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悔恨
 杉村さんは困っていた。
 内輪だけでの飲み会の後。彼女は一人、家路についた。携帯電話の時計はそろそろ午前一時を迎えようとしている。
 それはまだ良かった。問題は、『見えない誰か』がついてきている事。
 確かに自分のものとは別の足音が聞こえる。けれど、振り返ってみても誰もいない。
「姿は見えないんです。見えないんですが、頭にイメージが浮かんでくるんですよ。銀縁眼鏡で細身の若い男性の」
 歩いては振り向き、歩いては振り向きを何度も繰り返した。
 今まで経験した事のない恐怖は、杉村さんが家に着いた途端、唐突に消えた。
 嫌な事は忘れてしまおう。そう考え、早々に眠りについた杉村さんは、夢を見た。
「……目の前に女性が立ってました。今時の、巻髪にした可愛い人」
 夢の中の自分は、イメージに浮かんだ銀縁眼鏡の男なのだと、何故か確信できた。
『あんたとは遊びだったのよ〜、最初から。本命は別にキープしてるし。しっかし、あんたはアレが最低に下手糞だったわ〜』
 女は蔑みの顔でそう言うと、何処かへと歩き去っていった。
 無性に悔しくなり、目頭が熱くなる。そして、感情が爆発する寸前。
 杉村さんは目を覚ました。少しだ
け、涙が伝っていた。

「……あんな事言われれば、凄くショックなのは分かります。でも、だからって関係のない人に迷惑をかけないでほしいですよ……」
 苦笑しながら、杉村さんはそう締め括った。








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■講評

内容:1 文章:0

霊の無念を、夢で体験させられるという、珍しいお話ですね。
あまり怖くは無かったですが、銀縁眼鏡の悲しみがよく伝わってきました。

名前: ダウン ¦ 09:44, Saturday, Feb 24, 2007 ×


なぜ彼は杉村さんに憑いたのだろう。しかも自分のふられたことを杉村さんに追体験させる理由がわからない。彼はその女の子のところに出るべきなのに。
女の身である杉村さんにそれを訴えてどうしろと?
と銀縁君に情けなさを感じてしまう。
変わったシチュエーションの話だったので意外性があって面白かった。

名前: くりちゃん ¦ 09:49, Saturday, Feb 24, 2007 ×


『今まで経験した事のない恐怖』は、描写でもう少し伝えてほしかったです。
一緒に味わいたいので。
『「……あんな事言われれば、凄くショック〜』というほどのことでもないかなと(笑)

名前: 雛人 ¦ 10:46, Saturday, Feb 24, 2007 ×


生霊なんですかねぇ。死霊ではなさそうですね。
関係ないところに出てしまうのが、理不尽だけどありうると思いました。

名前: 丹羽 ¦ 22:23, Saturday, Feb 24, 2007 ×


前半はともかく、後半の「夢」は怪異とは思えない。
夢が絡んだ怪異はいくつも類例があるが、その多くは、
「夢で見たことが、あとになって(現実の証拠によって)裏付けられた」というものである。ところがこの話の場合は逆で、まず現実の怪異を体験し、その後にその怪異に関係した夢を見ている。体験した出来事にからんだ夢を見るのは日常的によくあることで、いちいち「怪異」扱いはしていられないだろう。

名前: ナルミ ¦ 00:59, Sunday, Feb 25, 2007 ×


自虐的だなあ、銀縁眼鏡氏。
悲しみを知ってもらいたいのならまだしも、恨みをぶちまけて回ってるところもイヤです。
自分も見せられたらたまらんという恐怖で、(+1)。

銀縁眼鏡氏に取り憑かれ、彼の記憶を再生されたなら、夢じゃない方が良かったです。
「間違いなく起きていた」「夢だと思っていたが痕跡があった」といったものであれば納得できました。
「夢を見た」と言い切られてしまうと、それは杉村さんの脳内で作り出されただけのものでしょう、としか思えなくなってしまいます。
うまく言えませんが、実話怪談としての境界線ギリギリだと思います。(−1)

