかったのね。切ない。

名前: ゆんく ¦ 12:23, Sunday, Apr 15, 2007 ×


素材・0 文章・1
良い話なのだが、超ー1のジャンキー達には向かないかと思われる(笑

名前: つくね乱蔵 ¦ 20:26, Sunday, Apr 15, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■■□□□□(±0)…c
恐怖;■■■■■□□□□(±0)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 当事者の死者を慈しむ気持ちが前面に描かれてこそ成立している作品である。
 言い換えれば、情緒的な部分を取り除いてしまうと、すでに語り尽くされた、ありふれた内容であるように思う。

名前: 空 ¦ 18:46, Saturday, Apr 21, 2007 ×


死んだ人がメッセージを伝えに来るという話はありがちですが感動しました。怖いというより何だかもの悲しいですね。文章技術評価1 体験談希少度評価0

名前: ナメコ ¦ 22:14, Tuesday, May 01, 2007 ×


いい話ですね。申し訳ありませんが、よくある話です。

名前: ペペ ¦ 10:36, Tuesday, May 22, 2007 ×


これも、仲間内でしんみりと語り合うのに適した話ですね。
音だけで松本さんのバイクと分かるあたりなんか、バイク好きにはたまらないのだろうな。
私には全く分からない世界ですが。

名前: 藪蔵人 ¦ 09:45, Saturday, May 26, 2007 ×


体験者当人からすれば特別な話でも、読み手にとっては必ずしもそうとは限らない。
顎が砕けていたから明瞭な発音が出来なかった、とするくだりも、先に集中治療室の様子が記述されているので、「なるほどな」という感想は抱けない。

名前: GPZ ¦ 21:30, Sunday, May 27, 2007 ×


希少価値1 文章1 

お友達が訪れたところはじわじわ迫ってくる恐怖だったが最後でほっとする感じ。
きらいではない。

名前: HEATH ¦ 19:59, Tuesday, May 29, 2007 ×



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