名前: 13 ¦ 11:30, Sunday, Feb 25, 2007 ×


怪異:(´;ω;`)ウッ…
同じ男として悲しくなってくるぜ。そんなこと言われたら、相手を殺すか、自分を殺すかするかも知れない。
この男は自分を殺しちゃったんだね。
こんな追体験はしたくないなぁ。+1
文章:巻き髪という記述からベルバラみたいな髪型を思い浮かべたボクはどうすれば。
パーマの出来損ないみたいな髪型なのかなぁ。
それはともかく、文章は中々。+1

名前: brother ¦ 23:20, Sunday, Feb 25, 2007 ×


何とも妙な体験ですね。最初はストーカーの幽霊なのかと思いました。誰かに自分の体験を知ってもらいたくて、杉村さんにくっついてきちゃったのでしょうか?なぜ女性にくっついちゃったのか謎ですね。どちらにしてもいい迷惑ですが。“今まで経験した事のない恐怖”はあまり感じられませんでした。
内容に+1。文章は−1。

名前: 飛泉 ¦ 22:01, Monday, Feb 26, 2007 ×


序文が効果的に思えず。
意外性、というか恐怖を説明されても、受け取り方は読み手によりますし。
追体験だけでは、怖いとは思わないかなぁ。
素材:0 文章:0

名前: 夢屋 陣 ¦ 12:32, Wednesday, Feb 28, 2007 ×


あんた、ヘタクソなのよって、それいっちゃおしまいですよ(笑)
これは文中には書かれていませんが、「見える人」のお話なのでしょうね。だからこそ、この書き方ではきつい部分が生じてきてしまう部分が内在してます。怪談慣れした方や霊感の強い方は別として、怪談初心者の方、見たことのない方には銀縁メガネの存在があまりにも唐突に感じてしまうのではないかなーと。
ゆえに、感情移入がしにくくなる部分が現れてくる気がします。というのはこのお話の中には、物理・視覚的な現象が起きておらず、また怪異の事情を知らないはずであろう第三者の証言もありません。そのあたりの展開にはひと工夫いるかもしれません。
ただ、状況をストレートに受け入れるのなら、悲しい話だと思います。
メガネの彼にはもっと、強く生きて欲しかったですね。

名前: 矢内 倫吾 ¦ 23:04, Wednesday, Feb 28, 2007 ×


   -4   0  +4
文章;■■■■■□□□□(±0)…a
構成;■■■■■□□□□(±0)…b
怪異;■■■■□□□□□(-1)…c
恐怖;■■■■□□□□□(-1)…d
嗜好;■■■■■□□□□(±0)…e
※(a+b+c+d+e)/5…総合点(小数点以下第1位四捨五入)

 突然、何の関連もないイメージが堕ちてくるという怪異は特段珍しいものではなく、今大会においても2/10に公開された「オレンジ色のトレーナー」ですでに同様の現象が提示されている。
 なによりもこの作品の価値を低くしているのは、決定的な何某かが起こっていないことである。恐怖の肝が結局「夢」という曖昧な現象で終わっている。
 文章自体は決して悪いものではないので、次の作品に期待したい。

名前: 空 ¦ 12:47, Thursday, Mar 01, 2007 ×


怪異とそうでないものの区別は難しいと思うのですが、これは違うかなぁというのが感想です。
ネタによっては、面白く書けそうな方だと思うので、そこを+
内容ー2 文章+1

名前: cross2M ¦ 20:16, Saturday, Mar 10, 2007 ×


素材・−2 文章・1 何も起こっていないと言われても仕方の無い素材である。 結局は夢オチの類か、という感想しか持てない。

名前: つくね乱蔵 ¦ 14:48, Friday, Mar 16, 2007 ×


文章:-1 怪異:+1

夢で追体験させれるって、よほど悔しかったのですね。
でも、当人のところに行ってほしいというのは同感。

最初の方文章削ったほうがさっぱりしていいと想います。
あと、タイトルと中身の繋がりが今一……?

名前: 晴。 ¦ 18:11, Friday, Mar 16, 2007 ×


問題は、『見えない誰か』がついてきている事。この表現は好きじゃない。
後半、夢の中の部分が少しわかりにくい。
文章力不足を感じる。

『あんたとは遊びだったのよ〜、最初から。本命は別にキープしてるし。しっかし、あんたはアレが最低に下手糞だったわ〜』の書き方が滑稽な感じがして、涙につながらない。もっとショックをうけるような強いキツイ言い方を表現してほしかった。


名前: 黒ムク ¦ 13:59, Friday, Mar 23, 2007 ×


幽霊の行動が非常に唐突で不可解ですね。
まあ、理解可能な行動ばかりとる幽霊はあまり怖くないのも確かですが。
でも、これが怖いか、と言えばそうでもないなあ。杉村さんにとっても完全に他人事のようなので。
夢、というのがちょっと困りものですね。初めて体験した怪異が印象的で杉村さんが夢で補完した、とも取れるしなあ。
悔恨というタイトルも、誰が何を悔恨してるのかわからないので不適切な気がします。

名前: 藪蔵人 ¦ 20:24, Tuesday, May 01, 2007 ×


憑依されて、とんだ災難でしたね。体験としてはおもしろい。ほかの人の体に獲りつき、嫌な思いをかわりにしてもらうなんて、新しいバージョンの憑依でしょうか。
文章技術評価1 体験談希少度評価1

名前: ナメコ ¦ 02:47, Friday, May 04, 2007 ×


明確に五感に訴える現象が発生していないため、怪談として扱っていいものかどうかも微妙なところである。
夢にしても、「メガネを掛けた男性がついてきている」というイメージに引きずられて見たもの、という解釈すら成り立ってしまう恐れがある。
イメージと夢だけでは、読み手に恐怖を伝えるには弱すぎるのだ。

名前: GPZ ¦ 22:48, Saturday, May 12, 2007 ×


ちょっと、わかりにくいです。

名前: ペペ ¦ 16:16, Thursday, May 17, 2007 ×


ちょ、同性ながら、そのセリフはヒドイ!ヒド過ぎだろがー!!たとえ心で思っていても、アレに対するののしりは口が裂けても言わないのがお約束。自分が男で、こんなこと言われたら、確実に廃人になりますって。
ああ、でも、いまどきの巻き髪さんなら言ってしまうかもしれないなあ。
怪異とは別の意味ではありますが、ひどくショックだったので1点です。ものすごく印象に残りますよ、コレ。
いや、しかし、夢オチとして片付けるのはどうでしょう。まず、女性がこんな夢見るかなあ?そこがとっても疑問なので、やっぱり怪異はあったのだと見ます。
願わくば、これは強い無念から生まれた生霊の仕業であって欲しいものです。

(あ、巻き髪とは、女優さんなんかがよくしているアレです。セミロングまたはロングの髪を、大きめのゆるい縦ロールにして肩の前に垂らすアレのことでしょう。もっと具体的に挙げると、叶おねえさまとかかな)

名前: こころママ ¦ 01:38, Friday, May 18, 2007 ×


杉村さんは銀縁眼鏡の男と同調しちゃったんでしょうね。
この人なら俺の悔しさをわかって貰える、と男に思われて…
なんとも情けなくてやり切れない話だなあ。

文章1 怪異1 =2

名前: 久遠平太郎 ¦ 20:15, Sunday, May 20, 2007 ×


わざわざ女性である杉村さんに、夢で詳細を見せなくてもいいと思うんですけど、何故杉村さんを選んだんでしょうね、酷い事を言った巻き髪の彼女さんににていたとか。
酷い事を言われ、自殺しこの無念を誰かに聞いてもらいたかったのでしょうか。

名前: フジ ¦ 22:09, Tuesday, May 22, 2007 ×



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